不動産ニュース / 開発・分譲

2020/10/27

災害時に仮設住宅となる移動式木造建築

「CLT combo(仮称)」実証棟の外観。ホテルとして運用しつつ、災害発生時は応急仮設住宅として提供する
実証棟の内観

 住友林業(株)は、茨城県境町、防災危機管理に関する調査・研究など行なう(一社)協働プラットフォームとの協定に基づき建設した移動式木造建築「CLT combo(仮称)」の実証棟を竣工。27日、報道陣に公開した。

 「CLT combo(仮称)」は、キャンプ場等での宿泊施設やワークスペース、セカンドハウスなどさまざまな用途・場所での利用(マルチユース)をコンセプトとした移動式木造建築。CLT(直交集成版)を構造材に用いたボックスユニットを、建築現場に運んで組み立てる。現場作業は、給排水管の整備やユニットの基礎部への設置のみで、簡易に設置できるのが特徴となる。住友林業が同住宅の開発を担当し、災害発生時には境町に応急仮設住宅などとして提供。協働プラットフォームは、災害対策や応急仮設住宅の仕様などに関する専門的な知見を住友林業に提供する。

 今回建設した実証棟は、群馬県伊勢崎市の工場で組み立て、境町の都市計画公園内に設置した。2つのユニットを配置し、中央にグランピングコテージを設けた。延床面積は32.40平方メートル。災害発生時は2ユニットを合体し、1世帯のための応急仮設住宅、福祉避難所として開放する予定。定員は、平常時(グランピング利用)は大人4人、災害時は大人2人(+小学生以下1人まで可)。

 今後は、同公園内ホテルの一施設として宿泊利用される見込み。宿泊施設として運用しながら、居住環境モニタリング調査等を約1年間行ない、同建物の販売に向けたデータを収集していく。

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