不動産ニュース / リフォーム

2024/10/2

130年の歴史を継承。「万平ホテル」がリニューアル

大規模改修・改築工事が完了した「万平ホテル」アルプス館外観
アルプス館客室(クラシックプレミア)。内装や間取りを踏襲し、従来の雰囲気を残している
カフェテラスは屋外のテラス席を拡張。宿泊客以外も利用できるほか、愛犬も同伴可能

 森トラスト(株)と(株)万平ホテルは2日、大規模改修・改築工事を経て、ホテル「万平ホテル」(長野県北佐久郡、総客室数86室)をグランドオープンした。

 同ホテルは1894年創業。「軽井沢」駅から約2km、上信越自動車道「碓氷・軽井沢」ICから車で約20分に立地。敷地面積10万3,676平方メートル。1936年に建てられ、2018年に国の登録有形文化財に登録されたアルプス館は、ハーフ・ティンバー風の外観意匠や和洋折衷の室内意匠などから、一般の宿泊客のみならず多くの著名人や政界人に愛されてきた。

 24年に創業130年を迎えることを記念し、23年1月から、「130年の時をつなぐ万平ホスピタリティ~文化・歴史・自然を紡ぐ~」をコンセプトとした大規模改修および改築工事を実施。建物全体の経年劣化部分の補強や耐震性・断熱性の向上、客室の機能強化、改築、バリアフリー化を進めてきた。24年8月16日にはアルプス館のメインダイニングルーム、カフェテラス、ショップ、リニューアルに伴い建て替えた愛宕館の客室をソフトオープンしていた。

 客室は、アルプス館が36~57平方メートルの全3タイプ(計12室)。間取りや内装は変えず、古くから使用しているガラス障子や家具などもデザインを継承したり修繕して利用したりすることで、従来の同ホテルの雰囲気を残している。愛宕館は、45~91平方メートルの全5タイプ(計30室)、全室天然温泉(塩沢温泉)を引湯した内風呂付きとした。改修した碓氷館は45~90平方メートルの全5タイプ(計44室)。愛宕館と碓氷館の一部客室にはテラスを設けている。

 アルプス館1階のメインダイニングルームは、格天井の湾曲部分の部材や照明などは当時の物をそのまま使用したほか、天井の色合いを再現。ダイニングテラスは改築し、新たに中庭を整備した。また、宿泊客以外も利用できるカフェテラスはテラス席を拡張し、73席から102席に。そのほかバーやショップ、婚礼や宴会等に用いる宴会場としてバンケット棟を備えている。

 グランドオープン前の24年10月1日には、リニューアルした同ホテルが報道陣に公開された。支配人の西川眞司氏は「ソフトオープンでは、クローズする前に利用いただいていたリピーターの方が多く宿泊され、『やっと開きますね』との言葉をいただいた。また、工事に伴い全国に散らばっていたスタッフはほぼ全員戻ってきてくれ、新しいスタッフも加わり、グランドオープンを迎えられることがうれしい。ホスピタリティを大切にしながら、新しいオペレーションで次の100年に向かって進んでいきたい」と話した。

メインダイニングルーム。格天井の湾曲部分などの部材は当時のものを使用し、ホテルの歴史を継承している
愛宕館客室に設けられた内風呂
「新しいオペレーションで次の100年に向かって進んでいきたい」などと話す万平ホテル支配人の西川眞司氏

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