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2018/12/4

埼玉宅協が2度目のタウンマネジメントスクール

スクールの様子。ディスカッションを前に、タウンマネジメント先駆者である(株)尚建・徳山氏の事例を学ぶ
グループディスカッションでは活発な意見交換が行なわれた

 (公社)埼玉県宅地建物取引業協会は3日、埼玉県宅建会館(さいたま市浦和区)で、2回目となる「不動産業者のためのタウンマネジメント・スクール」を開催。会員会社の経営者・実務者など26名が参加した。

 同スクールは全宅連が推進するこれからの中小不動産会社のあり方「地域守り・家守り・資産守り」を実践する企業等の取り組みを学びながら、地域価値を向上させるための取り組みを参加者同士で考えていこうというもの。空き家や地域の衰退など、危機感を抱く会員企業からの要望を受け、再度の開催となった。
 冒頭挨拶した同協会会長の内山俊夫氏は「昨年のスクールでは10年後の不動産業界を予測して、参加者に多くの発見を持ち帰っていただいた。まちが元気になればまちの価値が上がり、われわれのビジネスも良くなる。これからのわれわれは、地域力を高める仕事をしていかなければならない。地域と業界を元気にするローカルスターを、1人でも多く産み出したい。そのための知識を参加者に提供したい」などと抱負を語った。

 スクールではまず、参加者のディスカッションのヒントとしてもらうための2つの講演を実施。全宅連不動産総合研究所の岡崎卓也氏は、同研究所が4年間にわたり全国各地で収集してきた、これからの地域密着型不動産業のあり方を示唆する企業の取り組みを紹介。空き家や空き地などそれ単体の再生や管理だけでなく、それを通じて地域のプロパティマネジャーとして地域の資産価値をも高めていく視点や、“自分の畑は自分で耕せ”を合言葉に、地域を深堀りして新たな需要を創造することが必要と説いた。

 続いて、東京の「谷根千」エリアを中心に、新たな「コトづくり」を通じてまちの不動産再生に取り組む(株)尚建(東京都文京区)代表取締役の徳山 明氏が、12年間にわたる取り組みを振り返った。同氏は、これからはノーリスクの仲介業ではなく、リスクを自ら取り、マルチプレーヤーとなって事業を行なうべきと訴え「新たな価値を生むのに、地域や資源の良し悪しは関係ない。地域のためになるものを作るために自らが行動する事が大事。皆さんの地域なりの成功事例を探してほしい」と語った。

 2人の講演後は、参加者を4つのグループに分けて、グループディスカッションを実施。メンバー同士が「われわれの強みと弱み」「われわれにとっての機会と脅威」を自由に挙げながら、それらの要素をもとに「地域に根差す中小不動産業者が目指す姿」と取るべき戦略等をまとめ、グループごとに発表した。

 各グループからは「これまで培ってきたネットワークがある。人とのつながりを生かして、地域コミュニティを活性化させていく」「いずれ仲介業は大手とFCだけになる。われわれは地域に求められる何でも屋にならなくては」「大手にはない地域での信用力を生かして、地域の魅力をSNS等で発信していく」といったアイディアが挙がった。

参加者それぞれが考える強み・弱みやビジネス機会・脅威を挙げ、これから自分たちがなすべきビジネスを考えた
「これからのわれわれは、地域力を高める仕事をしていかなければならない」と訴える内山会長

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タウンマネジメント

住民・事業主・地権者等が主体的にまちづくりに取り組む手法。明確な定義はないが、まちづくりをテーマにしていること、ハードとソフトを組み合わせた取り組みであること、住民や事業主が主体となって進めることが特徴である。

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