不動産ニュース / 団体・グループ

2024/7/29

空き家対策、居住支援の取り組みなど強化

「PMとAMとを組み合わせたコンサルティングビジネスは、地域の賃貸管理会社にとって究極のフィービジネスとなりえる」と語る佐々木会長

 全国の宅地建物取引業協会会員で構成する(一社)全国賃貸不動産管理業協会の佐々木 正勝会長と岡田 日出則専務理事が29日、業界紙・誌記者と会見。2024年度の重点施策等について説明した。

 佐々木会長は、会長としてのこれまで8年間の成果について「賃貸管理業のスタンダードモデルをつくることを目的に活動してきた。賃貸管理業の法制化もあり、賃貸管理業の重要性と認知も高まっており、求められる職能も高度化している」とした上で「今後も管理業の守備範囲をさらに拡大していくことで、業務をさらに深掘りし、空き家対策、近隣トラブル対策、防災対策、DX対策、カスハラ対策などに取り組んでいく」と抱負を述べた。

 賃貸住宅管理業法への対応では、現在、9,500社強の賃貸住宅管理業者登録業者のうち、4割弱を宅建協会会員、3割強を全宅管理会員が占めている。しかし、6,800社超の全宅管理会員のうち、未だ4,000社近い会員が登録制度に登録していない状態のため引き続き登録を促していく。同時に「社員数に関係なく業務管理者が1名というのはおかしい。業務管理者が1人では管理業務を適正化できないことは立ち入り検査でも明らか」(佐々木会長)と、登録業者の積極的活用等も含め、国土交通省と同法運用の在り方について協議していく方針。宅建協会の登録業者のうち全宅管理に未加盟の業者約4,000社の入会を促し、目標の1万会員達成を目指す。

 また佐々木会長は、同省が策定した「不動産業による空き家対策推進プログラム」については「空き家管理受託のガイドライン」に基づき空き家等の活用等に係る課題整理、相続に係る相談、空き家等の活用方針の提案・比較といったコンサルティング業務については、媒介報酬とは別に報酬を受けることができることが明確化されたことを評価。「空き家の再生等でリフォームやリノベーションを提案する場合、どうしてもアセットマネジメントの領域に踏み込んでいくことになり、そこでフィーをいただくためのコンサル力が重要になる。PM・AMを組み合わせたコンサルティングが究極のストックビジネスだと感じている。こうしたビジネスのフィーの在り方等の目安を示したい」と抱負を述べた。

 一方、岡田専務は改正セーフティネット法への対応など、居住支援の取り組みについて触れ、「住宅確保要配慮者の入居、見守り、孤独死などが発生した場合の対応と、入口から出口まで対応できるのは我々管理会社。ただ、残置物の処理一つとっても、われわれが直接委任を受けることはできないし、孤独死等の処理もボランティア的に取り組まざるを得ない場面も多く、制度をきちんと運用していくためには、それに応じた対価も必要となる。こうした問題点を現場の声として行政に提案していくことで、差別のない賃貸入居を実現。住宅確保要配慮者を死語にしたい」などと語った。

「住宅セーフティネット制度の適正な運用を目指し現場からの提言を行ない、住宅確保要配慮者を死語にしたい」と語る岡田専務

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