不動産ニュース / 団体・グループ

2018/5/10

管理協、電子決済導入に関し実証実験

 (一社)マンション管理業協会は10日、分譲マンションへの電子マネーやクレジットカードによる電子決済導入に関する実証実験結果を公表した。

 平成29年度国土交通省の補助事業。会員会社が管理するマンション居住者に、管理室窓口での集会室使用料や来客用駐車場代、駐輪場代などの電子決済を利用してもらい、タイプの異なる(1)「団地型、大規模(築40年超、居住者は70歳代が最多)」、(2)「単棟型、中規模(築1年未満、同30~40歳代が中心)」、(3)「単棟型、小規模(築40年超、同60~70歳代が多い)」で検証した。いずれのマンションも管理員1名が専属で勤務し、現地で決済端末の操作や居住者応対を行なった。

 利用状況については、(2)と(3)においては、事業期間中はほぼ電子決済が利用された。これに対して(1)は、決済総件数が月平均144件に対して電子決済は4件と、電子決済の利用率は3%に満たなかった。取り扱い費目が多数あり、昔からの現金決済の習慣が定着していることが、電子決済への抵抗感の一因になっているとした。実証後のアンケートでは、総じて電子決済を導入することに対する肯定的な意見が多かった。

 同協会では、これら実証実験結果に基づき「準備面」「手続面」「コスト面」「運用面」での課題と必要な取り組みをまとめており(結果詳細はホームページ参照)、今回の事業で得た知見を活かして、マンション管理においても引き続きキャッシュレス化に向けて取り組んでいく。

 同協会は実証結果を受け、「電子決済サービスは、利便性の向上、収納事務の効率化、未収金の低減や滞納督促の負担軽減のための一つのツールとなりえる」とし、その機能を有効に活用するためには、マンションごとの特性や慣習、居住者のニーズを踏まえたマッチングが重要と指摘。普及に向けてはコスト負担の課題の解決を含めたマンション向け決済サービスの提供や、キャッシュレス化の方策として電子決済のみに頼らず、複数の選択肢を視野に入れて取り組むなど電子決済の手段を持たない人への配慮も必要だとしている。

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