大京グループの総合ビル管理事業を手掛けるオリックス・ファシリティーズ(株)は21日、遠隔作業支援が可能となるメガネ型端末「スマートグラス」導入による働き改革を推進していくと発表。
専門技術者の高齢化など人材不足が進む中、ビル管理業界では新たな技術を導入した業務改革を行なうことが急務となっていた。そこで同社は、2016年5月より約11ヵ月、20のビル管理および工事現場においてスマートグラスのトライアルを実施。一定の成果が得られたことから、17年6月より、ビル管理業務および工事業務におけるインスペクションや新入社員をはじめとする若年層の教育にスマートグラスを正式導入することとした。
スマートグラスは、ビル管理業務および工事業務のインスペクションを行なう技術推進部に3台配備。スマートグラスを装着した現場の作業員は、離れた場所にいるオペレーターから音声による指示、支援を受けることができるため、多重確認が実現しサービス品質の向上と平準化につながる。オペレーターがパソコンに画面上の赤ペン機能で指示を書き込み、作業員はグラス画面で確認することも可能。オペレーター側は、作業員が見ている現場の状況を撮影することもでき、カメラ映像や写真データはすべてパソコンに保存され、グラスの中には残らない仕組み。
また、若年層社員が配属される事業所(ビル管理現場)にも4台のスマートグラスを常設。点検作業時にスマートグラスを着用した若年層社員は、所長等のベテラン社員の指示を受けながら業務を実施することで、技術の向上や作業ミスの防止につなげる。
スマートグラスの実施状況や成果は同社グループ内で共有し、さまざまな分野で活用の方向性を探っていく考え。