不動産ニュース / 調査・統計データ

2020/11/11

関係人口の訪問頻度、「年に数回」が最多

 国土交通省は10日、第4回目となる「ライフスタイルの多様化と関係人口に関する懇談会」(座長:小田切 徳美 明治大学農学部教授)を開催。9月に実施した「関係人口の実態把握」に係るアンケート結果の続報を発表した。

 関係人口(日常生活圏、通勤圏以外に定期的・継続的に関わりを持っている地域がある人)を抽出し、地域との関わり方について確認する。三大都市圏とその他地域それぞれで7万5000サンプルを調査し、全体で14万9,522サンプルを回収。調査対象地域の18歳以上の人口に基づき、母集団拡大推計を実施した。前回の調査結果はこちら。

 今回、関係人口(訪問系)のうち就労型について、地域とのつながりの強さの観点から、地域での就労とテレワークでは性質が異なるため、「現地就労」と「テレワーク」を区分し、「就労型(テレワーク)」を新たに付け加えた。結果、三大都市圏では、関係人口(訪問系)約18.4%(約861万人)のうち、就労型(現地就労)は約1.0%(約49万人)、就労型(テレワーク)は約1.9%(約87万人)となった。
 その他地域では、関係人口(訪問系)約16.3%(約967万人)のうち、就労型(現地就労)が約1.0%(約60万人)、就労型(テレワーク)は約1.5%(約92万人)。

 東京都居住の関係人口(訪問系)の訪問先について、「直接寄与型」の訪問先は、約4割が首都圏都市部となり、約5割が首都圏都市部を含む三大都市圏だった。一方、直接寄与型の約3割は、三大都市圏、政令市および中核市以外の地方部に関わりを持っており、都市部から地方部に赴く関係人口の存在も確認できた。

 直接寄与型に関する整理を行なうため、地域との関わり方について、1番目と2番目に力を入れている取り組みを把握し、それぞれのメインおよびサブの過ごし方を計測した。直接寄与型の約5割強がメインの過ごし方が直接寄与的であることが分かった。
 訪問先への移動時間は、約6割以上が「2時間30分未満」と回答する一方、5時間以上が約1割存在するなど、長時間の異動を行なう人が一定数いた。訪問先の滞在時間は、日帰りまたは4泊程度までが大半を占めた。訪問頻度は、年に数回が最も多い一方、月10回以上と高頻度で訪問する人も多数存在した。

 地縁・血縁的な訪問者の傾向についても推計した。新型コロナ感染拡大の収束後、地域や地域住民との関係性をどのようにしたいか聞いた所、約7割が「いま以上の関係を求めていない」と回答。また、「地域の人とのコミュニケーションを深めたい」等、地域との関係性を深めたい意向を示す人は、関係人口(訪問型)と比べ少数だった。どのような点が改善されれば地域と関係性を深められるか、の質問では、「家族や同行者の理解、価値観の合う仲間の存在」と回答した人が多かった。

 次回会合は2021年1月に開催予定。今後も各定義の見直しなどを図りながら、アンケートの結果の整理を行なっていく。

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