不動産ニュース / 政策・制度

2022/12/16

「令和5年度税制改正大綱」、各業界団体がコメント

 政府与党が16日に発表した「令和5年度税制改正大綱」について、各業界団体のトップから、以下の通りコメントが発表された。

(一社)不動産協会 理事長 菰田正信氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)会長 坂本 久氏
(公社)全日本不動産協会(全日)理事長 秋山 始氏
(一社)不動産流通経営協会(FRK)理事長 竹村信昭氏
(一社)不動産証券化協会(ARES)会長 杉山博孝氏
(一社)日本ビルヂング協会連合会 会長 木村惠司氏

 

■(一社)不動産協会 理事長 菰田正信氏

 本日決定された「令和5年度税制改正大綱」では、経済の先行きが不透明な状況にあり、国内における新たな設備投資を喚起・促進し、経済の力強い成長の実現が不可欠な中、最重点要望と位置づけていた「長期保有土地等に係る事業用資産の買換特例」と「都市再生促進税制」の延長等が認められた。
 さらに、長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置の創設をはじめとする都市、住宅、土地等に係るその他の主要な要望についても延長等が認められることとなった。
 コロナで加速した価値観の多様化も踏まえた都市の国際競争力強化や、安心・安全で良質な住宅ストックの形成、不動産市場の活性化等を通じ、DXやGXといった大きな変革を実現するとともに、様々な社会課題の解決を経済成長のエンジンに変えるためにも重要なものであり、高く評価している。
 ご尽力頂いた関係各位に対して、厚く御礼申し上げたい。

 今回の税制改正を踏まえ、当協会としても、引き続き、国民の暮らしを豊かにする魅力的なまちづくりや住環境の整備を通じ、我が国の経済・社会の発展に貢献して参りたい。

■(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連) 会長 坂本 久氏

 わが国は空き地空き家問題が深刻化し、全国共通の喫緊の課題となる中、本会では空き家等の発生の抑制と解消を掲げて、不動産総合研究所に「空き家問題研究会」を設置するとともに、2つの重点税制要望の実現に邁進してきた。
 令和5年度税制改正では、まず、本会が主導して令和2年度に創設された低未利用地の適切な利用・管理を促進するための100万円特別控除の適用期限が延⻑された上で、物件の譲渡価額の上限が500万円から800万円に引き上げられ、適用対象が拡大された。また、相続空き家の譲渡所得に係る3000万円特別控除の適用期限が延⻑された上で、取引実態に即して譲渡後の耐震改修又は除却工事が適用対象に追加された。
 今回の要望実現は、空き家問題解決に向けて不動産業界への期待を感じつつ、不動産の有効活用と流動化が促進されることは大変喜ばしい。
 本会では、税制改正の成果を活かしつつ、会員の地域での行政との連携による諸活動や不動産総合研究所の研究報告による政策提言等を通じて、重要課題となっている全国的な空き家等の発生抑制や解消に向けて、より一層取り組んで参りたい。

■(公社)全日本不動産協会(全日) 理事長 秋山 始氏

 本会から強く要望していた「空き家の発生を抑制するための特例措置」、いわゆる譲渡所得3000万円控除の期間延長及び適用シーンの拡充と「低未利用地の適切な利用・管理の促進」のための譲渡所得100万円控除の期間延長及び譲渡価額の大幅な上限引上げについて、一定の制限が加わりつつもいずれも見通しが立ったことに安堵と喜びを感じている。国家的課題に対する有効な処方の一つとして我々不動産流通に携わる事業者も対象不動産の所有者らに対し大いに活用を促していかなければならない。
 またNISA非課税枠の拡張によりこれまで預貯金口座に留まっていた資金の一部がREIT市場にも流入するであろう。こうした「貯蓄から投資へ」のパラダイムシフトの兆しについても好感を持って受けとめている。
 まずは大綱のとりまとめに奔走された政府、与党の関係各位に感謝を申し上げたい。

■(一社)不動産流通経営協会(FRK) 理事長 竹村信昭氏

 今回の改正では、「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置」が創設された。当該措置は、高経年マンションの管理の質を高めることによって、マンションの築年数にかかわらず安心安全にストックが流通する市場環境を整備するものであり、「買取再販に係る特例措置」の延長と合わせて既存住宅流通市場の厚みと裾野の拡大につながるものと評価している。

 また、「低未利用地の適切な利用・管理を促進するための特例措置」及び「空き家の発生を抑制するための特例措置」が、それぞれ拡充・延長された。これらの措置は、空き家や所有者不明土地対策に資するとともに、不動産の有効活用を促し流通活性化につながるものと期待している。

 その他、国民生活や事業活動を支える上で重要な「長期保有土地等に係る事業用資産の買替えの特例」や「土地の所有権移転登記に関わる特例」等の各種特例措置が延長されたことは、不動産流通の観点からも堅調な不動産取引を下支えし市場活性化を後押しするものと評価する。

 当協会としては、ウィズコロナの下での社会経済活動の正常化や民需主導の自律的な経済成長の進展とデフレ脱却に向けて、内需の牽引役である不動産市場における既存住宅の流通活性化に鋭意取り組むとともに、ライフスタイルに合わせた住替えが可能な住宅循環システム(住生活基本計画)の構築に向けた税制・法制等の政策面での支援を引き続きお願いいたしたい。

 最後に、今般の税制改正にご尽力をいただいた政府・与党の関係者の皆様に厚くお礼申し上げたい。

■(一社)不動産証券化協会(ARES) 会長 杉山博孝氏

 Jリートに代表される不動産投資・証券化市場は、国内外の投資家に優良な不動産への投資機会を提供するとともに、不動産と金融を繋ぐ資金循環機能を通じて都市の再生と地域の活性化を推進し、我が国経済の成長や雇用の拡大に重要な役割を果たしてきた。令和5年度税制改正大綱では、当協会が要望した「投資法人、特定目的会社及び特例事業者等が不動産を取得等する場合における登録免許税・不動産取得税の軽減措置の延長及び拡充等」や「特定の事業用資産に係る買換え特例措置の延長」等が認められた。
 これらの措置は、長引くコロナの影響に加え、世界的な物価高騰や金利上昇などにより、先行きの不透明感が高まる中で、不動産投資市場を活性化し、着実な景気回復と今後の日本経済の成長に寄与するものであることから高く評価したい。

 あわせて「NISA の抜本的拡充・恒久化」も講じられた。Jリートは安定的な分配金等により国民の資産形成・資産所得拡大に寄与しているところ、本措置により個人金融資産の貯蓄から投資への流れが加速され、投資家層の更なる拡大にもつながるものと評価している。
 ご尽力いただいた関係者の方々に深く感謝を申しあげる。

 当協会でも引き続き、市場の健全な発展を通じて、コロナ禍で疲弊した日本経済の回復と力強い経済成長に貢献するべく、一層の使命感を持って取り組む所存である。

■(一社)日本ビルヂング協会連合会 会長 木村惠司氏

 令和5年度与党税制改正大綱において、当連合会が要望していた不動産に関わる税制上の特例措置の延長等が決定されたことを評価したい。
 特に、長期保有事業用資産の買換え特例については、コロナ禍からの経済回復の動きが依然緩やかにとどまる中、土地の需要を喚起し、都市の国際化や情報化、脱炭素化など新たなニーズに対応したビル事業への積極的な投資を促進するうえで極めて有効な措置であり、今般、その延長が認められたことは、大変意義深いものと高く評価している。
 ご尽力頂いた関係者の皆様に、心より御礼申し上げたい。
 なお、今回要望を行った土地に係る固定資産税に関しては、今後行われる評価替えに向け、その負担のあり方につき議論を重ねていくことも重要と考えている。
 当連合会としては、今回の税制改正も踏まえ、良質なオフィスビル環境の提供を通じ、引き続き、我が国経済の成長力・国際競争力の維持・向上に貢献するとともに、都市再生と地方創生の推進に寄与してまいる考えである。

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