不動産ニュース / 開発・分譲

2022/3/9

水害対策に特化した賃貸住宅/大東建託

「niimo」外観イメージ
1階の駐車場奥にあるアネックス(離れ)は、多目的に利用することが可能

 大東建託(株)は、水害対策に特化した防災配慮型賃貸住宅「niimo(ニーモ)」の販売を、11日より開始する。

 同社グループの防災プロジェクトとして2018年に立ち上げた“防災と暮らし研究室「ぼ・く・ラボ」”の取り組みとして、日常時の暮らしが非常時の備えにもなる「フェーズフリー」な賃貸住宅をコンセプトに開発。災害に対応できる賃貸住宅として、耐震等級3相当の構造と外断熱の壁を採用した。

 1階は、浸水した場合でも早期の復旧が比較的容易な打ち放しコンクリート仕上げの鉄筋コンクリート造に。屋根付き駐車場やアネックス(離れ)を配置し、アネックスは日常時、事務所やテレワークスペース、趣味の部屋としても使用することができる。
 2・3階は木造2×4工法とし、居住空間を集約することで、被災直後や復旧作業時でも入居者は避難や退去をせず、自宅での生活を継続できる設計とした。階段室は3層にわたり吹き抜けとし、重力換気により風が通り抜ける空間を設け、水害時に湿気を帯びた建物を早期に乾燥させることが可能。1階のコンセントは天井付近の高い位置に、エアコンの室外機は2階以上に設置するなど、水害時の水没による破損を回避できるよう配慮している。

 間取りは2LDK+アネックス、専有面積は81.75平方メートル。初年度は50棟の販売を目指す。

 「ぼ・く・ラボ」では、全国にある同社の支店を、支援物資や給電設備などを備えた防災拠点「ぼ・く・ラボステーション」として運営している。同住宅は、多雪エリア等を除く24拠点の同ステーションのサテライトと位置付け、敷地の一部を利用して災害復旧支援活動を実施していく考え。

 同社商品開発部長の峠坂渋彦氏は、「災害発生時に被害状況の調査に出向くと、悲惨な状況を目の当たりにする。日々の暮らしの中で災害への備えを無理なく取り入れることが重要であるという“フェーズフリー”の考えを取り入れ、同住宅の開発に至った。また、救急セットや簡易ベッド、レジャーシートなど15種類の防災グッズが入った『おせっかい防災ボックス』を同住宅に設置する。非常時に近隣住民との共助に活用してもらいたい」などと話した。

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テレワーク

働き方のひとつで、情報通信機器等を活用して時間や場所の制約を受けずに柔軟に働く方法をいう。事業所に出勤せずに家で作業する在宅勤務、個人が委託・請負によって作業する在宅ワークなどがあるが、情報通信技術を幅広く活用することが特徴である。 テレワークにおいては、住宅が職場ともなり得る。

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