不動産ニュース / 団体・グループ

2017/10/30

大都市の空き家利活用、事例を基に議論

パネルディスカッションの様子

 (公社)日本不動産学会(JARES)は27日、平成29年度科学研究費助成事業として「大都市部の空き家利活用における住民・行政・企業の役割と連携方法-地方の経験を生かして-」をテーマにシンポジウムを開催した。

 同学会は2017年3月にも、空き家の活用を課題としたシンポジウムを開催しており、今回は空き家活用における行政・企業・民間の連携方法などについて検討する場とした。

 同学会理事で、横浜市立大学国際総合科学部教授の齊藤広子氏が基調講演。空き家が発生する原因等について、「空き家は都市計画・まちづくり・不動産業・居住・福祉等多くの政策にまたがる分野であることから、それらを総合的に扱う政策が欠如していることが原因している」と分析した。

 また、行政・企業・住民の立場から5つの組織が空き家に関する取り組み事例を発表。北九州市は「官民が連携して行なう、まちの賑わい創出に寄与する遊休不動産の活用」について、京都市は全国平均を上回る空き家率を解消するための「京都市空き家の活用、適正管理等に関する条例」について発表。若葉台連合自治会(横浜市旭区)は「空き家発生を抑制する地域住民によるまちの魅力アップ手法」について発表。パナホーム(株)は「公民連携で取り組むニュータウン活性化」について、R不動産(株)は「空き家を活用したトライアルステイ」について発表した。

 その後、齊藤氏と事例発表者にコーディネーターとして同学会理事で、東京都市大学環境学部教授の室田昌子氏が加わり、パネルディスカッションを実施。空き家の利活用に関する各立場の役割・限界、互いにどんな連携を求めるのか等について議論した。
 パネリストからは、「企業がリスクを恐れて手を出せない新しい取り組みこそ、行政が進んでやるべき」「行政は縦割り社会で、分野横断的な空き家等の問題には取り組みにくい。今後、どうやって部署間の連携を図っていくかが課題」「住民もまちの魅力アップに寄与することで、空き家発生の抑制に寄与することが可能」「企業も、成功事例を沢山提示できれば住民からの信用も得られる。とにかく実践を重ね事例をあげていきたい」などの意見が挙げられた。
 最後に室田氏は「企業が突然地域に入ってプロジェクトを行なうと住民からは営利目的だと不信感をたれる場合も。行政がコーディネーターとして介入すると円滑に進む」とまとめた。

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