不動産ニュース / 開発・分譲

2025/2/19

調布にCLT工法の木造3階建て賃貸/大東建託

完成した「ForterbIII」1号棟の外観
1LDKの居室。壁に60mmの燃えしろ層を設けている

 大東建託(株)は18日、CLT工法の木造賃貸住宅「ForterbIII」の1号棟(東京都調布市、総戸数12戸)を完成したと発表。5月より販売を開始する。

 同社はCLT造による賃貸住宅の商品化を目指し、2015年から建設コスト低減や耐火性能を確保する技術開発に注力。19年9月にCLT工法による賃貸住宅初弾となる賃貸住宅「Forterb」を、21年11月にはCLT工法を活用したクロスウッド工法による戸建注文住宅「Groun DK(グランDK)」の販売を開始している。「ForterbIII」はCLT工法を採用したシリーズの第3弾。

 完成した1号棟は、京王電鉄京王線「つつじヶ丘」駅徒歩10分に位置。敷地面積776平方メートル、地上3階建て。

 火災時に木材の表面が燃える厚さを想定し、その厚み分を加えた60mmの燃えしろ層を壁に設け、火災発生後1時間の加熱に耐えることができる耐火構造を採用している。コンクリートの約5分の1の軽さと、コンクリートより強い曲げ強度(破壊されるまで荷重をかけたときの強さ)を持つCLTで、建物を軽量化しながら耐震性を確保した。
 洋室部分の壁と天井には、木の質感が感じられるCLTのあらわしを設置。木材使用量は207立法メートルで、うちCLTが122立方メートル、国産材が172立方メートル。木材全体の炭素貯蔵効果は137t-CO2で、一般家庭37世帯分の年間CO2排出量に相当するという。ZEH(オリエンテッド)仕様。

 間取りは1LDK(40.45平方メートル)、賃料は13万9,000~14万5,000円。全戸入居申し込み済み(17日時点)。

 25年3月末に2号棟となる物件を埼玉県所沢市で着工する予定。同社は28年までに、CLT使用量を現在の8倍の2,000立方メートルに増やすことを目指す。

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

CLT

木材板を積層接着した厚型のパネル。英語のCross Laminated Timberの略で、和訳は「直交集成板」である。 CLTは、板の層を繊維方向が直交するように交互に張り合わせたもので、高い寸法安定性、優れた断熱性があるほか、CLTを柱や梁とする構造は軽量で耐震強度を確保できるとされている。

続きはR.E.wordsへ

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年4月号
2025年、不動産市場はどう動く
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/3/5

「月刊不動産流通2025年4月号」発売中!

「月刊不動産流通2025年4月号」が好評発売中です。購入はショップサイトから。
特集は、「不動産市場 2025年のキーワード」。今年も、マンション、賃貸住宅、オフィス等、さまざまな分野のアナリストに、市場動向を予測していただきました。今年を占うキーワードも!?ぜひご覧ください。