(公社)全国宅地建物取引業協会連合会は10日、(一社)全国地方銀行協会が内閣府に要望した「不動産仲介業務の解禁」に対して、断固反対の意向を同会会長・坂本 久氏の名義で示した。
9月12日、全国地方銀行協会が内閣府に提出した「環境変化を踏まえた業務範囲規制の見直しに関する要望書」を踏まえたもの。同要望書には、銀行および銀行子会社・兄弟会社における不動産仲介業務の解禁などが盛り込まれている。同様の要望は毎年出されていたが、これまでは中小宅建業者へ配慮した対応がされてきた。しかし、今回、金融庁が検討する姿勢を示したという情報を得たことから、改めて反対の意やその理由等、協会の見解を出した。
同協会は「中小零細業者が大半を占める宅建業に、銀行が参入すれば、膨大な顧客情報等による宅建業の公正な競争の阻害、不適切な融資等による銀行経営健全性の崩壊などが予想できる」とし、「宅建業者の存立が難しくなるようなことがあれば、地域の雇用創出、空き家をはじめとする地域不動産流動化による地方経済の活性化といった地方創生の取り組みも滞る恐れがある」としている。
今後の推移次第では、全国宅建政治連盟などと協力しながら、必要に応じ、内閣府や金融庁へ要望を出していく。