不動産ニュース / その他

2019/12/12

「令和2年度税制改正大綱」、各業界団体がコメント

 政府与党が12日に発表した「令和2年度税制改正大綱」について、各業界団体のトップから、以下の通りコメントが発表された。

(一社)不動産協会(RECAJ)理事長 菰田正信氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)会長 坂本 久氏
(公社)全日本不動産協会(全日)理事長 原嶋和利氏
(一社)不動産流通経営協会(FRK)理事長 山代裕彦氏
(一社)不動産証券化協会(ARES)会長 杉山博孝氏
(一社)日本ビルヂング協会連合会 会長 木村惠司氏

(一社)不動産協会(RECAJ)理事長 菰田正信氏

 本日決定された「令和2年度税制改正大綱」では、最重点要望と位置付けていた「長期保有土地等に係る事業用資産の買換え特例」の延長が認められた。世界経済の先行きの不透明感が増し、製造業を中心に企業の景況感が弱含む中、安定的な設備投資を促進し、成長力強化に資するものである。

 また、「新築住宅に係る固定資産税の軽減特例」、「居住用財産の買換え・売却に伴う特例」や「国家戦略特区に係る特例」をはじめ、都市、住宅、土地等に係るその他の主要な要望についても延長等が認められた。

 都市の国際競争力の一段の強化に向けたビジネス環境整備や防災性能の向上、多様なニーズに対応した質の高い良好な住宅ストックの形成等に資するものであり、評価している。

 ご尽力頂いた関係各位に対して、厚く御礼申し上げたい。

 今回の税制改正を踏まえ、当協会としても、引き続き、時代を先取りした魅力的なまちづくりの推進と豊かな住生活の実現を通じて、日本経済の持続的な成長に貢献して参りたい。

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)会長 坂本 久氏

 今改正の最大の目玉は、何と言っても「低未利用地を譲渡した場合の100万円控除」だ。

 100万円控除は我々の永年の課題であったが、これまでは改正議論の俎上に載せることさえ叶わなかった。それでも一貫して現場の声を受け止め、制度の必要性を訴え続けた結果、今回このような新たな政策税制として実現することができた。誠に喜ばしい限りであり、これまでの生みの苦しみを思うと感極まりない。

 この制度を生かすか否かは、我々宅建業者の手にかかっている。特例を大いに活用し、土地利用やまちづくりを提案する地域の担い手として、しっかりとその役割を果たしていきたい。

 各種特例措置の期限延長を含め、今回の税制改正はまさに満額回答。ご尽力いただいた関係各方面に対し、心より御礼申し上げる。

(公社)全日本不動産協会(全日)理事長 原嶋和利氏

 本会が以前より地方圏の不動産流通の活性化のため長期譲渡所得の100万円控除を要望していた中で、近年の空き家・所有者不明土地の問題に対する抑制に資するよう、低未利用物件・低額物件に係る長期譲渡所得における特例措置が創設された。

 また、地域活性化のための税制改正要望として訴えた登録免許税や不動産取得税の軽減措置など、住宅・不動産関連の延長と拡充について、本会からの主要な要望が認められ、ご尽力頂いた政府・与党の関係者の皆様に厚く御礼申し上げたい。

 特に、上述した長期譲渡所得における特例措置について、当会として周知徹底を行うとともに、その制度が利活用されるよう努めて参りたい。

(一社)不動産流通経営協会会長(FRK)理事長 山代裕彦氏

 今回の税制改正大綱では、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の特例や特定の事業用資産の買換えの特例など、来年度に期限切れとなる各種特例措置が延長された。このことは現下の堅調な不動産取引を下支えし、市場活性化を後押しするものと評価する。また、低未利用地の適切な利用・管理を促進するための特例措置が創設されたことは、土地の有効活用を通じた投資の促進、地域活性化に繋がるものと期待する。

 足元の不動産流通市場は、個人投資家向けの収益物件に関しては金融機関の融資厳格化の影響により取引の減少が見受けられるものの、実需層の住宅取得に対する需要は底堅く、住宅税制の優遇措置や金融緩和等の政策にも支えられ、総じて堅調な状況を維持している。

 本年4月に国土交通省により策定された『不動産業ビジョン2030』においては、ストック型社会の実現を官民共通の目標に掲げ、多様化するライフスタイルやライフステージに応じた住まいを選択できるよう既存住宅市場の活性化が急務とされている。このような中、当協会では、多様化する新たな住み替えニーズに対応する支援制度が市場活性化に必要と考え、住宅ローン減税等の最低床面積要件の引き下げなどを税制改正要望事項に挙げており、今後も引き続きお願いしていく。

 内需の柱である住宅・不動産市場において、既存住宅流通市場に期待される役割が益々増大するなか、当協会は、今後とも不動産流通市場活性化に向けて鋭意取り組んでまいる所存であり、国においても税制・制度等の政策面での支援を引き続きお願いいたしたい。

 最後に、今般の税制改正にご尽力をいただいた政府・与党の関係者の皆様に厚くお礼申し上げる。

(一社)不動産証券化協会(ARES)会長 杉山博孝氏

 Jリートに代表される不動産投資市場は、これまで国内外の投資家に様々な投資機会を提供するとともに、 不動産と金融資産を繋ぐ資金循環機能を通じて都市の再生と地域の活性化を推進し、我が国経済の成長や国民生活の向上に重要な役割を果たしてきた。

 令和2年度税制改正大綱においては、当協会が要望した「特定の事業用資産に係る買換え特例措置の延長」や「投資法人等の外国子会社合算税制適用時における二重課税調整措置の導入」等が講じられた。これらは不動産取引の活性化や都市および地域の再生、アウトバウンド投資の拡大等による不動産投資市場の成長に寄与するものであり、高く評価したい。
 ご尽力いただいた関係者の方々に深く感謝を申しあげる。

 当協会としても、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催以降も我が国の不動産投資市場が持続的に成長し、グローバルな市場として確固たる地位を築けるよう、不動産投資市場の拡大に資する環境整備に対して 一層使命感を持って取り組む所存である。

(一社)日本ビルヂング協会連合会会長 木村惠司氏

 令和2年度与党税制改正大綱において、当連合会が要望していた特定の事業用資産に係る買換え特例ほかの特例措置の延長が認められたこと、また、居心地が良く歩きたくなるまちなか創出のための固定資産税等の特例措置が創設されたことを評価したい。

 当連合会は、都市再生・地方創生、まちの魅力向上や、都市の安全・安心性強化などに引き続き努めていく所存である。

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