森ビル(株)は14日、「2023年 東京23区オフィスニーズに関する調査」結果を発表。東京23区に本社が立地する企業のうち上位約1万社を対象に、今後の新規賃借予定等のオフィス需要についてヒアリングした。調査期間は23年9月19日~10月16日、有効企業回答数は1,843社。
新規賃借予定のある企業の割合は27%と、前回調査から3ポイント増加した。うち面積の「拡大予定」は15%と20年調査から連続して増加、「縮小予定」は7%と前回調査から横ばいが続いた。新規賃借を予定する時期については、「1年以内」が28%、「2年以内」が21%となり、前回調査と同様に2年以内に新規賃借を予定する企業が約半数を占めた。
新規賃借の理由は、トップが「立地の良いビルに移りたい」(33%)で、次いで「設備グレードの高いビルに移りたい」(27%)、「賃料の安いビルに移りたい」(27%)。また、「優秀な人材を確保するため」(22%)、「新部署設置、業容・人員拡大」(21%)等の回答割合も増加傾向にあり、今後の企業成長を見据えて新規賃借を検討する企業が増加していることが分かった。
従業員の出社率については、調査時点の出社率平均は76%、出社率が80%以上と回答した企業の割合は59%と、いずれも前回調査(出社率平均69%、出社率80%以上の回答割合49%)から増加しており、引き続きオフィス回帰が進んだ。
本社オフィスの存在意義や求められる機能・役割を尋ねると、「デスクやOA機器・通信環境等が整った快適な執務環境」(51%)がトップ。「従業員のエンゲージメント向上」(45%)や「部門を越えた偶発的な出会いやコミュニケーション」(40%)も上位に挙がり、オフィスが従業員に与える影響を重視する姿勢が見られた。
一方、オフィス環境作りの課題については、「社内コミュニケーションやコラボレーションの強化」(41%)が最多で、次いで「従業員のエンゲージメント向上」(39%)、「効率的レイアウトによるコストダウン」(39%)が挙がった。
同社営業本部オフィス事業部営業推進部部長の竹田真二氏は「出社率の上昇・オフィス回帰が進み、着実に導入が進んできたフリーアドレスやWeb会議スペース等は、導入割合の伸びが緩やかになってきている。今後のオフィスづくりでは、機能性・利便性に加えて、『出社したくなる』魅力の創出がますます重要になってくるだろう」と総括した。