不動産ニュース / 政策・制度

2023/12/12

移住・二地域居住等促進で中間とりまとめ

 国土交通省は12日、国土審議会推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会(委員長:小田切 徳美・明治大学農学部教授)の3回目の会合を開き、中間とりまとめ(素案)について意見交換を行なった。同委員会の概要は10月20日付のニュースを参照。

 過去2回の議論を踏まえて同素案を策定。移住や二地域居住等の状況について、コロナ禍以降のテレワーク普及・拡大に伴って、東京の企業に勤めたまま地方に移住する「転職なき移住」など、住む場所に縛られない暮らし方・働き方が浸透してきた。東京圏の転入超過数は再び増加傾向に転じたものの、近年は若者世代をはじめとして地方移住のニーズが高まっている。

 その上で、移住・二地域居住の意義について、地方への人の流れや新たなビジネス・雇用づくり、関係人口の創出など、より良い地域づくりを進めるための手段であるという「社会的意義」と、ウェルビーイング向上・新たな暮らし方・働き方・学びの機会創出といった「個人的意義」につながると捉えた。

 現状の課題としては、「住まい」「なりわい(仕事)」「コミュニティ(地域づくりへの参加)」という3つの視点から指摘。「住まい」については(1)ニーズに合った住まいの不足、(2)個人の経済的負担、(3)お試し居住・長期滞在等の促進、(4)子育て等の住生活環境の充実の4点を挙げた。(1)については地方都市が抱える多数の空き家を適切に活用する必要があるとして、活用可能な空き家の掘り起こしやニーズに合わせた再生、仲介する宅建事業者の手間に見合う報酬など、クリアすべき課題を指摘した。
 このほか、住宅取得支援や二地域間移動の交通費、インターネット環境の確保など、二地域居住等に必要なコストに対する公的支援の重要性や、観光やお試し居住といった、移住に至る前段階での支援も促進する必要があるとした。

 「なりわい」については、転職なき移住への対応やニーズに合った仕事の確保、副業など新しい働き方の普及・促進を課題とした。「コミュニティ」については、地域コミュニティの活性化や課題解決が期待される一方で、「よそ者」に対する地域の寛容性の低さや無意識の思い込みなどによるトラブルが懸念されることから、交流拠点の整備や人材育成を提案している。

 このほか、全国の地方公共団体や民間事業者の情報共有の場をつくり、各府省庁の関係事業・施策をパッケージとして共有することも提案。連携が進むことにも期待を示している。

 今回の会合で各委員が出した意見を踏まえた修正を加えた後、正式な中間とりまとめとして公表する予定。

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二地域居住

都会に暮らす人が、週末などを定期的に、あるいは、年間の一定期間(1ヵ月以上とされる)を農山漁村で過ごす生活様式をいう。団塊の世代の退職後の生活スタイルとして提唱されている。

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