記者の目 / ハウジング

2007/12/3

テーマを持たせた7棟のモデルハウス

「ミルクリーク・湘南クラストパーク」神奈川県藤沢市にオープン

 東急ホーム(株)(東京都渋谷区、取締役社長:金指潔氏)は今年1月、千葉県あすみが丘東において日本初のテーマパーク型モデルハウス「ミルクリーク・クラストパーク」(全6棟)をオープンさせた。その第2弾として、今年11月には神奈川県藤沢市に、「ミルクリーク・湘南クラストパーク」(以下、「湘南クラストパーク」)を開設。11月23日(金)のグランドオープン後の3日間で、すでに133組380名という来場者を記録した。  29日(木)にプレス向けに「湘南クラストパーク」内の7棟のモデルハウスが公開されたので、レポートする。

7棟のモデルハウスが建ち並ぶ「湘南クラストパーク」
7棟のモデルハウスが建ち並ぶ「湘南クラストパーク」
好きなものと暮らすがテーマの「アメリカの家(America's HOUSE)」。まさに雰囲気はアメリカン!
好きなものと暮らすがテーマの「アメリカの家(America's HOUSE)」。まさに雰囲気はアメリカン!
ボーネルンド社がプロデュースした「奥様と子供の家(Kid's HOUSE)」のキッズルーム
ボーネルンド社がプロデュースした「奥様と子供の家(Kid's HOUSE)」のキッズルーム
「Pet HOUSE」は中央に吹き抜けを設け、住む人も住む「ペット」も快適な暮らしが実現できる家に
「Pet HOUSE」は中央に吹き抜けを設け、住む人も住む「ペット」も快適な暮らしが実現できる家に
「奥様の家(Mrs.HOUSE)」に設けられたキッチン横のスペース。まるで単独の部屋!主婦にとって居心地のいいスペースとなること間違いなし
「奥様の家(Mrs.HOUSE)」に設けられたキッチン横のスペース。まるで単独の部屋!主婦にとって居心地のいいスペースとなること間違いなし

 神奈川県藤沢市。小田急江ノ島線「善行」駅から車で3kmほどのエリア、一戸建てが建ち並ぶ住宅街の一角に、「湘南クラストパーク」の展示場はある。

 “暮らすと”わかる、の語呂から名づけられた「クラストモデル」シリーズは、2004年10月から「暮らすと分かる実際の住み心地」をキャッチフレーズに、「宿泊体験型モデルハウス」として展開しており、現在、首都圏を中心に23ヵ所28モデルをオープンさせている。
「ミルクリーク・クラストパーク」は、「テーマパーク感覚で家を考える」というコンセプトに基づき、各モデル1棟1棟にテーマを持たせ、「ミルクリーク」のすべてに見て、触れて、泊まってさまざまな体験・体感をしていただく施設として開設しているもの。今回うかがった「湘南クラストパーク」は、「ミルクリーク・クラストパーク」の第2弾としてオープンさせたもので、「湘南クラストパーク」を入れると、「クラストモデル」は、24ヵ所、35モデルとなる。


湘南クラストパークが発信する夢の入口は7つ

 「湘南クラストパーク」で展示しているモデルハウスは7棟(宿泊できるのは3棟)。いずれもミルクリークならではの格調高い商品で、しかもコンセプトが全て異なったものを展示している。

 道路に面して、「夫婦二人の時間を贅沢に楽しむ」をコンセプトにした「悠々自適な家(Second life HOUSE)」、奥様の“私の居場所”をカタチにした「奥様の家(Mrs.HOUSE)」、子供の健やかな成長と豊かな感性を育む「奥様と子供の家(Kid's HOUSE)」、洗練された上質感に包まれた「上質を愉しむ家(Formal HOUSE)」、シンプルで気取らない、ナチュラルスタイルの「サーファーの家(SHONAN'S HOUSE)」、愛犬と仲良く暮らす「Pet HOUSE」、好きなものと暮らすがテーマの「アメリカの家(America's HOUSE)」などが立ち並ぶ。

 来場者はそれぞれ自分の趣味に近いモデルハウスのプランを参考に、自分の住まう家のテーマのイメージをすることができる。もちろん同展示場が今回提案する7棟はあくまで例に過ぎないので、この7つのテーマの一部をミックスさせて、自分だけのテーマを決めてそれを形にした家づくりの注文も可能だ。ペットも飼うサーファーだっているだろうし、子供がいて尚上質な住生活を望む人もいる。テーマは、できる限り具体的にイメージをし、「夢が叶う」ための空間に家を近づけてゆくことがポイントとなってくるのだろう。そのための「イメージ」提案として、今回のモデルハウスにはストーリー性をかなり強く持たせている。
 個性を極めた装飾に関しては、それぞれの専門家や専門業者にプロデュースの依頼をして設計している。たとえばキッズルームは「ボーネルンド社」、ペットハウスはドッグラン運営業務をメインに行なう「いぬたまサービス」、アメリカンカジュアルや、サーファー、ゴルフなど遊び心のある空間の演出は、雑誌『湘南スタイル』を発行する「エイ出版社」、といった具合だ。

 
心と体、住まう人に優しい空間を演出。明かりの工夫まで!

 それぞれの棟では、関係者による設計の訴求ポイントについて詳しい説明がなされたが、記者にとってもっとも興味深かったのは、ある棟の1室に設けられた「ドクターズルーム」。血圧測定器などが設置されており、測定が可能となっているのだ。なぜそんなものが設置されていたかというと、高気密・高断熱を住まいで実現したことにより、一戸建てに多くありがちな室温の変化による血圧降下などから発生する血管、心臓疾患による病気や事故の発生防止を図っており、それを体感するために設けられている。併せて、全館空調システムによる温度・湿度の一定化についても説明がなされた。

 またミルクリークでは、自然の太陽の高さに合わせた明かりの提案をしており、明かりのコントロールパネルによって、何段階かに分けた明かりを演出することができる(コントロールパネルはオプション)。家の中にいても、終日同じ強さと色の明かりをつけるのではなくて、生活シーンに合わせて変化させることが可能だ。「太陽の位置と色に合わせた明かりを家の中でも心がければいい」、つまり就寝前の数時間は少しずつ明かりの数や強さ、色を落とし、快適な睡眠に向けたウォーミングアップをさせるということか。

 このような商品開発に関して、生活シーンの中で感じるひとつひとつの問題点などを、生活する側に立って問題提起したうえでの商品提供が、暮らす側にとっての心地よさにつながるのだと思われる。
 なお、「湘南クラストパーク」で展示されているモデルハウスは、2階建てのみだが、3階建てのプランも可能だという。千葉・あすみが丘に比べると敷地面積は約10坪狭い30~36坪であるが、開放感のあるプラン設計のため、それは感じなかった。隣接する住宅と隔たりのない開放的なアプローチもその効果を後押ししているように思えた。

 07年10月までのクラストモデルすべての来場者数は総勢5,834組。うち宿泊体験者は764組で、70%が契約に結びついているという。「クラストパーク」に関しては、1月に千葉・あすみが丘にオープンしてからのわずか10ヵ月間で1,156組が来場。うち62組が実際に宿泊体験をし、成約率は80%と驚異の数字をあげ、まさにクラストモデル全体の数字を大きく牽引している。

 シンプルで当たり前のことながらも「家って本来、愉しむためにあるんだな」と感じた2時間でもあった。家というものは購入してから、時間をかけて住まう人になじませていくものかと考えていたが、できる限り自分の夢やライフスタイルに近づけた形でスタートさせて、そこからどんどん自分の生活を「家」の変化とともに愉しみながら進めてゆくのが、本来あるべき姿なのではないか、と感じた。

 そもそも家は寛ぐための場所であり、家族や自分と趣味や時間をシェアし、そこから生まれるものがいっぱいあるはずなのだ。
 「ミルクリーク・湘南クラストパーク」が発信する様々な情報やライフスタイルの提案が、湘南という場所に興味があるないに関わらず、家とどう向き合うのかを、訪問する人に考えさせてくれるのだろう。(YUKIZO)

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サントスの「動く博物館」と中心街の再活性化【ブラジル】」を更新しました。

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