高齢者住宅経営者連絡協議会(高経協)は22日、東京ビッグサイト(東京都江東区)にて「リビング・オブ・ザ・イヤー2023」を開催した。
入居が開始された有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどの高齢者住宅の中から、入居者が安全に尊厳ある暮らしができ、生活空間・各種サービスで最も優れたものを選定。その開発・運営事業者をたたえることで、より一層の品質・安全の向上を促すとともに、高齢者住宅の普及と業界発展に寄与することを目的としたイベント。
今回は、「介護の現場では日々、より良い介護のために業務の改革や改善に取り組まれている。その苦労や成果を分かち合い、広めたい」(同協議会会長:森川悦明氏)との考えから、先進的なDXを取り入れ業務改革に取り組んでいる事例や、“アナログこそ介護の真骨頂”と介護の質を高めている事例を募集。ビデオの映像や写真・パワーポイントのスライドショーを作品に仕立てた6点の応募があり、会場では2つの事例を紹介した。
(株)長谷工シニアウェルデザインは、運営する「ブランシエール日暮里」(東京都荒川区)における「お一人おひとりに寄り添う『顔の見えるケアプラン』」を発表。ケアプランとは、介護サービスをどう利用するか記載した「介護計画書」のことで、「思い出の料理に挑戦」「ウォーキングで四国のお遍路をめぐる」といった事例を紹介した。
(株)アライブメディアケアは、「リブランディングによる、幸福度の向上『人』から始める改革の行方」をテーマに、“人間力”を重視した評価制度を定め、「人の心」から始める生産性革命の成果を披露した。
同イベントの実行委員長を務めた日本の介護(株)代表取締役の昆野 仁氏は、「経営者が腹を括り『うちはこれをやろう!』と方向性をしっかりと定め、諦めずに取り組んでいる施設は、ハードであれソフトであれ皆さんからの共感を得て選ばれる」と挨拶。なお、同イベントは今回をもって終了。同氏は、「今後も介護業界で働く皆さんの役に立てる企画を考えていきたい」と話した。