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2023/1/5

「2023年 年頭挨拶」(業界団体等)

 国土交通大臣および住宅・不動産業界団体トップが発表した年頭所感は、以下の通り。(順不同)

国土交通大臣 斉藤鉄夫氏
(一社)不動産協会理事長 菰田正信氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長 坂本 久氏
(公社)全日本不動産協会理事長 秋山 始氏
(一社)不動産流通経営協会理事長 竹村信昭氏
(一社)全国住宅産業協会会長 馬場研治氏
(独)都市再生機構理事長 中島正弘氏
(独)住宅金融支援機構 毛利信二氏
(公財)日本賃貸住宅管理協会会長 塩見紀昭氏
(一社)全国賃貸不動産管理業協会会長 佐々木 正勝氏
(一社)賃貸不動産経営管理士協議会会長 塩見紀昭氏
(一社)住宅生産団体連合会会長 芳井敬一氏
(一社)プレハブ建築協会会長 堀内容介氏
(一社)日本ツーバイフォー建築協会会長 池田 明氏
(一社)日本木造住宅産業協会会長 市川 晃氏
(一社)日本ビルヂング協会連合会会長 木村惠司氏
(一社)不動産証券化協会会長 杉山博孝氏
(公社)日本不動産鑑定士協会連合会会長 吉村真行氏
(一社)日本ショッピングセンター協会会長 清野 智氏

■国土交通大臣 斉藤鉄夫氏

(一部抜粋)

 令和5年という新年を迎え、謹んで新春の御挨拶を申し上げます。

 現在、我が国は、国難とも言える状況に直面しています。
 少子高齢化や人口減少に伴う国内需要の減少、労働力不足等の厳しい状況に直面する中、令和2年からの新型コロナウイルス感染拡大は、我が国の社会経済や国民生活へ甚大な影響を及ぼしました。
 また、ロシアによるウクライナ侵略を契機として、世界的な物価高騰、円安が進行し、経済に大きな影響を与えているほか、エネルギーの安定供給が脅かされるなど、外交・安全保障環境も一層厳しさを増しています。
 さらには、気候変動に伴い、自然災害が激甚化・頻発化しています。
 こうした難局を乗り越えるためには、政府一丸となって、あらゆる政策を総動員し、着実に実行していく必要があります。
 今後も、国民の皆様と丁寧に、そして誠実に対話し、小さな声ひとつひとつをよく聞き、真摯に受け止めるとともに、国土交通行政において、現場を持つ強み、総合力を活かして、施策の立案・実行に全力で取り組んでいく所存です。
 引き続き、特に以下の3つの柱に重点を置いて諸課題に取り組んでまいります。

(1)  国民の安全・安心の確保
(2)  コロナ禍からの経済社会活動の確実な回復と、経済好循環の加速・拡大
(3)  豊かで活力ある地方創りと、分散型の国づくり

(1)国民の安全・安心の確保

(東日本大震災からの復興・創生)
 東日本大震災からの復興の加速は、政府の最優先課題の一つです。引き続き、現場の声にしっかりと耳を傾け、被災者の方々のお気持ちに寄り添いながら、震災からの復興、そして福島の復興・再生に取り組んでまいります。
 住宅再建・復興まちづくりでは、避難解除区域等内の復興・再生を図るため、福島県内の復興再生拠点の整備を支援してまいります。このほか、東日本大震災からの復興の象徴である国営追悼・祈念施設について、一昨年整備が完了した岩手県・宮城県においては引き続き適切な管理を行うとともに、福島県においては令和7年度の整備完了に向けて着実に取り組んでまいります。

(自然災害からの復旧・復興等)
 昨年は、8月の大雨や9月の台風第14号及び台風第15号等の自然災害が発生し、全国各地で河川の氾濫及び内水等による浸水被害や土砂災害による被害等が生じました。
 昨年発生した自然災害により被災した地域に加え、平成28年熊本地震、令和2年7月豪雨等で被災した地域も含め、被災者の方々のお気持ちに寄り添いながら、引き続き、生活再建の支援に向けて、必要な取組に注力してまいります。

(防災・減災、国土強靱化)
 安全でコンパクトなまちづくりの推進のため、立地適正化計画の居住誘導区域等において防災・減災対策を定める「防災指針」については、令和2年9月の制度創設から昨年7月までに、すでに99都市において作成・公表しています。国土交通省としては、引き続き、防災指針の作成を支援していくとともに、指針に基づく各都市の防災まちづくりの取組に対して、省庁横断的な連携体制の下、重点的な支援を行ってまいります。あわせて、先行事例の横展開を図り、全国的な取組を促進してまいります。また、災害ハザードエリアにおける開発を抑制するため、令和2年6月の都市計画法改正により措置した開発許可制度の見直しについても、引き続き、地方公共団体が安全なまちづくりの実現を図れるよう支援してまいります。このほか、従来の水害ハザードマップに加え、浸水範囲と浸水頻度の関係をわかりやすく図示した水害リスクマップ(浸水頻度図)を全国109の一級水系で整備し、防災まちづくりや企業の立地選択等での活用を促進してまいります。また、ハザードマップのユニバーサルデザイン化や、適切な避難行動・判断につながる防災情報の改善、「防災用語ウェブサイト」によるメディア・住民向けの用語解説の充実など、国民に伝わりやすい形での水災害関連情報の充実・発信に努めてまいります。

(盛土対策)
 令和3年7月に熱海市で発生した土石流災害を受け、盛土による災害を防止するため、昨年5月に盛土規制法が公布されました。現在、本年5月の法施行に向けて、ガイドラインの検討等を進めており、都道府県等による早期の規制区域の指定に向けた支援など、本法による規制が実効性をもって行われるよう、引き続き、取組を進めてまいります。

(2)コロナ禍からの経済社会活動の確実な回復と、経済好循環の加速・拡大

(原油価格・物価高騰等への対応)
 エネルギー価格が高騰している局面において、省エネ投資を下支えするため、昨年12月に成立した補正予算において創設した「こどもエコすまい支援事業」により、エネルギー価格の高騰による影響を受けやすい子育て世帯等に対し、ZEH水準の省エネ性能を有する新築住宅の取得を支援してまいります。また、住宅の省エネ改修等に対しても幅広く支援することとしており、経済産業省や環境省が行う高断熱窓や高効率給湯器の設置への支援と連携して、ワンストップで利用できるようにいたします。

(国土交通分野におけるGXの推進)
 近年、気候変動の影響により、自然災害が激甚化・頻発化するなど、地球温暖化対策は世界的に喫緊の課題となっており、我が国においては、2050年カーボンニュートラルを目標として、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に政府を挙げて取り組んでいるところです。脱炭素社会の実現に向け、住宅・建築物の省エネ対策等を強化することとしており、昨年成立した改正建築物省エネ法に基づき省エネ基準適合の全面義務化を進めるとともに、優良な都市木造建築物等や中小工務店等が建築する木造のZEH等に対する支援を行ってまいります。また、都市のコンパクト・プラス・ネットワークの推進等とあわせて、街区単位での面的な取組などの効率的なエネルギー利用に向けた施設整備等の取組、都市空間の緑化などの脱炭素に資するまちづくりを推進してまいります。さらに、緑と自然豊かな民間都市開発や都市公園整備、道路緑化等を通じてグリーンインフラの社会実装を推進することにより、都市部におけるCO2吸収源対策やヒートアイランド現象の緩和等を効果的に進めるとともに、環境を重視した民間投資の拡大を促進してまいります。

(国土交通分野におけるDXの推進)
 国土交通省の所管分野において新たなサービスが創出され、生産性向上が実現するようDXの普及を促進するとともに、申請者負担の軽減を図るため、許認可等の行政手続自体のデジタル化に強力に取り組んでまいります。

 不動産分野は、市場の透明性確保や業務効率化、他業種との連携による新たなビジネスの創出など、DXの効果が期待される分野であり、不動産取引のオンライン化や取引でのデジタル技術の活用、各不動産の共通コードである「不動産ID」による不動産関連情報の連携・活用の促進、土地・不動産関連情報を地図上に分かりやすく表示する土地・不動産情報ライブラリの整備など、DXを推進する環境整備に取り組んでまいります。

 建築・都市の分野においては、デジタル技術を活用して、都市開発・まちづくりのスピードアップを図るとともに、建物内部から都市レベルまでシームレスなデジタルデータを整備し、これをオープンにすることで、様々な分野での新サービス創出に取り組むことが重要です。このため、個々の建築物に関する情報の3次元デジタル化を図る建築BIM、都市全体の空間情報と都市計画情報等の3次元デジタル化を図るPLATEAU、これらの情報と官民の様々なデータとの連携のキーとなる不動産IDを一体的に進める「建築・都市のDX」に強力に取り組んでまいります。

 デジタル技術を活用して地域の課題解決、新たな価値の創出を図る「スマートシティ」に関しては、昨年、関係府省と連携し、合同で公募・審査を行い、スマートシティ実装化支援事業として先進的な都市サービス等の実装化に取り組む14地区を選定しました。引き続き、官民連携プラットフォームを活用した好事例の横展開や「スマートシティモデル事業等有識者委員会」を通じた先進的な取組の知見整理等を実施するとともに、本年は都市マネジメントの高度化等の先進的な取組を行う地域に重点的な支援を行うなど、スマートシティの実装化を一層推進してまいります。

(3)豊かで活力ある地方創りと、分散型の国づくり

(豊かな田園都市国家の形成に向けた分散型国づくり)
 個性ある文化や豊かな自然環境を有する多様な地域から成り立つ我が国において、人々が地域に誇りと愛着を持って、安心して暮らし続けられる国土を次世代に引き継いでいくことが重要です。このため、総合的かつ長期的な国土のあり方を示す新たな国土形成計画を今年夏頃に策定します。今後、国土審議会において、デジタルを活用し、リアルの地域空間の質的な向上を図る新たな地域生活圏の形成など、次期計画の重点テーマについてさらに検討を進め、未来を担う若い世代が夢を持てる国土の将来ビジョンを示してまいります。
 このほか、二地域居住等の普及促進に向けて、引き続き、関係省庁や全国二地域居住等促進協議会と連携して、関連施策や取組事例の情報発信等に取り組むとともに、新たな働き方・住まい方への対応として、職住近接・一体の生活圏を形成するなど、豊かで暮らしやすい「新たな日常」を実現するため、テレワーク拠点整備等を推進してまいります。

(コンパクトでゆとりとにぎわいのあるまちづくりや都市再生の推進)
 生活サービス機能と居住を拠点に誘導し、公共交通で結ぶコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりについては、昨年7月末までに立地適正化計画の作成に取り組む市町村が634都市、作成・公表した市町村が460都市、立地適正化計画と地域公共交通計画を併せて作成した市町村が336都市と着実に増加しています。今後、都市の骨格となる公共交通の確保や都市圏全体でのコンパクト化の推進等を図る支援施策の充実等に取り組み、持続可能な多極連携型まちづくりを推進してまいります。

(土地政策の推進)
 所有者不明土地対策については、広場、防災備蓄倉庫等の公益性の高い施設に所有者不明土地を活用可能とする地域福利増進事業の拡充、周辺に悪影響を及ぼしている所有者不明土地の管理を適正化する勧告・命令・代執行、市町村による対策計画の作成、低未利用土地の有効利用などに民間の立場から取り組む推進法人の指定など、改正所有者不明土地法で講じられた制度が昨年11月から施行されました。これらの制度が有効に活用されるよう、積極的な周知や支援を行い、所有者不明土地の利用の円滑化と管理の適正化に向けた取組を着実に進めてまいります。
 また、第7次国土調査事業十箇年計画に基づいて、早期の災害復旧や社会資本整備の迅速化等に資する地籍調査を進めてまいります。

(安心して暮らせる住まいの確保)
 空き家対策については、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づいて市町村が取り組む空き家の除却・利活用を支援するとともに、相続した空き家の譲渡所得の特別控除や「全国版空き家・空き地バンク」の活用促進を図ってまいります。また、社会資本整備審議会の下に「空き家対策小委員会」を設置し、空き家等の利活用・流通の拡大を含め、更なる対策の強化を検討しており、今後、その議論を踏まえて、空き家対策を充実・強化してまいります。
 誰もが安心して暮らせる住まいの確保に向け、地方公共団体等と連携して住宅セーフティネット機能の強化を図ることが重要であり、セーフティネット登録住宅の入居者負担軽減や、見守り等を行う居住支援法人等の活動に対して支援を行ってまいります。また、良質な住宅が次の世代に継承されていく住宅循環システムの構築に向け、良質な住宅ストックの形成、既存住宅流通市場の活性化、住宅取得・リフォームに対する支援に取り組んでまいります。
 マンションを巡っては、建物と居住者の両方における高齢化に対応していくため、昨年4月に制度がスタートしたマンション管理計画認定制度等の普及や、今般創設される予定の適切な修繕工事を促す税制などを通じて、マンションの長寿命化を実現する取り組みを推進してまいります。また、マンションの管理、修繕、再生それぞれの観点から、課題と必要な施策の検討を進めてまいります。
 一昨年6月に完全施行された賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律に基づいて登録を受けた賃貸住宅管理業者は、昨年12月に8,700者を超えたところです。本年は賃貸住宅管理業者に対する全国的な立入検査を行うこと等により、制度の理解促進や賃貸住宅管理業の適正化に努めてまいります。

■(一社)不動産協会理事長 菰田正信氏

 昨年はコロナ禍が想定以上に長引いたが、行動制限をかけることなくウィズコロナで暮らすことが定着し、経済活動の正常化が図られてきた。今年は、コロナによって得られた気づきを踏まえた施策を本格化し、持続的な成長に向けて新たな飛躍に向けたスタートの年にしたいと考えている。

 環境政策については、「GXの先導的対応」と「豊かなまちづくり」を同時達成する実効性の高い脱炭素施策推進への支援が必要だ。再エネ導入・利活用の促進を図るとともに、木造化促進への基盤整備や既存ストックに対する脱炭素政策を強化することが重要である。
 都市政策については、都市構造の変化に対応し、ストック利活用を有効に進めるため、土地利用・建築規制の一層の柔軟化に取り組まなければならない。また、国際競争力強化のため、時代をリードする都市開発の進展が必要であり、再開発等諸課題に対応していく。
 住宅政策については、良質な住宅ストックの形成・循環に向け、ZEH等環境性能の高い住宅の供給支援、建替えや長期優良住宅の普及促進、防災性能の向上への取り組みが求められる。
 加えて、子育て世帯や新しい働き方への対応に関する支援拡充等に向けた働きかけも肝要だ。

 国民の暮らしを豊かにするまちづくりや住環境の整備を通じ、我が国の経済・社会の発展に向けて、貢献していきたい。

■(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長 坂本 久氏

 令和5年の年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
 昨年は、サッカーワールドカップが開催され、惜しくもベスト8は逃したものの、強豪ドイツ、スペインを破り「ドーハの歓喜」として国民に感動を与えました。

 一方昨年来のウクライナ紛争により世界中で食料品や原材料が高騰するとともに円安が進行し、国内ではコロナ第7波・8波の影響により個人消費が低迷し景気の先行きは不透明であります。
 我が国では既に少子高齢化社会に突入し、空き家は約850万戸、空き家率は13.6%と過去最高となっております。折しも本年より所有者不明土地の解消に向け、民法等一部改正、相続土地国庫帰属法、相続登記義務化が段階的に施行されます。
 本会では国交省「不動産業ビジョン2030」に記載の「不動産のたたみ方」を消費者に啓発するため、今春消費者セミナーとしてタレントの実体験を基に「実家じまい」についての重要性やノウハウをお伝えすることとしております。
 このような中、本会では空き地・空き家対策として昨年末の税制改正にて「低未利用地100万控除」及び「相続3,000万控除」の延長・拡充を要望し、それぞれ譲渡価格800万への引き上げ、譲渡後の除却工事等が実現されました。
 皆様におかれましてはこれら税制等各種制度を活用され、依頼者の空き地・空き家解消の一助として貢献されますことを切に望むものであります。
 また、マイナンバーカードの普及など政府のデジタル化施策に対応し、電子契約システム「ハトサポサイン」、BtoB機能を充実した「ハトサポBB」、「宅地建物取引士Web法定講習システム」の整備など引き続き業務のデジタル化を推進して参ります。
 本会では現在、ハトマークのブランディングを見直しており、「みんなを笑顔にする」不動産のパートナーとしてのハトマークやキャッチコピーを検討しております。これにより皆様がより地域に寄り添い、消費者に信頼される会員企業となれることを想定しております。
 終わりに2023年が皆様にとって良き年となることを祈念し、新年の挨拶といたします。

■(公社)全日本不動産協会理事長 秋山 始氏

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 皆様、澄み切った心持ちのもと晴れ晴れと新たな年を迎えられたことと存じます。

 私が新年にあたり想いを致すのは、いつのときでも平和への希求と穏やかな日々への感謝でありますが、それを揺るがすがごとく、昨年2月、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻という国際社会に大きな衝撃を与える非常事態が発生し、いまなお収束の糸口すら見えていません。本会では危急存亡の事態に直面するウクライナ国民を人道的に支援するため緊急募金を開始したところ、全国の会員各位よりおよそ3,435万円もの篤志が寄せられました。あらためてご協力をいただいた皆様に深く感謝を申し上げるとともに、このように四海同胞の視座により世界情勢を捉えることのできる全国の仲間を心から誇りに感じます。そしてなにより、不動産を扱う者として、あらためて我が国土が永劫に平穏無事であることを願ってやみません。昨年9月にはこうした安全保障の観点に根差したいわゆる「重要土地等調査法」が施行され、特別注視区域内の土地及び建物を取引する場合等に一定の届出義務が課されることとなりました。宅地建物取引業者が注意すべき新たな法令となりますので、本会でも今後の区域指定等について逐次情報を提供して参る所存です。
 さて、各産業界とも今や遅しとDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいるところですが、国土交通省では、3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」をリリースして都市計画・まちづくりにおける様々な課題の発展的解決を図るほか、ドローンや無人搬送車両の自律運行といったモビリティ分野など新たな価値創造に活用する取組みを進めています。また、我が国の土地及び建物(集合住宅等にあっては取引対象となる1室単位)に17桁の固有の識別番号を割り当てて情報の一元化を図る「不動産IDルール」が構築され、目下、今後の利活用について鋭意検討が進められています。本会では、こうしたデジタル不動産政策についても検討会に参画して意見を述べるなど不動産DXに強い期待を抱きながらその推進に積極的に寄与しております。
 加えて「2050年カーボンニュートラル」の実現を見据えてGX(グリーントランスフォーメーション)のキーワードを目にする機会も増えております。とりわけ、エネルギー消費と密接に関わる住宅産業においては、住宅の省エネ性能基準を大幅に向上させる使命が課せられており、近年では太陽光発電のほかヒートポンプユニットによる地中熱利用など再生可能エネルギーの仕組みを取り入れた新しい住まいも次々と生み出されています。住宅ローン減税に表象されるとおり、政府の税制優遇制度も省エネ基準に着目する方針がはっきりと見て取れますので、GXについてはハウスビルダーのみならず我々不動産流通に携わる事業者全般が強く意識すべきことだと考えております。
 この視点から、本会は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする2025年大阪・関西万博におきまして、そのメインアトラクションとなる「大阪ヘルスケアパビリオン」のスペシャルパートナーとして協賛を行っております。さらに、今月より「ミライREBORNスマイプロジェクト」と銘打って、建築家やデザイナー、クリエイターのほか将来有望な学生等より、幅広く既成概念にとらわれないアイディアを募るコンペを開始いたします。そして、その成果により、2025年大阪・関西万博において未来社会の礎となるような先進的かつ公益性の高い展示に結実させることを目指しておりますので、どうかご期待いただくとともに、会員の皆様にも地域に根差した未来のまちづくりの担い手としてご参画願いたいと存じます。
 本会は「令和8年度での正会員数4万社達成を導くため、(文字どおり「全日」ならではの)“オールジャパン”の推進体制を一層強化する」ことを理事長方針に掲げております。昭和27年の設立から昨年10月に丸70年を迎えた、不動産事業者の団体としては最も長い歴史を有する組織でありますが、見据えるのは今も昔も変わらず常に「未来」です。これまで不動産業界を形づくってきた先達の想いを受けながら、より良い明日の社会のため、そして豊かな住生活を通じた温もりのあるコミュニティを形成するため、全国の会員皆様とともに力を尽くして参ります。本年も変わらぬご支援、ご高配を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
 結びとなりましたが、皆様にとりまして、本年が実り多き素晴らしい一年となりますこと、そして皆様のご健勝と益々のご発展を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。

■(一社)不動産流通経営協会理事長 竹村信昭氏

 わが国の景気は、ウィズコロナの新たな段階へ移行が進められるなか、緩やかに持ち直しております。先行きについては、総合経済対策をはじめとした各種政策の効果もあって、景気は持ち直していくことが期待されますが、海外景気の下振れが下押しリスクとなっており、また物価上昇、供給面での制約等の影響にも十分注意を払う必要があります。

 既存住宅流通市場については、東日本レインズの統計によりますと、首都圏マンションの成約価格は30か月連続でプラスとなっており、依然として強含みの状況にあるものの、一方で成約件数は対前年で減少傾向にあります。足元の営業現場の住宅取引は概ね堅調さを維持しておりますが、このところの旺盛な購入意欲に低下傾向が見受けられるなど、今後の需給を注意深く見極めていく必要があると感じております。

 本年4月には建物状況調査制度が施行後5年のレビューの時期を迎えます。同制度を含めたマンションの共用部分の調査・点検に関する制度を活用してマンションの流通段階における共用部分の見える化を進める等、運用改善に向けた意見具申を行ってまいります。また、マンション管理計画認定制度の活用や管理適正評価制度との連携等も含め、お客様が安心して取引できる環境整備に取り組んでまいります。特に税制については、住宅ローン減税の面積要件の緩和措置を延長し、既存住宅にも適用いただけるよう、新築・既存住宅のイコールフッティングの観点から、エビデンスに基づいた要望を行ってまいりたいと考えております。

 当協会は、本年も、会員相互の結束のもと、内需の牽引役である不動産市場において、既存住宅流通活性化と不動産流通業界のさらなる発展に向けて邁進してまいる所存です。

■(一社)全国住宅産業協会会長 馬場研治氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の流行は、4年目を迎えることとなり、国内での累計感染者数は2,900万人を超えましたが、海外からの入国制限の緩和や感染者・濃厚接触者の隔離・待機期間の短縮、全国旅行支援の実施などにより経済活動の活性化が図られております。また、治療薬の開発や感染症法に基づく分類について「2類」からインフルエンザと同じ「5類」への緩和も検討されるなど、今後は更に、感染拡大防止と社会経済活動を両立させる取組が展開されるものと思います。
 経済状況を見ますと、ロシアのウクライナ侵攻に端を発したエネルギー、食料、原材料の高騰により世界的にインフレ傾向にあり、各国で金融引き締めが強化され景気の回復ペースが鈍化しています。又、国内においても円安の進行による物価上昇や所得の伸び悩みにより、先行き不透明な状況が続いております。
 住宅・不動産市場については、新設住宅着工戸数はコロナ禍前の水準には戻っておりませんが、回復傾向にあります。一方で建築コストの高止まりや事業用地の取得難などの要因から都市部を中心に今後も住宅価格の低下は期待できないのが実情です。こうした状況の中で一次取得者の住宅需要が停滞することが危惧されております。
 昨年12月に発表された令和5年度税制改正大綱では、新たに長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する固定資産税の特例措置が創設されました。現在、約686万戸のマンションストックがありますが、居住者の高齢化と同時に住宅の老朽化も進行しております。こうしたマンションを良好に維持するためには大規模修繕工事を定期的に行う必要がありますが、修繕積立金が不足し必要な工事が適切に行われない事例が見受けられます。背景には、居住者の修繕計画に対する認識の低さや年々上昇している修繕費用負担などの要因が考えられます。この度の制度創設が良好なストックを次世代に引き継ぐための有効な第一歩となることを期待しております。
 また、買取再販で扱われる住宅の取得に係る不動産取得税の特例措置の延長、空き家の発生を抑制するための譲渡所得課税特例措置の拡充・延長、低未利用地の適切な利用・管理を促進するための長期譲渡所得100万円特別控除制度の拡充・延長、土地の所有権移転登記等に係る登録免許税の軽減措置の延長など当協会が要望した多くの項目が実現しました。これらの措置は、低迷する住宅投資に対し効果的な需要喚起につながるなど経済の回復に寄与するものと思われます
 今年、日本の総世帯数は約5,420万世帯とピークを迎え、一方住宅総数は約6,540万戸に増加すると予測されています。表面的な数字だけを見れば、住宅総数が世帯数に対し、1,000万戸以上も余る時代が到来することになります。しかしながら質の面では次世代に引き継ぐ良質な住宅が確保されているとは言えません。空き家の有効な利活用やある程度の住宅性能を有する住宅をリフォームによって再生することはもとより、利用されることのない空き家を含め、耐震性が不足している住宅などの除却・建て替えを推進することも重要です。
 2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス2013年度比46%削減の実現に向け、建築物省エネ法が改正され、2025年度までに全ての新築住宅・非住宅の省エネ基準適合義務化など地球温暖化対策が強化されています。一方、昨年10月に住宅金融支援機構のグリーンリフォームローンが創設され、本年3月からは新たに創設された「こどもエコすまい支援事業」の申請受付開始が予定されるなど、具体的な支援策も打ち出されています。当協会としても実現に向けて、会員一同努力してまいりますが、急激な規制強化は、住宅の供給そのものに支障をきたすだけでなく、購入者へも過大な負担を課することになります。目標達成のためには、購入者に省エネの必要性、そのための費用や将来的に還元されるメリットを理解してもらうことが肝心です。税制・金融・支援措置の拡充・創設、制度・手法の合理化・簡素化など種々の環境整備を講じる必要があると思います。
 その他、現状の住宅・不動産業界を見れば、所有者不明土地や増え続ける空き家の解消、地震や台風・集中豪雨など自然災害対策、世帯構成の変化や多様化するライフスタイルへの対応、二拠点居住の推進、既存住宅の流通促進、老朽マンションの建替え問題、不動産DXの普及促進など多くの課題に直面しています。全住協は、会員の特徴である全国区の機動力と柔軟性を生かし、国民の豊かな住生活を実現するために、こうした課題に全力で取り組んで参る所存です。全国1,700社を超える会員の英知と熱意を結集し、住宅・不動産業を核とする日本経済の発展に寄与すべく、協会活動に邁進して参ります。会員並びに関係の皆様方の倍旧のご支援とご協力をお願い申し上げます。
 最後になりましたが、皆様方のますますのご発展とご健勝を祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

■(独)都市再生機構理事長 中島正弘氏

 令和年の新春を迎え、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。

 本年は令和元年から5年までの第4期中期計画の最終年度に入ります。本中期期間においては、都市再生、賃貸住宅、震災復興支援等いずれの業務も、中期計画の目標の達成に向け概ね順調に推移しております。特に平成16年の機構発足時に16兆円以上あった有利子負債は、財務上の課題としてその削減に長年取り組んでおり、昨年ようやく10兆円を切るまでになりました。
 本年も引き続き、ポストコロナ、物価や市場金利の上昇など社会経済の動向を注視しながら、業務、財務とも目標の着実な達成に努めるとともに、次期中期計画に向けては、脱炭素やDXの進展などの未来も見据えた検討を進めていくことが重要だと考えています。
 昨年、我が国の都市の成り立ちやライフスタイルを学ぶ企業ミュージアムの名称を『URまちとくらしのミュージアム』と決定いたしました。開館は本年の9月を予定しており、都市再生、賃貸住宅、災害復興等、まちづくりに係るURの企業活動全般を紹介するほか、集合住宅歴史館(八王子市)から、同潤会代官山アパート他の「再現住戸」を移築するなど、都市と集合住宅の暮らしの歴史や変遷等も展示する予定です。
 また、本ミュージアムの開館に先立ち、敷地内の保存住棟の一部では、東洋大学情報連携学部(INIAD)との共同研究による、未来を志向するIoTやAI等を活用した生活可能な「Open Smart UR」モデル住戸が昨年10月に完成しています。今年から実際に生活体験を行い、データ取得・分析(生活モニタリング)による実証実験を実施し、未来の住まいのあり方についての検討を進めてまいります。
 今後ともまちづくりや住まいづくりを通じて社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現に向けて役割を果たしてまいります。
 都市再生事業につきましては、大都市圏での大型プロジェクトだけでなく、地域経済の活性化や安全・安心まちづくりなど、地域の社会課題を解決する都市再生を推進してまいりました。
 昨年9月には、国際都市東京駅の玄関口にふさわしい交通結節機能の強化を図る、バスターミナル東京八重洲の第1期エリアが開業いたしました。令和7年度には第2期エリア、令和10年度には第3期エリアの開業を予定しており、全体が完成すると20バースを備えた、国内最大級の高速バスターミナルとなる予定です。
 機構が面的かつ継続的にまちづくりを支援してきた新潟県長岡市においては、本年5月以降に、機構が施行する大手通坂之上町地区市街地再開発事業によって整備される「米百俵プレイス」にて、各施設が順次開業いたします。
 本年も民間事業者や地方公共団体、地域の人々と連携し、引き続き都市再生を推進してまいります。
 賃貸住宅事業につきましては、人々の交流を育む環境づくりを通じた豊かなコミュニティのある地域(ミクストコミュニティ)の実現を目指しております。その一環として、団地を含めた地域の医療・福祉施設等を充実させる地域医療福祉拠点化につきましては、昨年度、第四期中期計画の計画値である120団地の拠点化形成を2年前倒しで達成し(大都市圏のおおむね1,000戸以上の団地が対象)、住生活基本計画で定められた「令和12年度までに250団地形成」(団地規模を限定しない)に向けて更なる推進を図っています。
 主に管理開始から40年を超える団地については、地域及び団地の特性に応じた再生を進め、地域の魅力や価値を高め、持続可能で活力あるまちづくりを推進してまいります。
 コロナ禍では、「住まい」というライフラインを守る役割をしっかり果たすとともに、テレワークの普及に対応したリノベーション住宅の供給やUR賃貸住宅の強みである屋外空間を活用した産直野菜の移動販売会の実施、親子で楽しめるあそび場の提供等、新しい生活様式に適した住まい方を提案することにも力を入れております。
 引き続き民間事業者・地方公共団体等の方々との関係構築を図りながら、お住まいの方の満足度向上と社会課題の解決に努めて参ります。
 震災復興支援事業につきましては、東日本大震災の発災から 11年の歳月が経過し、津波被災地域において、当機構が地方公共団体から受託した復興市街地整備事業は完了しました。一方で、福島県の原子力災害被災地域では、昨秋、全町民が避難していた双葉町において避難指示が解除され、公営住宅への入居が可能となり、住民の帰還が始まりました。
 引き続き、大熊町、双葉町、浪江町から受託している復興拠点整備事業とともに、関係人口拡大や地域の賑わいを取り戻すための地域再生支援を両輪で進め、当機構の最優先業務の一つとして推進してまいります。
 災害対応支援業務につきましては、令和4年8月3日からの大雨の際に、内閣府との連携協定に基づく支援を行いました。また、11月にはURが主催する初の防災セミナーを大阪で開催し、公共団体の方を中心に多くの方に参加いただき、URや専門家から大規模災害に備え「平時より取り組むべき事項」を伝えました。
 事前防災への取り組みとしては、URが所有し三菱地所・サイモン(株)が賃借している酒々井プレミアムアウトレット駐車場の一部を、発災時に千葉県が災害応急活動の拠点として活用できる仕組みについて3者で協定を締結しました。UR所有地において官民が連携した仕組みをあらかじめ取り決めておく初の事例で、今後大規模災害が発生した場合の活用が期待されます。
 海外展開支援業務では、豪州で昨年11月に西シドニー新空港周辺の最初の開発地区を対象とした日本企業20社、50名ほどが参加した現地セミナーを開催しました。豪州政府側からの事業説明と現地視察に加え、現地企業とのネットワーキングも行いました。相手国関係機関との連携を強化し、日本企業参入支援を推進します。
 技術連携につきましては、横浜市の金沢シーサイドタウン並木一丁目第二団地で、昨年7月から12月まで、NTTドコモとの共同研究の一環で、団地内に設置したセンサーで測定したデータを使い、LINEアプリで、熱中症アラートなど生活に役立つ情報や、行動経済学の「ナッジ」を活用したメッセージを配信し、お住まいの方がより快適で健康な生活が送れるように促す取組みを行っています。これら共同研究をふまえ、団地における豊かな生活の実現に向け、UR賃貸住宅におけるスマート技術の活用方法を検討していきます。 
 また、環境配慮方針の下、環境負荷低減や居心地の良い空間形成を図るため、団地の豊かな緑環境を活用し、周辺とのつながりも意識した広域的な視点で、グリーンインフラを活用した計画・設計を進めています。昨年の第2回グリーンインフラ大賞では、コンフォール松原が国土交通大臣賞を頂くなど、外部からも評価されています。今後も、多様なステークホルダーの皆さまと連携、協働しつつ、様々な事業を通じてグリーンインフラを活用したまち・住まいづくりを推進していきます。

 最後に当機構の業務につきまして、日頃から格別のご理解・ご協力を賜っております関係各位に深く感謝を申し上げるとともに、本年の皆様方の益々のご発展とご健勝を祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

■(独)住宅金融支援機構 毛利信二氏

【住まいのしあわせを、ともにつくる。】

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 平素より、住宅事業者、金融機関、地方公共団体等の関係者の皆さまには当機構業務にご理解、ご支援いただき厚く御礼申し上げます。
 機構は、国の定める「住生活基本計画」等に沿い、住宅金融市場における安定的な資金供給の支援を通じて住まいを取り巻く諸課題に取り組んでまいりました。
 おかげさまで【フラット35】はご利用累計134万戸を超えました。世界的な物価上昇など景気の先行きへの不透明感が増す中、今後も住宅を取得される方に「全期間固定金利の安心」という選択肢をご用意するとともに、空き家対策、防災対策等の地域課題の解決や中古住宅、リフォームも含めた住宅市場の活性化と質の高い住宅の普及を支えてまいります。
 また、住宅の脱炭素化も引き続き重要な課題です。昨年、機構は省エネ設備の設置や断熱改修といった“人にも地球にも家計にもやさしい”リフォームに対し融資を行う【グリーンリフォームローン】を創設したほか、ZEHの普及促進を支援するため【フラット35】S(ZEH)を導入しました。更に今年は、2025年の新築住宅における省エネ基準適合義務化に2年先駆け、この4月から【フラット35】における新築住宅全体の省エネ基準適合を要件化し、住宅における脱炭素化を力強く支援してまいります。
 高齢社会における住まいづくりの支援も引き続き重要です。民間金融機関と連携して提供する、高齢者が安心して利用いただける住宅ローン【リ・バース60】を通じてこの課題解決に取り組んでまいります。
 高経年マンション問題に対しては、マンションすまい・る債、マンション共用部分リフォーム融資、大規模修繕費の算定ツールの提供等を通じてストックの適正な維持管理を引き続き支援してまいります。
 頻発する大規模な自然災害により被害を受けた方への災害復興住宅融資の提供や、依然として脅威である新型コロナウイルスによりお困りのお客さまに返済条件変更等のきめ細やかなサポートを行うことも我々の重要な責務と受け止めています。
 世界が変化の大きなうねりの中にあっても、住まいが幸せの原点であることは変わりません。我々は「住まいのしあわせを、ともにつくる。」存在であり続けるため、今年もまた一歩あゆみを進めてまいります。本年も変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げるとともに、瑞祥新春、皆さまにとって実り多き一年となるよう心より祈念致します。 

■(公財)日本賃貸住宅管理協会会長 塩見紀昭氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 令和4年度、当協会は「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律に基づく登録制度において、会員支援を実施しました。義務化された管理戸数200戸以上の正会員については、1,488社全数の登録が完了しました。加えて、会員拡大の推進により、372社が新たに入会しました。会員数は2,000社を達成し、賃貸住宅管理業登録制度事業者団体としての体制構築を進めました。

 令和5年度は、新資格「賃貸住宅メンテナンス主任者認定制度」を創設します。賃貸住宅管理業者の日常業務は、入居者管理等のソフト面と設備管理等のハード面の両輪で成り立っています。設備管理等においては、専門部署の設置や、一部委託している企業もあり、管理担当者が十分な知識を有しているとは言い難いのが現状です。こうした中、法律で「建物の維持・保全」が管理業務として定義されたことにより、当該知識を有する人材の育成が不可欠な状況となりました。本制度では、建物管理に関わる全ての従事者が、「建物の維持・保全」に関する問合せに対応ができ、建物の維持保全に関する提案力がある人材の育成により、業界の更なる資質向上を目指します。

■(一社)全国賃貸不動産管理業協会会長 佐々木 正勝氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 令和3年6月に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が完全施行され、「賃貸住宅管理業登録制度」がスタートして1年半が経ちました。本会では引き続き会員に向けて、同制度の情報提供や、登録業者に必要となる契約書式、業者票及び従業者証明書テンプレートの提供等を行うと共に、登録業者の過半数が本会会員となるよう、登録業者に向けた入会促進も行ってまいります。
 本会の賃貸不動産管理業の適正化に向けた取り組みとして、本会主催の「登録業者向けオンラインセミナー」において、国土交通省不動産・建設経済局の峰村浩司参事官に「管理業法の現状」についてご講演いただきました。また、国土交通省「民間賃貸住宅の管理業務に関するアンケート調査」では、会員の皆様から多くのご回答をいただきましたので、国・業界にとって大変貴重なデータとなるはずです。

 11月には本会の累計入会会員数が1万社を超えました。これもひとえに、創立以来、黎明期を支えていただいた先輩諸氏のたゆまぬ努力と熱意の賜物であり、私たちのスローガン『「住まう」に、寄りそう。』を皆様とともに実践してきた成果と言えます。
 そのような中、昨年は長野県・岐阜県・島根県・愛媛県に支部設置の承認がなされ、来年度からは全国32支部体制となります。今後も強靭な組織の確立に向けた事業展開を図るとともに、更なる賃貸不動産管理業の適正化に向け、国土交通省等関係機関とも協議を重ねてまいります。
 最後に、皆様方の益々のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げて、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(一社)賃貸不動産経営管理士協議会会長 塩見紀昭氏

【賃貸不動産経営管理士の地位向上を目指して】

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年は、国家資格となり2回目の試験が11月20日(日)に実施され、3万1,687名が受験し、12月26日(月)の合格発表をもって、賃貸住宅管理業法に定められた業務管理者の要件を備える合格者を多数輩出することができました。
 本年、協議会は賃貸不動産経営管理士の更なる地位向上を目指し、本資格だけでなく賃貸住宅管理業界全体の社会的認知の向上にも力を入れていきます。
 また、昨年に引き続き厳正かつ公正な試験・講習の実施と共に、国土交通大臣登録機関として、一層の体制強化を図り、業界の適正化に努めてまいります。
 最後に、賃貸住宅管理業のますますのご発展とご健勝を祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(一社)住宅生産団体連合会会長 芳井敬一氏

 令和5年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年は長引くコロナ禍にあって、ようやく様々な社会経済活動の回復の動きが実感できるようになる一方で、国際的なエネルギー価格・原材料価格の上昇、欧米の急速なインフレとその影響による円安など、内外の経済環境が激動する1年となりました。本年は本格的に社会経済活動が回復・再生し持続的な成長に繋がっていく年となることを期待しております。

 住宅市場においても建築資材の高止まりやエネルギー価格・諸物価の高騰などの影響で大変厳しい状況が続いておりますが、令和4年度第2次補正予算において「こどもエコすまい支援事業」が創設され、高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得等に対する支援が継続するとともに、開口部の断熱改修、高効率給湯器の導入への新たな支援など幅広く充実した措置が盛り込まれました。また、令和5年度税制改正大綱においては、空き家税制の拡充や買取再販、サービス付き高齢者向け住宅に関する税制の延長、またマンションの大規模修繕を支援する税制の新設など当連合会として要望した内容がすべて盛り込まれました。これらの施策を積極的に活用し、ZEHの普及拡大と省エネ等の性能向上リフォームの推進により、良質な住宅ストックの形成に引き続き積極的に努めてまいります。

 法制度の面では、改正建築物省エネ法が昨年6月の通常国会で成立し、2025年度にはすべての新築住宅・建築物で省エネ基準への適合が義務付けされることとなり、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた動きは、一段と明確になりました。また、長期優良住宅制度の改正についても、昨年10月から賃貸共同住宅の基準の合理化等が全面的に施行となり、低層賃貸住宅への長期優良住宅の普及等をさらに進め、住宅ストック全体の質の底上げに繋げて行く必要があります。
 さらに今年は関東大震災から100年、人命に直結する住宅を供給する事業者として、安心・安全な住宅の供給と街づくり、安全な立地条件の確保、災害に備えたレジリエンス性の向上等により、防災・減災、国土強靭化に貢献していかねばなりません。併せて、進展する少子高齢社会への対応、住宅団地の再生、二拠点居住、空き家対策、大工技能者など担い手の不足等、住宅を取り巻く諸課題にも継続的に取り組んでまいります。
 本年の皆さまのご健勝ご多幸をお祈り申し上げます。

■(一社)プレハブ建築協会会長 堀内容介氏

 令和5年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 プレハブ建築協会は、大量の住宅供給が求められていた高度成長期の昭和38年に設立され、本年1月31日をもって満60年を迎えることとなりました。設立以来、住宅不足の解消だけでなく、高品質な住宅供給を通じた安全・安心な暮らしの提供を目指し、工場生産によるプレハブ住宅の普及・発展に向け、官民一体、そして会員企業が一丸となって活動を推進して参りました。60年にわたり活動を継続できたことは、ひとえに国土交通省及び経済産業省、環境省をはじめ、住宅産業に携わる多くの皆様のお力添えによるものであり、心より御礼申し上げます。
 さて、未だ終息を見通せないコロナ禍は4年目に入りました。また、ウクライナ侵攻に伴うエネルギー市場の混乱による食料品をはじめとする様々な製品の価格上昇は、日本経済にとっての大きなリスク要因となっており、現下の住宅市場も、木材・鋼材等資材の高騰により、引き続き厳しい状況にあります。
 一方、内需の柱として広域な関連産業を擁する住宅市場の活性化は、経済の好循環のために重要な役割を果たしており、国民の多様なニーズに対し柔軟に選択できる住宅の提供が必要であると考えております。
 こうした中、昨年閣議決定された総合経済対策に基づき、とりわけエネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯への住宅取得を支援する「こどもエコすまい支援事業」が令和4年度の補正予算で措置されました。更に、省エネリフォームについては、国土交通省・経済産業省・環境省の3省の連携により、断熱性の向上や高効率給湯器の導入などの補助制度が創設されました。
 これらの支援策は、ZEH等環境性能の高い住宅に対するインセンティブを切れ間なく、かつ強化するものであり、当協会としても、これらの効果を十分に生かして、住宅市場の活性化に努めて参りたいと考えております。
 現行の省エネ基準に適合している住宅は、空き家を除いた住宅ストック約5,000万戸の内、697万戸(約13%)にすぎず、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、住宅の省エネ化は官民を挙げて取り組むべき喫緊の課題です。業界として早期成立を要望していた改正建築物省エネ法が昨年成立し、省エネ基準の2025年義務化が決定しましたが、当協会は先導的な推進役として、戸建のみならず低層賃貸住宅の長期優良住宅化やZEHの普及促進を行う他、時代の要請に応え得る人材の育成等、住宅ストックの維持改善に係る取り組みを積極的に行って参ります。
 また、コロナ禍を背景に大きく変化した「新たな日常」にあっては、労働環境の向上や住宅供給の様々なプロセスで、DXの推進による生産性の向上が求められおり、工期の短縮化に対応できるPC建築の普及拡大が必要であると考えております。
 更に、近年、頻度を増して激甚化する豪雨や台風、大規模地震への備えとして、すべての都道府県と災害協定を締結し、当協会の大きな使命の一つである応急仮設住宅の供給要請に即応できるようレジリエンス機能の向上に努めてまいります。
 今後も国民生活の安全と健康の起点である住宅と住環境の進展を通じて、多世代にわたって引き継がれる良質な社会ストックの形成に寄与し、豊かな社会の実現を目指して参ります。

■(一社)日本ツーバイフォー建築協会会長 池田 明氏

 令和五年の年頭にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。

 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、ロシアのウクライナ侵攻や急激な円安などが起こりました。その影響を受け住宅市場では、建築部資材の価格が高騰し住宅販売価格が上昇したことなどにより、住宅投資マインドが低下し、持家を中心とした住宅着工の減少につながりました。

 こうした状況の中で、「こどもエコすまい支援事業」の創設などが令和4年度第2次補正予算に盛り込まれ、物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯における高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修などへの支援が図られました。このような政策が住宅投資の喚起につながり、良質な住宅ストックの形成に寄与することと期待いたします。

 また、昨年6月には、当協会をはじめ住宅業界が早期成立を強く要請していた「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」が成立・公布されました。我が国が目指す「2050年カーボンニュートラルの実現」のためには、住宅・建築物分野において「省エネ化の推進」を図るとともに、温室効果ガスの吸収源対策として「木材利用の促進」が求められていることから、この法律では、防火、構造に関する規制の合理化等を行うことで「建築物の木造化」をさらに推進することとされております。ツーバイフォー建築は性能面の高さなどに加え環境にやさしい「木の建築」として評価を得てきておりますので、今回の法改正に的確に対応し、ツーバイフォー建築のさらなる供給促進を図ることで良質な住宅ストックの拡大、カーボンニュートラルの実現に貢献してまいりたいと存じます。

 本年も皆様の変わらぬご支援、ご指導をお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝とご発展を心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(一社)日本木造住宅産業協会会長 市川 晃氏

 新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

 コロナ禍やロシアによるウクライナへの侵攻が未だ続く不安定な状況下、世界経済はエネルギー危機の深刻化やインフレ対策による政策金利引上げ等により、景気の後退が懸念されています。国内住宅市場においても、資材高による住宅価格の上昇や住宅ローン金利の先高観が需要の下押し要因となっており、住宅業界を取り巻く環境も日々変化しています。

 昨年政府は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、建築物省エネ法等の改正を行い、省エネ対策の加速や木材利用の促進などの方向性が改めて示されました。建築物分野は、国内のエネルギー消費量の約3割、木材需要の約4割を占めるため、温室効果ガスの吸収源対策として木材利用の促進が求められており、木造住宅への期待は益々高まっています。

 また、子育て・若者夫婦世帯に対する高い省エネ性能を有した住宅の取得支援策として「こどもエコすまい支援事業」が創設されました。高断熱窓への改修や高効率給湯器の設置支援等の事業と連携しワンストップ化を目指すもので、新築に加え、リフォームにおいても利用しやすい制度です。引き続き、省エネ性能の一層の向上を図る施策の充実や、木材利用の更なる促進に資する規制の合理化なども要望して参ります。

 良質な住宅ストックの形成をより実効性のあるものにするためには、地域に根付いた中小工務店の果たす役割も大きく、当協会としても会員企業や各支部等と連携し、森林の保全や地域への貢献を目指して参ります。

 本年も何卒宜しくお願い致します。

■(一社)日本ビルヂング協会連合会会長 木村惠司氏

 新年あけましておめでとうございます。

 今年は新型コロナウイルス感染症の発生から4年目を迎えます。昨年末から感染者が増加していることは気掛かりですが、日本ではワクチン接種が進み、経口薬も承認されました。この経口薬が世の中に行きわたり、容易に手に入るようになれば医療現場を含めた社会の混乱は落ち着いてくると思われます。
 懸念されるのは、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化と、それに伴う原油高、原材料高の影響です。日本では、それに円安の問題も重なり、インフレ懸念が高まっています。円安の一因であった日米の金利格差ですが、昨年末に日銀もやっと重い腰を上げ、実質利上げに踏み切りました。今後も物価上昇の懸念があれば、金利を上げる政策へ切り替えていく必要があると感じています。
 ビル業界を振り返ると、働き方改革と新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークが浸透し、一時期「オフィス不要論」という報道が紙面をにぎわせましたが、ここにきてオフィスへの出社に戻す企業の動きなどが出てきています。また、グーグルやアマゾンなど海外のIT企業は原則出社に切り替えています。
 常々言っていることですが、クリエイティブな仕事をするのはオフィスが適しています。オフィスの中でチームやグループでディスカッションすることによって、新たな発見やより良い企画が生まれ、その成果物はさらにブラッシュアップされていくからです。
 今後、ビル業界にはオフィスでしかできない空間の提案が求められます。ただ、それが押しつけのようにならないよう、テナントとコミュニケーションを図りながら、テナントニーズに合ったオフィスづくりを進めていく姿勢が求められてきます。
 また、これからの方向性として、産業界全体でカーボンニュートラルの実現に向けた取組みを強化・充実させていく必要があります。その一環として、連合会では『オフィス分野におけるカーボンニュートラル行動計画』を今年3月末メドに策定する予定です。
 また、今年4月には連合会の中に日本ビルヂング経営センターを組織統合します。統合後のビル経営センターには従来までのビル経営管理士制度の運営・試験の実施等のほか、連合会の“教育部門”として連合会会員の人材育成や知識習得を図る教育研修事業を担ってもらいます。
 今年も社会経済や国際情勢について先行き不透明な状況が続きます。連合会に加盟する全国19協会と連携し、ビル業界を取り巻く課題に対応しながら、協会活動を展開していきたいと考えています。

■(一社)不動産証券化協会会長 杉山博孝氏

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症は、最初の感染拡大から3年近く経過した現在においても、未だ終息の見通しがつきませんが、様々な行動制限や水際措置の緩和・撤廃が進んだことにより、その影響は徐々に限定的になりつつあります。
 しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻や世界的な物価高騰とそれに伴う金融引締め政策などにより、海外の景気が影響を受けることが懸念されており、我が国経済の先行きについても、こうした外部環境の悪化によって不透明感が高まっております。

 このような経済環境を背景に、昨年の東証REIT指数は、米国の政策金利引き上げや日銀による緩和政策修正の動き等を受けて大きく調整するなど、幅広いレンジで推移しました。セクター別で見ると、物流は一昨年の好調の反動もあって弱含みとなり、オフィスもやや軟調であった反面、住宅と商業は底堅く推移しました。また、コロナ禍の影響を大きく受けたホテルは、行動制限の緩和による旅行需要の回復と入国制限の大幅な緩和に伴うインバウンドの戻り期待から、投資口価格も昨秋以降回復傾向が顕著に見られました。

 こうした中、令和5年度税制改正大綱においては、当協会が要望した「投資法人、特定目的会社及び特例事業者等が不動産を取得等する場合における登録免許税・不動産取得税の軽減措置の延長及び拡充等」や「特定の事業用資産に係る買換え特例措置の延長」等が認められました。これらの措置は、不動産投資市場を活性化し、今後の日本経済の成長に寄与するものです。
 また「NISAの抜本的拡充・恒久化」も実現することになりました。Jリートは安定的な分配金等により国民の資産形成・資産所得拡大に寄与しているところ、本措置により個人金融資産の貯蓄から投資への流れが加速され、投資家層の更なる拡大にもつながるものと期待しており、これらの要望実現に向けてご尽力いただいた関係者の方々に深く感謝を申し上げます。

 昨年12月に当協会は設立20周年を迎え、これを機に、「MISSION・VISION・VALUES」からなる理念体系を新たに策定いたしました。理念体系の頂点にある「MISSION」では「不動産投資を人と社会の未来のために」をスローガンに掲げ、不動産投資・証券化市場の健全な発展を通じて、国民の資産形成と暮らしや経済を支える多様で良質な不動産ストックの形成拡大・維持更新に貢献することを謳っています。

 この新たな理念体系のもと、2024年からスタートする新たなNISA制度も活用しながら、Jリートのさらなる浸透を図り、国民の資産形成を力強く後押しするとともに、サステナブルな社会の実現に向けて尽力してまいります。

 最後に、皆様の一層のご活躍とご健勝をお祈りするとともに、コロナの影響を早期に脱し、我が国経済が力強く成長する年になることを願って、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(公社)日本不動産鑑定士協会連合会会長 吉村真行氏

 明けましておめでとうございます。
 新年のスタートにあたり、国民の皆様、会員の皆様、並びに本会の活動にご理解・ご支援をいただいております各分野の皆様へ、新年のご挨拶を申し上げます。
 3年もの長きに亘りコロナ禍が続いておりますが、ウィズコロナの時代に向けて漸く出口が見え始めていると思います。
 しかしながら、人口減少・超少子高齢化、物価上昇、円高、大災害、国際情勢不安等といった様々な課題が山積しており、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)が革新的に進展するなかで、国民の負託に応えることができる専門家・実務家が、これまで以上に必要とされる新時代が到来しております。
 我々不動産鑑定士は、日本の社会経済発展とともに、専門家としてこれまでも一定の役割を果たしてまいりましたが、不動産鑑定業界を取り巻く環境が、社会経済環境の激変とともに大きく変わった今こそ、専門家として求められる役割・使命をこれまで以上にしっかりと果たしていかなければなりません。
 大災害の現場においても、平成28年熊本地震における南阿蘇村での貴重な支援活動の経験を活かして、平成30年大阪北部地震、平成30年7月豪雨、平成30年北海道胆振東部地震、令和元年8月九州北部豪雨、令和元年台風15号・19号、令和2年7月豪雨、令和3年及び令和3年4福島県沖地震、令和4年8月豪雨と毎年のように頻発する全国各地の自然災害に対して、住家被害認定調査を始めとして罹災証明書発行のための被災地・被災者支援活動を全国の不動産鑑定士が力を合わせてオールジャパンで展開しております。
 一昨年から、コロナ禍のため、全国各地をWebにより繋いで、多くの不動産鑑定士、自治体職員の皆様に参加いただき、本会オリジナル教材を用いて、大災害に備えた実施体制編・地震編・水害編の研修も開催しております。
 また、令和2年3月、30年ぶりに土地基本法が改正され、5月に閣議決定された土地基本方針には「不動産鑑定評価の専門家の存在自体が不動産市場を支えるインフラである」と位置づけていただきました。
 私達は不動産鑑定士の役割、使命をしっかりと考え、「不動産の価値判断ができる専門家・実務家」として、そして、「有事の時こそ役に立つ専門家」として、国民目線を持って全力で取り組まなければならないと考えております。
 これまで以上に社会的使命を果たせるよう会務に尽力して参る所存ですので、今年も引き続き皆様のご理解・ご支援をお願い申し上げます。
 最後になりますが、皆様の今年一年のご健勝とご活躍を祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

■(一社)日本ショッピングセンター協会会長 清野 智氏

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 2022年は、新型コロナウイルスの感染防止対策への知見が深まる一方、経済活動との両立を目指す政府方針が示されたこともあり、外出先で久しぶりに友人たちと出会い、楽しい時間を過ごす人々の姿を見る機会が増え、改めてリアルの価値とリアルな場を持つSCの強みを感じた1年でした。
 コロナ禍においては、巣ごもり消費や在宅勤務などに代表される消費行動や生活様式などにより人々の価値観に大きな変容がもたらされました。このような中で、2023年のSCは、リアルの場、様々な出会いの場という強みを生かして、お客様の生活をより豊かにする存在に進化していく必要があります。
 これらを踏まえたうえで、SCが2023年に取り組むべき課題は以下の3点だと私は考えています。

 1つ目は、「リアルな場を持つ強みを生かし、お客様の生活の質を高める存在へと進化すること」です。
 コロナ禍では、生活必需品に対するニーズが高まり、その利便性も相まってECの売上げが伸長しました。SCにおいても「今すぐ必要なもの」のみを購入し、短時間で帰宅するお客様が多く見られました。長らくコロナ禍での生活を経験したお客様は「新たな出会い」や「思いがけない体験」といった、単なる購買行動に留まらない経験を求める気持ちを強めていると感じます。
 SCは、リアルな場を持つ強みを生かし、「日々の生活に彩りと潤いを与え、その質の向上に貢献する」存在へとさらに進化していくことが求められていると考えています。

 2つ目は、SCがお客様の「日々の暮らしを支える、真の社会インフラへ進化すること」です。
 地域の社会インフラとしての使命を持つSCは、長年にわたり防災機能の強化に取り組んできました。加えて、新型コロナウイルスの発生以後は、徹底した感染対策を講じ安全・安心な利用環境を整えるとともに、ワクチン接種会場の提供などにも取り組みました。
 さらに、SCが真の社会インフラへと進化するために、購買目的の有無に関わらずSCで時間を過ごしていただけるような環境や、きっかけづくりが求められているのではないでしょうか。

 3つ目は、「従業員が生き生きと働ける、魅力ある職場へと進化すること」です。
 SCにおいては、コロナ禍で一旦は落ち着きを見せた人手不足の課題が経済活動の再開とともに顕在化してきています。加えて、SCの多機能化や地域との連携強化が進む中で、多様な関係者と協業し新商品や新サービスを創出できる人材の必要性も増してきています。これは喫緊の課題です。
 「SCで働きたい」と感じられる職場へと進化するために、従業員が生き生きと働ける職場づくりが求められています。

 さて、新年恒例の「SCビジネスフェア2023」は、多くの方々の英知の結集により、今後のSCのあり方について有益な示唆が得られる場となることを期待しています。
 当協会は、諸先輩はじめ多くの方々のお支えにより、本年、創立50周年を迎えることができます。そして、次の新たな50年を創造すべく、「人材育成」「情報の収集・発信」「研鑽・交流の促進」を事業の柱に、変化に挑むSC業界を全力で支援して参ります。

 本年も協会活動への格別のご理解、ご協力をお願いいたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。

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お知らせ

2023/1/24

「記者の目」更新いたしました

美味しい“サードプレイス”の提供でまちににぎわいを」を更新しました!
近年、不動産事業者が、地域に人を呼び込み、まちを活性化する動きがみられている。
今回は拓匠開発を取材。本社近くの空き施設を入手してコンバージョンし、飲食店舗をオープンしたという。地域の変化、住民の反応は?