不動産ニュース / 調査・統計データ

2019/11/14

地場景況感、売買仲介DIが低下傾向

 不動産情報サービスのアットホーム(株)は14日、「地場の不動産仲介業における景況感調査(2019年7~9月期)」の結果を発表した。

 北海道、宮城県、首都圏(1都3県)、静岡県、愛知県、近畿圏(2府1県)、広島県、福岡県の13都道府県において、前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出。「50」を前年並みとする。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて不動産仲介業に携わる不動産店の経営者層を対象にインターネットで調査した。調査期間は9月12~29日。有効回答数は1,635店舗。

 当期の賃貸仲介の業況DIは、45.3(前期比2.3ポイント低下)と2期連続の低下。前年同期に比べると0.7ポイント上昇しており、7~9月期としては最高値となった。近畿圏は43.9(同4.8ポイント低下)、前年同期比でも3.6ポイント低下している。

 エリア別にみると、全国14エリア中12エリアで前期を下回った。上昇したのは都下(44.5=同5.7ポイント上昇)と福岡(44.6=同2.8ポイント上昇)のみ。愛知県が45.0(同7.6ポイント低下)、京都府が46.2(同6.9ポイント低下)、大阪府が42.7(同6.8ポイント低下)、広島県43.3(同10.7ポイント低下)と、西日本エリアでの低下幅が大きかった。

 19年10~12月の見通しDIは、首都圏が44.3、近畿圏が43.7といずれも横ばいで、慎重な見方が多い。

 売買仲介の業況DIは、首都圏は43.5(同1.7ポイント低下)、近畿圏は44.6(同1.8ポイント低下)と共に低下。前年同期比でも首都圏は2.4ポイント低下、近畿圏は0.7ポイント低下した。

 エリア別では、14エリア中11エリアが前期のDIを下回った。特に、神奈川県が39.0(同6.1ポイント低下)、宮城県が32.4(同8.4ポイント低下)と2エリアで40を割り込んでいる。

 見通しDIは、首都圏が38.8、近畿圏が40.6といずれも、7~9月期の実績よりも低下。慎重な見方が強まっている傾向が読み取れる。

 不動産店のコメントでは、「賃料の安い物件に流れている」(兵庫県西宮市)、「東京オリンピック後の景気後退を懸念するユーザーが増えた」(東京都文京区)、「売り主は価格上昇、買い主は価格下落の意識があり、価格交渉が難航して成約まで長期化している」(東京都品川区)など、市況の節目を思わせるコメントもあった。

 併せて、空き家を含めた売買取引全般における過去5年間のアンケート結果についても公表。空き地・空き家となっている不動産は増えているか?との問いに対し、「非常に増えている」が7%、「増えている」が50%となり、過半数が空き家・空地が増加傾向との認識を持っていることが分かった。売買取引全般における5年間の変化は、「売却期間の長期化」42%、「売り物件の増加」34%、「買い希望の減少」32%の順となった。

記事のキーワード 一覧

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年5月号
住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/4/5

「月刊不動産流通2024年5月号」発売開始!

月刊不動産流通2024年5月号」の発売を開始しました。

さまざまな事情を抱える人々が、安定的な生活を送るために、不動産事業者ができることとはなんでしょうか?今回の特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part 7 住宅弱者を支える 」では、部屋探しのみならず、日々の暮らしの支援まで取り組む事業者を紹介します。