不動産ニュース / 政策・制度

2017/12/14

税制改正大綱、業界団体トップは高く評価

 政府与党が14日に発表した「平成30年税制改正大綱」について、各業界団体のトップから、以下の通りコメントが発表された。

(一社)不動産協会(RECAJ)理事長 菰田正信氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)会長 伊藤 博氏
(公社)全日本不動産協会(全日)理事長 原嶋和利氏
(一社)不動産流通経営協会(FRK)理事長 榊 真二氏
(一社)不動産証券化協会(ARES)会長 岩沙弘道氏
(一社)日本ビルヂング協会連合会 会長 髙木 茂氏


(一社)不動産協会(RECAJ)理事長 菰田正信氏

 本日決定された「平成30年度税制改正大綱」では、経済の好循環を支える最重要な税制と位置付けていた「土地固定資産税の負担調整措置や条例減額制度」の延長が認められた。現状でも、さまざまな事業者の負担感が大きく、収益力の回復の足取りも一様でない中、地域経済の安定的・持続的成長に資するものと評価している。

 また、「居住用財産の買換え・売却に伴う特例」や「新築住宅に係る固定資産税の軽減特例」、「国家戦略特区に係る特例」等、その他の主要な要望についても、延長等が認められた。「車の両輪」としての新築・既存住宅マーケットの活性化や都市の国際競争力強化に資するものであり評価している。ご尽力頂いた関係各位に対して、厚く御礼申し上げたい。

 住宅市場に係る対策については、住宅投資の波及効果に鑑み、これまでの措置の実施状況や今後の住宅市場の動向等を踏まえ、必要な対応を検討することとなったが、住宅が内需の牽引役としての役割を果たせるよう、機動的な対応が講じられることを期待している。

 我が国経済の緩やかな回復基調が続く中、今回の税制改正を踏まえ、当協会としても、魅力的なまちづくりや豊かな住生活の実現に向け、経済の力強い成長に貢献して参りたい。

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)会長 伊藤 博氏

 本会の要望事項はほぼ100%実現した。特に、最重点事項である買取再販に係る特例措置の敷地への拡充は、一部条件は付されたものの、良質な既存住宅供給を推進する有効な足掛かりとなるだろう。

 また、懸案であった土地の固定資産税の負担調整措置についても、結果的には無傷で延長となった。仮に特例が縮減されれば、不動産の保有コスト増による地域経済への影響が心配されたが、我々現場の声を受け止めていただいた。関係の方々に心より感謝申し上げたい。

(公社)全日本不動産協会(全日)理事長 原嶋和利氏

  この度の「平成30年度税制改正大綱」では、不動産流通を促進するための商業地の土地に関する固定資産税の負担調整措置と条例減額制度、住宅及び土地に係る不動産取得税の特例措置が3年間延長されたほか、住宅取得と住宅の質の向上を図るための新築住宅に係る固定資産税の減額措置をはじめとした重要な税制が延長された。

 また、買取再販での住宅取得(安心R住宅または瑕疵担保保険付)に係る特例措置の敷地への拡充と住宅取得後に耐震改修を行った場合の特例措置の敷地への拡充が認められるなど、本会からの主要な要望が認められ、ご尽力頂いた政府・与党の関係者の皆様に厚く御礼申し上げたい。

 我が国は、政府の経済対策等により緩やかな景気回復傾向にある一方で、人口減少、少子高齢化など社会構造の変化への対応が求められている。

 業界においては、既存住宅流通への対応や空き家(未利用空地)の増加抑制と利活用等が大きな課題とされているところから、政府におかれましても、今後とも不動産流通市場の活性化並びに土地の利用を促進させる税制をはじめとした政策面での支援を引き続きお願いしたい。

(一社)不動産流通経営協会(FRK)理事長 榊 真二氏

 今回発表された税制改正大綱は、わが国経済が長きにわたり緩やかな景気回復を続けるなか、経済の一段の底上げを図りデフレからの脱却を確実にすることを念頭に策定されたものと捉えている。

 足元の不動産流通市場は、金融緩和や住宅取得に対する税制優遇措置等の政策の下支えもあり、成約件数、成約価格ともに高水準な状況が継続するなど底堅く推移している。

 今回の改正で、当協会の要望事項であった、買取再販で扱われる住宅の取得等に係る特例措置の敷地への拡充が盛り込まれた。既存住宅流通を契機に、不動産のプロのノウハウを活用し、リフォームを通じて質を高めた既存住宅の提供を促進することで、既存住宅流通・リフォーム市場拡大に資するものと期待している。また、今年度に期限切れを迎える住宅取得・買換え促進のための各種特例措置が延長されたことは、足元の高水準な不動産取引を下支えし既存住宅流通市場の活性化を後押しするものと評価する。

 昨春策定された新たな「住生活基本計画」では、ストックの充実に向けて、既存住宅流通市場・リフォーム市場倍増の目標が掲げられている。現在、政策の実現に向けて行政・業界が一緒に取り組んでおり、当協会においてもその一環として、改正宅建業法における建物状況調査に関する規定への対応等を重点課題と位置付けて準備を進めているところである。

 内需の柱である住宅・不動産市場において既存住宅流通市場に期待される役割が益々増大するなか、当協会は不動産流通市場活性化に向けて鋭意取り組んでいく所存であり、政府におかれましても税制等政策面での後押しを引き続きお願いいたしたい。

 最後に、今般の税制改正にご尽力をいただいた政府・与党の関係者の皆様に厚くお礼申し上げたい。

(一社)不動産証券化協会(ARES)会長 岩沙弘道氏

 Jリートに代表される不動産投資市場は、 これまで、国内外の様々な投資家に新たな投資機会を提供しながら 、金融資産と不動産を繋げる資金循環機能を通じて、不動産取引の活性化や都市の優良な不動産ストックの形成など、我が国経済の持続的成長に重要な役割を果たしてきた。

 平成30年度税制改正大綱においては、当協会が要望した「固定資産税・都市計画税の負担調整措置及び条例減額制度の延長」や「投資法人等が海外不動産に投資した際支払う直接外国税額の控除方法等の改正」等が講じ られた。デフレ脱却、経済再生の実現に加え、アウトバウンド投資の活性化を通じた不動産投資市場の成長に寄与するものであり、高く評価したい。ご尽力いただ関係者の方々に深く感謝を申しあげる。

 当協会としても、 不動産投資市場の更なる成長を実現することで、 国民の資産形成に資するともに、都市再生並びに地方創生ひいては我が国経済の成長に貢献できるよう 、一層使命感を持って取り組む所存である。

(一社)日本ビルヂング協会連合会 会長 髙木 茂氏

 平成30年度与党税制改正大綱において、不動産市場の活性化や地方創生の推進に向け当連合会が要望していた特例措置が延長されたことを評価したい。

 特に、来年は土地に係る固定資産税の評価見直しの年にあたり、商業地の地価の上昇がみられるなか、土地に係る固定資産税の負担調整措置及び条例減額制度の3年間延長が認められたことは、デフレ脱却にむけて、意義深いものと高く評価したい。

 当連合会は、今回の税制改正を踏まえ、ビル事業の一層の推進に努め、成長力・国際競争力の強化、都市再生の推進と地方創生を図ってまいる所存である。

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