NTTコミュニケーションズ(株)は2日、スマートシティの実現を目指し、「スマートシティ デジタル実装コミュニティ」を立ち上げたと発表した。
同社はこれまで、(1)ビル・街区のデジタルインフラの高度化、(2)サービス拡充と顧客提供価値の高度化を推進し、スマートシティ実現に向けて取り組んできた。(1)では、スマートシティに必要となる「まちにあるデータの収集と利活用」のため、ビル・街区のネットワークとデータプラットフォームの整備を推進。(2)では、デジタルサービスを用いた顧客の快適性や満足度の向上、省人化などを通じたビル・施設運営の高度化を行なってきた。
しかし、スマートシティの実現をめぐっては、「建物ごとに個別最適化されたデジタル実装方式を一から組み立てていること」「設計と施工でプロセスや業界関係者が分断しており、デジタル実装の検討は工程の終盤になっていること」「建物は経年で劣化していくことから、ビジネス構造が竣工までを主体としたものになっていること」が大きな課題となっていた。
そこで、デジタル実装におけるベストな手法の提案、企画・構想から運用までの一気通貫の支援、先端サービスの実装によるライフタイムでの価値提供を目的に、「スマートシティ デジタル実装コミュニティ」を発足した。同コミュニティでは、業界の有識者がSmart City Catalystとして参画。ワークショップや勉強会、実フィールドでの実証・実装、官と学との連携を通じ、スマートビル化の促進を目指す。まずは、「虎ノ門一丁目東地区第一種市街地再開発事業」や、NTTアーバンソリューションズ(株)が進めるまちづくり事業において、同コミュニティが関わっていく。
同日会見した、NTTコミュニケーションズ スマートワールドビジネス部スマートシティ推進室長の塚本広樹氏は、「従来は、建物は竣工してから年数が立つと劣化していき、最後は建て直すというモデルだった。この部分を、建物にデジタルを実装することで、竣工後も建物をカスタマイズ・バージョンアップできるように変えていきたい。その上で、グリーン化の対策等も進め、建物やビル、まち自体の価値を継続的に高めていけるようにできれば」と話した。