不動産ニュース / その他

2020/7/13

企業等の東京一極集中の要因を議論/国交省

 国土交通省は10日、「企業等の東京一極集中に関する検討会」(座長:増田寛也・東京大学公共政策大学院客員教授)の第2回会合を、WEB会議にて開催した。

 国土形成計画等において、東京圏への過度な集中の是正に向けた取り組みが進められている一方で、企業等の動向が大きく変化するような状況にはなっていない。同懇談会では、企業活動や働き方を含む多角的な観点から諸外国の都市圏と比較しつつ、企業等の「東京一極集中」の要因等について議論していく。

 会合では、今後の議論の方向性として、新型コロナウイルス感染症を想定した「新しい生活様式」の実践が求められている中、「働き方の新しいスタイル」は今後、東京への企業等の一極集中の現状に影響を及ぼす可能性があると指摘。テレワーク・WEB会議の普及についても触れ、今後もビジネス様式として定着していけば、企業立地や社員の配置にも変化が生じる可能性があるとした。また、新型コロナ感染症の影響下において、特に20・30歳代で地方移住への関心が高まっていることにも触れた。

 また、従来の調査目的である東京一極集中の要因に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえた企業等の行動変化・それが一極集中に与える影響も調査する必要があると提案。企業におけるコミュニケーションツールの整備、テレワークを利用した働き方・ワーケーションや拠点の整備等に対する考え方、およびその変化につきヒアリング調査等の実施も挙げた。
 人生観・価値観や職業に対する意識調査(男女間の差異も考慮)のほか、本社の一括採用や定期的な転勤を伴う異動といった日本型の雇用慣行と一極集中の関係につき、海外とも比較しながら分析していく方針も示した。

 委員からは、「東京本社一括採用以外の“地域就職の可能性”も探っていくべき」「“地域”と一括りにせず、政令指定都市や中核市などセグメント分けした上での議論が必要」「テレワークは一極集中との関わりが密接であるため、長期・短期での対策を考えていく」など、今後の議論への意見が寄せられた。

 同懇談会は、8・10月に調査結果や今後の対応方策に関する議論の場を設け、最終とりまとめを行なう。

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テレワーク

働き方のひとつで、情報通信機器等を活用して時間や場所の制約を受けずに柔軟に働く方法をいう。事業所に出勤せずに家で作業する在宅勤務、個人が委託・請負によって作業する在宅ワークなどがあるが、情報通信技術を幅広く活用することが特徴である。 テレワークにおいては、住宅が職場ともなり得る。

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