(一社)プレハブ建築協会は26日、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で「2023年度住宅産業CS大会」を開催した。
同大会は、協会会員各社による情報交流を通じて、業界の品質レベルを高めることを目的に、05年に開始。今年度は、「『CSへの取り組み』~CSを高めるレジリエンスの多様化~」をテーマとし、会員企業2社による事例発表および特別講演を実施。会員会社の経営者や従業員などが参加した。
事例発表では、積水化学工業(株)住宅カンパニー 技術・CS統括部 CS・品質保証部担当課長の藤田義嗣氏らが、ITを生かした災害情報集約の取り組みとして、被災情報の一元管理化や情報集計の迅速化の内容と成果について発表。また、災害時に顧客がレジリエンス設備を使いこなせるよう、アフターサービス担当が実践している説明の仕方について実演を披露した。
トヨタホーム(株)商品開発部 先行開発室 暮らしソリューションGグループ長の村松奈美氏は、V2HシステムとZEHとを組み合わせることで、暮らしだけでなく移動の脱炭素化と経済性を両立する「V2ZEH」について紹介。UA値0.6以下を標準対応とするための省エネ、創エネ技術の開発やこれまでの経緯について説明し、同社では22年にZEH率82%を達成したとした。
また、事例発表の後、(一社)日本クレーム対応協会代表理事の谷 厚志氏が講師となり、「レジリエンス力を高めるコミュニケーション術」と題して特別講演を行なった。
開会に際し挨拶した、同協会専務理事の臼井浩一氏は、「今回のCS大会のテーマであるレジリエンスとは、ビジネスシーンでは精神的回復力、災害対応力といった意味で用いられている。事例発表などで得られた知識を職場に持ち帰り仲間と共有してもらい、新たな取り組みの実践につなげていただきたい」などと述べた。