不動産ニュース / 仲介・管理

2019/4/16

TKPがリージャス買収。1,500拠点目指す

記者発表後握手を交わすティーケーピー河野社長(右)とIWG社ディクソン社長

 国内250拠点で貸会議室事業等を運営する(株)ティーケーピーは15日、世界110ヵ国で「リージャス」ブランドのレンタルオフィス事業を展開するIWG社および同社100%子会社のRegus Group Limitedとの間で、日本リージャスホールディングス(株)の全株式の売買契約と、IWGの国内での独占的パートナーシップ契約を締結した。買収金額は、3億2,000万ポンド(約500億円)。

 日本リージャスの展開する国内150拠点のフレキシブルオフィス、コワーキングスペースを傘下に収めることで、短中期のレンタルオフィスニーズやサブスプリクション契約ニーズへ対応。ケータリング、料飲、宿泊といった付帯サービスの充実や新たな開発案件の共同マーケティングなどの事業シナジーを生み出していく。

 またTKPは、リージャスグループの独占パートナーとして、同グループが世界で展開するフレキシブルワークスペースを会員へ提供。IWG社の海外顧客をTKPの施設へ送客していく。TKPと日本リージャスの展開する拠点数は現時点で約400だが、10年以内に1,500拠点まで拡大する。

 16日会見したティーケーピー代表取締役社長の河野貴輝氏は「リージャスさんのビジネスについては、この10年間その可能性をひしひしと感じていた。偶然同じ立地に施設を出すことが多かったが、お客さまの奪い合いになることはなく、むしろお互いにお客さまが増えていた。一緒にビジネスができたら、相互送客や仕入れ等、さらにシナジーが出せると考えた。サービスメニューに、レンタルオフィスやコワーキングスペースが加わることで、どんな空きスペースでもジグソーパズルのラストピースを埋めるように活用できる」と抱負を語った。
 また、IWG社代表のマーク・ディクソン氏は「日本は、ワーカーの意識改革とそれに伴うオフィスマーケットの変革が、他国に先んじて進んでいる。この変革の波はわれわれのビジネスにとって大きな追い風で潜在的ポテンシャルも大きいが、それをリージャスだけでものにしていくのは難しく、優れたパートナーを探していた。TKPさんとパートナーとなることで成長スピードをさらに加速し、レンタルオフィスマーケットに新たなムーブメントを起こす会社を作りたい」と語った。

 なお、IWG社のディクソン氏と日本リージャスホールディングス代表取締役の西岡真吾氏は、5月開催のティーケーピーの株主総会の承認後、同社の取締役となり、TKPとリージャスの協力関係を強化していく。

この記事の用語

コワーキングオフィス

独立して働く人々が共同利用しながら働く事務所。そのような場所を「コワーキングスペース」ということもある。

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