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2018/10/26

アジア不動産市場の透明性は着実に向上/ANREV

「アジア不動産の透明性は着実に高まってきた」と語る、ニコラス・ルー会長

 Asian Association for Investors in non-listed real estate vehibles(アジア非上場不動産投資家協会、事務局:香港、以下、ANREV)は26日、年次カンファレンスの開催に合わせて来日した幹部がマスコミに会見した。

 ANREVは、非上場不動産ビークルへ投資する投資家のために2007年に設立された非営利組織で、オランダ・アムステルダムを拠点とする非上場不動産投資家協会(INREV)の関連団体。アジア不動産マーケットの透明性向上や市場の健全化に向けて活動しており、現在の会員数は、機関投資家やファンドマネージャー、不動産関連サービスプロバイダーなど210社。

 同協会役員会会長のニコラス・ルー氏は、「設立から10年を経て、アジアの不動産投資市場は非常に透明性が高まり、安心して投資できる環境が整ってきている。グローバルな機関投資家にとってもアジア太平洋地域は重要視されており、アジア不動産投資額は、10年前に約30億(米)ドルであったものが、昨年は167億ドルにまで拡大した」と語った。

 日本の不動産マーケットについては、投資家から見ると大変魅力的な市場であると認識されいる一方で、同協会で作成したグローバルインデックスで、オーストラリアの66%に対し日本不動産の占める割合7%と低い点に触れ、「このパーセンテージを高めるためにも、日本の不動産業界と協力を進めていきたい」と語った。

 なお、会見では年次カンファレンスに合わせて実施した会員へのアンケート調査結果も紹介。今後1年間で東京のオフィス市場のキャップレートはどう変化するか?との問いでは、「変わらない」が56.5%、「低下する」が26.5%、と、堅調な動きを見せるとの見解が大半となった。同会チーフ・エグゼクティブのアラン・ダルクリーシュ氏は、「機関投資家では、ファミリー向け賃貸住宅、学生寮、データセンターといったオルタナティブ投資への投資が増加している」と指摘。アンケートでも、オルタナティブ投資マーケットは今後「成長する」との回答が90.4%と多数を占めた。

「日本は政治も安定し、所得水準も高い。短期的リターンは低いが、堅実な市場で機関投資家にとっては魅力が高い」と語るアラン・ダルクリーシュ氏

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不動産投資インデックス

不動産の収益性を一般的に示すための指標をいう。個別の不動産についての収益性ではなく、不動産市場全体の動向を収益性の視点から把握できる指標でなければならないとされる。

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