大東建託(株)は17日、経団連会館(東京都千代田区)にて「エネルギー事業戦略説明会」を開催した。
同社は、SBT、RE100、EP100などの国際的イニシアティブに参加。これらの早期実現に向け、バイオマス発電事業や太陽光発電事業など、グループ全体のエネルギー戦略において長期ロードマップを作成し、体系的な取り組みを推進している。
2021年10月、同社グループ管理の賃貸住宅の屋根に、太陽光パネルを新規に全国で1万棟設置する費用として、グリーンボンド(社債)を発行。23年11月には、全棟への設置を完了した。太陽光発電事業による年間発電量は約414GWhに上り、これは同社グループの年間電力消費量の約4倍、年間約9万9,000世帯の消費量に相当する(4月末時点)。
30年度までに、供給するすべての賃貸住宅を100%ZEH・LCCM賃貸集合住宅とする目標を設定。年間8万戸のZEH賃貸住宅の供給体制を目指す。
再生可能エネルギー利用については、40年までに同社施設からの再エネ発電の事業運営を推進していく。その実現に向け、4月に稼働を開始した兵庫県朝来バイオマス発電所から発電された電力を、西日本の同社グループ主要3社・274事業所に供給している。また、現場仮設電気の再エネ化に向け、ZEH賃貸集合住宅からの再エネJクレジットを利用。発電量のうち30%を自家消費し、残りの70%をクレジット電力に。26年度クレジット発行分で仮設電気分は充足可能と予測している。
賃貸事業におけるエネルギー戦略として、「創エネ」と「省エネ」の両輪で推進。創エネでは、メガソーラー発電事業、バイオマス発電事業、既存賃貸住宅の屋根を利用した太陽光発電事業、太陽光パネルを搭載したZEH賃貸集合住宅(新築)の供給を進めていく。省エネについては、省エネリフォームによる既存賃貸住宅のZEH化、品川本社ビルのZEB化などを推進。30年温室効果ガス55%削減、40年再エネ100%達成、50年温室効果ガスネットゼロを目指し、脱炭素社会の実現に寄与していく。