ポラスグループは28日、ポラス(株)代表取締役の中内 晃次郎氏らが会見し、2024年3月期決算(連結)を発表した。
当期(23年3月21日~24年3月20日)は、売上高2,835億9,400万円(前期比8.6%減)、営業利益189億2,500万円(同39.6%減)、経常利益195億1,600万円(同39.0%減)、当期純利益48億1,100万円(同42.4%減)の減収減益。
前2期がコロナ禍による住まいへの関心の高まりを背景にした需要増で売上高・利益を伸ばしたが、その流れが一服し、資材高騰や販売期間の長期化などの影響で分譲住宅事業の粗利率が低下。売上高は9期ぶりの前年割れ。減収減益となったのは、リーマンショック後の09年3月期以来15期ぶり。
主力の分譲住宅事業は、戸建住宅の標準仕様をZEH水準とし、契約棟数2,554棟(同5.1%増)、売上棟数は2,752棟(同1.4%増)を確保。マンション分譲事業では、契約戸数428戸(同29.7%増)、売上戸数309戸(同14.6%減)となった。
戸建注文住宅事業は、新たに埼玉県朝霞市で「体感すまいパーク」を開設。5ヵ所の同施設での集客イベントが奏功したほか、土地探しからのワンストップ提案も強化。契約棟数は640棟(同0.8%増)、売上棟数640棟(同6.6%減)となった。
不動産売買仲介事業は、取引平均価格が過去最高を更新。売買仲介手数料が35億9,200万円(同2.1%増)と過去最高に。契約件数は2,686件(同0.1%減)、取扱高は770億9,800円(同3.7%増)。また、中古再生契約棟数も222棟と過去最高を更新した。店舗数は61店舗(同変動なし)。
次期は、売上高3,000億円、経常利益220億円、当期純利益61億円を見込む。分譲事業は暮らしやすさとデザインを追求した「地域のモデルとなる街づくり」を推進。注文住宅は、「体感すまいパーク」を中心としたエリア戦略によりブランド価値と地位シェア拡大を図る。また、売買仲介、リフォーム、賃貸管理などストック分野事業の拡大に注力。既契約者とのリレーションを継続する仕組みとして、契約者専用アプリをリリースする。
会見で挨拶した代表取締役の中内 晃次郎氏は、「今期、ポラスグループは創業55周年を迎える。地域密着農耕型経営を推進し、先行き不透明な経済環境下でもお客さまから選ばれる魅力的なまちづくりを行なっていく」と抱負を述べた。また(株)中央住宅代表取締役社長の品川典久氏は「前年度もグッドデザイン賞を7商品で受賞するなどしたが、このデザイン力や職人のレベルの高さといった商品の良さを、営業社員がお客さまに伝えきれていないことが課題だ。自社の商品をよく理解し、営業社員がお客さまにその良さをしっかりと伝えていくことで、トータルで安いと思っていただけるよう努力していきたい」などと語った。