不動産ニュース / 開発・分譲

2022/11/11

住民の交流促す仕掛けで新たな郊外居住を提案

「BESSの家」ログハウスと「MINANOBAの庭」(写真手前)
「MINANOBAの庭」は、高低差をいかした展望台(テントサイト)を設置。焚火サイトや備蓄庫を配したほか、収穫できる木々も植え、収穫イベントも計画するなどコミュニティの起点となる

 東急(株)は10日、12月から販売を開始する分譲住宅地「MINANOBA VILLAGE(ミナノバ・ビレッジ)」(横浜市青葉区、総区画数:36区画)を報道陣に公開した。

 同物件は、東急田園都市線・横浜市営地下鉄ブルーライン「あざみ野」駅バス8分「大場坂上」バス停徒歩4分に立地。土地区画整理事業の保留地を同社が取得して開発した。敷地面積は約5,900平方メートル。テレワークを前提としたライフスタイルの定着など、コロナ禍を経た郊外における新しいライフスタイルを具現化した住宅地として提案するもの。同社が22年から進める生活者起点のまちづくり「nexus構想」の第2弾として、屋外空間を活用した共創・共助などのコミュニティ形成に向けた実証実験の場と位置付ける。

 開発地は、南傾斜の高台立地で、その敷地形状を生かし、自然光や風の流れを意識したパッシブデザインで配棟を計画。棟間に自然光と風を通し、コミュニティ形成の場ともなるフットパス(散策路)を配している。また、街区の中央に住民共有(管理組合が所有)の「MINANOBAの庭」を設置。広さは約300平方メートル。Wi-Fiを完備し、屋外ワークスペースとしての利用のほか、キャンプサイト、焚火サイト、イベントスペースなど多目的に活用してもらう。共用の備蓄庫も設置しており、工具や防災備品、アウトドア用品等を住民同士でシェアし、持続的なコミュニティの構築を促す。

 36区画のうち25区画を建売住宅として、11区画を土地分譲(建築条件なし)で販売。建売住宅のうち19棟は同社の戸建てブランド「ノイエあざみ野コートヴィラ」で販売。6区画については、(株)アールシーコアがログハウス2棟を含めた「BESSの家」を建築する。

 「BESSの家」は無垢板を多用、「ノイエ」もフローリングを突き板仕上げとするなど、周辺の自然環境と調和する木のぬくもりを感じられる室内空間としたほか、いずれの住戸も家族数やライフスタイルに合わせ間取りの変更が容易にできるようにした。また、土間、ロフト、セカンドリビングなど「広さ」や「部屋数」に左右されない空間提案を強化。「ノイエ」のうち5棟は、太陽光発電、蓄電池を備えた「創エネ」仕様。全戸に雨水貯留タンクも設置した。

 12月発売の1期・2期は建売14区画(ノイエ8棟・BESSの家6棟)。土地面積約129~181平方メートル、木造2階建て、延床面積約83~105平方メートル。間取りは1LDK~3LDK。販売価格は、8,000万円台前半を予定。現時点の資料請求数は、同社想定を2割ほど上回る500件。9月中旬からの事前案内会で約100組が来場している。反響の中心は30~40歳代のファミリー層で、立地環境やコミュニティ形成に向けた取り組みへの評価が高い。モデルルームは12日にグランドオープンする。

「BESSの家」ログハウス仕様のリビング
敷地の高低差が30mもあるため、ひな壇造成をしたうえで、自然の光と風を導くパッシブデザインによる配棟計画を行なっている

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