マンションの大規模修繕における設計者の団体として11月9日に設立した(一社)マンション改修設計コンサルタント協会(MCA)が20日、設立発表会を行なった。同日、1回目の理事会を開催し、本格的に業務を開始した。
全国でマンションストックが蓄積し改修工事の必要性が高まる中、社会課題であるマンション改修設計コンサルタント業界の育成・健全化を図るのが目的。20日時点の会員数は、設計事務所など30社。代表理事は、(株)翔設計代表取締役の貴船美彦氏が就任した。
設立発表会で貴船氏は「マンションストックが増え続ける中で、大規模修繕におけるコンサルタント業務は、さらなる高度化や価格・技術的な標準化が課題。これまでは設計を手掛ける各社の自助努力によって対応してきたが、さまざまな会社が集まって『業界』にならなければさらなる高度化は果たせない。当協会の設立は大きな一歩だ」などと語った。
今後は、業界の発展に向けた啓発活動や業務標準化、コンサルタント業務従事者への教育・資格創設などに取り組んでいく。まずは、標準契約書や標準費用、技術教育などの委員会を設置して検討を進める。「来夏ごろまでにはなんらかの成果を出したい」(貴船氏)。
マンションストックをめぐる動きの中で、管理組合団体、管理会社団体、コンサル団体、施工者団体が「マンション関係団体連絡協議会」を11月に設立。その一方で設計会社には全国組織がなく、その重要性が指摘されていた。同協会では今後、全国での支部開設など全国団体化への体制整備を図っていく。