不動産ニュース / 開発・分譲

2019/9/17

「旧九段会館」保存・建て替えPJ、新築部分着工

田安門側から物件を臨むイメージ

 東急不動産(株)と鹿島建設(株)が出資する合同会社ノーヴェグランデは、「(仮称)九段南一丁目プロジェクト」(東京都千代田区)の新築工事に着手した。

 1934年に完成した歴史的建造物である旧九段会館(2019年9月に登録有形文化財に登録)を、一部保存しながら建て替える事業。歴史的価値のある建物を生かしながらオフィスを中心としたビルを建設し、にぎわいのある空間を整備する。

 東京メトロ、都営新宿線「九段下」駅徒歩1分に立地。敷地面積約8,765平方メートル、延床面積約6万7,738平方メートル。鉄骨造(CFT造)・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造地上17階地下3階建て。

 開発コンセプトは「水辺に咲くレトロモダン」。皇居外苑のお濠に面する都内随一の立地であることから、新築部分全フロアのお濠側に開放的な窓面を設置し、オフィスフロアの基準階面積は約750坪とする。
 保存部分は創建時の姿を保存・復原し、内装にも当時の意匠を生かすことにより、格式高い小割オフィスを提供する。1階には会員制のシェアオフィスを備え、さまざまな働き方に対応する。宴会場として活用されていた「真珠」「鳳凰」は、内装も創建時の姿に復原し、一般利用が可能なカンファレンス施設等として、ワーカーのビジネスをサポートする。保存部分屋上には、ラウンジや自然を感じられる庭園も設置する。

 入居企業の健康経営をサポートするため、ランニングステーション・仮眠室・食育に寄与する菜園を整備し、各種健康サポートイベントも開催。ダイバーシティへの取り組みの一環として、礼拝室・オールジェンダートイレも設置する。
 最先端のAIカメラ技術により、次世代のセキュリティーシステムも実装する予定。保存部分では免震構造・新築部分では制震構造を採用し、5日分の電力供給が可能な非常用発電機の設置、防災備蓄倉庫の設置等、非常時にも備える。
 保存部分の屋上庭園の他、建物北側のメインエントランス前には広場空間を、お濠沿いにはテラスを設置し、親水空間も整備する計画。

 竣工は22年7月の予定。

メインエントランスイメージ

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