国際不動産カレッジ(JARECO教育部門)は2日、世界不動産連盟会長の来日記念講演会を「赤坂センタービルディング」(東京都港区)で開催した。
最初に、コーディネーター兼通訳を務める、全米リアルター協会会員で不動産会社代表のアンダーソン沢村百合子氏が「世界不動産連盟(FIABCI、世不連)」について説明。同連盟は、1951年にパリで設立された、不動産業界関連事業者のためのプロフェッショナルな国際ネットワーク。知識・情報の収集と、国際的なビジネスを行なうことに興味がある不動産関連事業者に、その機会と場所を提供することをミッションとしている。現在、世界72ヵ国・49ヵ所に支部があり、40種の業界にまたがる会員で構成。アカデミック部門には、ニューヨーク大学、マサチューセッツ工科大学、オックスフォード大学等が含まれる。
引き続き、同連盟の女性初の会長(2022~23年)で、不動産エージェント歴40年のスーザン・マーディンガー・グリーンフィールド氏が登壇。10年間勤務したMERRILL LYNCH REALTYで、全米1万人のエージェントをマネジメントし、480の不動産事務所のM&Aを手掛けた経験談を披露した。「不動産業界でもグローバル化が進み、国際的なビジネスを行なうことが重要になってきている。積極的に信頼できる不動産ブローカー(不動産会社)と関わり、リファラル(紹介)を得てビジネスの幅を広げていくことが必要ではないか」(同氏)とアドバイスした。
また、20年より同連盟台湾支部会長を務めているリリー・チャン氏も講演。33年の不動産歴を振り返り、「“一番”になろうとしていた時期は、二番でも三番でも満足できず、いつしか孤独になっていった。そうではなく、“一級”を目指そうと考えを変えてからは、周りの人と皆で協力していいものをつくっていけるようになった。仕事をしていく上では“仲間”の存在が重要」と話した。