不動産ニュース / 仲介・管理

2024/7/17

観光GDP伸長へ、観光産業が抱える課題解決を

 森トラスト(株)は17日、訪日外国人の動向に関するメディアミーティングを開催。訪日外国人の動向や観光業界が抱える課題などについて代表取締役の伊達 美和子氏が解説した。

 訪日外国人客数は2019年に約3,188万人だったところ、24年は約3,450万人に達すると推計されている。これは23年比で38%の大幅な伸びだという。また、訪日外国人旅行消費額については、同社の推計によると、29年は4兆8,135億円だったところ、23年には5兆3,065億円と5兆円を突破し過去最高を記録。24年は6兆9,200億円と予測しており、「後半の伸び次第では7兆円も視野に入ってくる」(同氏)と説明した。

 さらに、世界では人口増加が進み、中間所得層が増えていることから、海外旅行者数は今後も増加すると見込まれており、日本政府が「観光立国推進基本計画」に掲げた30年訪日外国人数6,000万人の数字も、「不可能ではない数字」(同氏)との見立てを示した。

 一方、日本の観光産業が抱える課題として、「労働力の確保」「二次交通の確保」「財源確保(オーバーツーリズム対策)」を指摘。これらの解消により観光GDP(国内で生産した観光サービスのうちの付加価値額)を伸ばすことができると語り、そのためには、外国人受け入れ体制の構築、「年収の壁問題を解消して、労働しない人にインセンティブが働く状態から、労働する人にインセンティブが与えられる制度」(同氏)に改めることの必要性について指摘した。さらに宿泊税を全国的に導入し、さらに定率制とすることで、観光税収入を増やし、それを地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりに活用する必要性についても説明した。

 森トラストでは現在32のホテルを運営しており、さらに22のホテルプロジェクトが進行中。リニューアルを進めていた万平ホテル(長野県北佐久郡軽井沢町)も8月16日より一部をソフトオープンするが、予約状況は「大変順調」だという。
 運営ホテルの稼働率は、軒並みコロナ禍前の19年並みに回復しており、リゾートホテルについては19年以上の高稼働となっているという。

 なお同社運営ホテルでは、首都圏では宿泊客の約7割、地方では約2~3割をインバウンドが占めているという。

記事のキーワード 一覧

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。