(株)AQ Groupは23日、さいたま市西区に純木造で建設した新本社ビルの竣工を発表した。
JR他「大宮」駅まで約2kmに立地。敷地面積は約8,944平方メートルで、地上8階建て、高さ30.95mで、延床面積は約6,076平方メートル。
純木造の中規模建築物は、耐震・耐火性能やコスト高、施工体制がネックとなって普及が進んでいなかった。今回、同社では戸建て木造住宅事業で培ってきた調達や施工等のノウハウを結集し、低層住宅のメインプレイヤーである中小ゼネコンや工務店でも建設できる「純木造中規模建築物の普及型プロトタイプ」として新社屋を建設した。
在来木造軸組住宅用のプレカット工場で製材・加工された木材を使用し、建築金物なども普及品を使用して建設した。木組みによる耐力壁は、最大16倍に相当する壁倍率を持ち、耐荷重300キロニュートン。これに加えて、モジュール化やグリッド化によって設計・施工を標準化。木造の職人による施工を可能にした。
炭素貯蔵量は1,444t—CO2で、一般木造住宅95棟分に相当するという。CO2排出削減量は同規模の鉄筋コンクリート造ビルに比べて43%削減する。また、建築費は、1坪当たり145万円と一般的な鉄骨鉄筋コンクリート造の建物よりも大幅に抑えられたという。
同社では今後、普及型の木造技術をさらに磨き、非木造が圧倒的なシェアを占める5階建て以下の建築市場に訴求していく。