不動産ニュース / 調査・統計データ

2020/12/1

IT重説・電子署名、住宅購入者の半数が利用意向

 (一社)不動産流通経営協会は1日、2020年度の「不動産流通業に関する消費者動向調査」の結果を発表した。居住用不動産取得者の取得行動等を把握する目的で1991年から行なっており、今回で25回目。首都圏1都3県において19年4月1日~20年3月31日に購入した住宅の引き渡しを受けた世帯にWEBアンケートした。調査期間は、20年7月22日~8月11日。有効回答数は1,188件。

 住宅購入資金の内訳をみると、「現金・預貯金等」は新築住宅購入者のうち66.8%(前年度比2.0ポイント増)が利用し、平均額は1,030万円(同17.3%減)だった。既存住宅購入者は利用率60.2%(同1.1ポイント減)・平均1,360万円(同1.6%減)。「親からの贈与」は、新築は利用率19.5%(同1.1ポイント減)・平均960万3,000円(同11.5%増)、既存は利用率11.8%(同3.8ポイント減)・平均826万1,000円(同7.7%増)となった。民間の住宅ローンを利用した場合の金利タイプは、「全期間固定型」が6.2%(同1.9ポイント減)、「固定金利期間選択型」が15.3%(同2.4ポイント低下)と減少。「変動金利型」が73.8%(同7.4ポイント増)と7割を超えた。

 買い替えによる売却差益の発生率は42.6%(同4.8ポイント増)と4割を超え、13年度以降で最高。売却差損が発生したのは51.4%(同3.8ポイント減)と、その差は10ポイントを切っている。売却差損発生世帯の平均売却損失額は1,186万4,000円(同107万7,000円減)。売却住宅の取得年が1999年以前は売却差損が1,000万円を超え、取得年が新しくなるほど売却差損が小さくなる。

 既存住宅の購入に際して、不動産会社による建物保証に伴う調査や既存住宅瑕疵保険の事前調査など、何らかの「建物検査」を実施したという回答は、47.7%(同1.7ポイント増)となった。既存戸建てについて65.5%(同2.9ポイント増)、既存マンションは40.4%(同0.6ポイント増)となった。

 今回から、重要事項説明・売買契約締結へのIT利用に対するニーズに関する設問を用意。今後住宅を購入する際の「IT重説」の利用意向(利用したいと思う)は49.7%。年齢別では60歳以上の26%から年齢が若いほど意向度が高まり、29歳以下は56.0%となった。また、売買契約締結における電子署名の利用意向も53.2%となり、IT重説同様、年齢が若いほど利用意向は高かった。

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重説IT化

不動産取引における重要事項説明を、インターネット等を活用して対面以外の方法で行なうこと、またはその方法を導入すること。 重要事項説明は、宅地建物取引士が対面で行ない、書面を交付しなければならないとされていた(宅地建物取引業法)。

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