不動産ニュース / 調査・統計データ

2019/9/24

東京Aグレードオフィス空室率、12年ぶりに1%下回る

 JLLは24日、2019年第2四半期の「ジャパン プロパティ ダイジェスト」を発表した。

 日本のオフィス、リテール(店舗)、ロジスティクス(物流)、ホテル市場の空室・賃料・価格動向、需要・供給動向および12ヵ月予測をまとめている。

 東京のAグレードオフィス市場は、空室率が0.8%(前期比0.2ポイント低下、前年比1.2ポイント低下)で、07年以来12年ぶりに1%を下回る水準となった。賃料は、月額坪あたり3万9,262円(同1.4%上昇、同5.8%上昇)となり、29四半期連続で上昇した。上昇ペースは前四半期並みで堅調に推移し、大手町・丸の内を含むサブマーケットが賃料上昇を牽引。価格は前期比5.9%上昇、前年比15.2%上昇と、上昇ペースは加速。賃料上昇と投資利回りの低下を反映した。

 今後12ヵ月は、既存ビルの供給が極めて限定的である一方、需要は堅調で供給予定ビルを吸収し、19年と20年の供給予定ビルの予約契約は順調に推移し、今後空室率は1%台まで上昇するものの、賃料は継続して上昇する見通し。投資市場は、投資利回りは低下余地が極めて限定的となっていることから、価格はおおむね賃料上昇を反映して緩やかに上昇する見込み。

 大阪のAグレードオフィス市場は、空室率が0.3%(同0.2ポイント低下、同0.5ポイント低下)と、JLL調査開始(04年末)以来最も低い水準を記録。賃料が月額坪あたり2万1,887円(同2.1%上昇、同10.1%上昇)で、20四半期連続で上昇。価格は前期比7.2%上昇、前年比29.9%上昇。投資利回りはJLL調査開始(03年末)以来過去最低値を更新。賃料上昇と投資利回りの低下を反映して、上昇ペースは加速した。

 今後は、需要は堅調であるものの、供給が極めて限定的であることから、ネットアブゾープション(当期中に新たに賃貸借された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積の増減)は抑制されると予測。引き続き低い空室率の水準により、賃料の上昇モメンタムは下支えされる見通し。投資市場では、投資利回りは19年末までは安定的に推移するとみられることから、賃料上昇を反映して価格は上昇する見込みであるとした。

 東京のリテール(店舗)市場は、賃料は月額坪当たり8万956円(同0.1%上昇、同1.7%上昇)となった。銀座の空中階の賃料上昇を反映した。価格は前期比0.1%減少、前年比4.0%上昇となった。

 東京のロジスティクス(物流)市場は、空室率が3.3%(同0.8 ポイント低下、同1.1 ポイント低下)、賃料が月額坪当たり4,274円(同0.5%上昇、同1.4%上昇)となった。価格が前期比3.1%上昇、前年比9.2%上昇。

 東京のホテル市場は、延べ宿泊者数は、2,050万人(前年比15.2%増)となり、引き続き高い成長率を維持。都内の外国人宿泊者比率は39.0%であり、全国平均(20.9%)よりも高い結果に。都内の外国人宿泊者数は前年比27.0%増となり、宿泊需要全体の成長をけん引した。

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