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2020/1/6

「2020年 年頭挨拶」(各社)

 不動産および住宅会社や関連会社各社のトップは、下記のような年頭所感を述べた。(順不同)

三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏
三菱地所(株)執行役社長 吉田淳一氏
住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏
東急不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 大隈郁仁氏
東京建物(株)代表取締役社長執行役員 野村 均氏
野村不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 グループCEO 沓掛英二氏
森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏
三菱地所レジデンス(株)取締役社長 脇 英美氏
(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 辻 範明氏
(株)大京 代表取締役社長 小島一雄氏
日本土地建物(株)代表取締役社長 平松哲郎氏
森トラスト(株)代表取締役社長 伊達 美和子氏
三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 山代裕彦氏
東急リバブル(株)代表取締役社長 太田陽一氏
住友不動産販売(株) 代表取締役社長 伊藤公二氏
三菱地所リアルエステートサービス(株)代表取締役社長執行役員 湯浅哲生氏
東京建物不動産販売(株) 代表取締役社長執行役員 加茂正巳氏
大和ハウス工業(株)代表取締役社長 芳井敬一氏
積水ハウス(株)代表取締役社長 仲井嘉浩氏
旭化成ホームズ(株)代表取締役社長 川畑文俊氏
積水化学工業(株)代表取締役社長 高下貞二氏
三井ホーム(株)代表取締役社長 池田 明氏
トヨタホーム(株)取締役社長 後藤裕司氏
パナソニック ホームズ(株)代表取締役社長 井上二郎氏
住友林業(株)代表取締役社長 市川 晃氏
東急(株)取締役社長 髙橋和夫氏
(株)西武ホールディングス代表取締役社長 後藤高志氏
ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏
サンフロンティア不動産(株)代表取締役社長 堀口智顕氏
(株)LIXIL住宅研究所 代表取締役社長 加嶋伸彦氏
(株)アキュラホーム 代表取締役社長 宮沢俊哉氏
(株)ヒノキヤグループ 代表取締役社長 近藤 昭氏
(株)さくら事務所代表取締役社長 大西倫加氏
(株)LIFULL 代表取締役社長 井上高志氏

三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏

 謹んで新年のお慶びを申しあげます。
 昨年を振り返りますと、5月に新天皇が即位され、新しい令和時代の幕が開けました。秋にはラグビーワールドカップが開催され、日本代表チームも大活躍するなど、大会は大成功を収め、日本の良さ、素晴らしさが世界に発信されました。その一方で、一昨年に続いて大型の台風や集中豪雨が相次いで発生し、自然災害が常態化・激甚化していることを痛感させられた一年でもありました。

 そうした中、当社グループでは昨年も、国内外の街づくりプロジェクトが着実に進捗しています。当社の本拠地である日本橋においては、3月に「日本橋室町三井タワー」が竣工し、9月には「コレド室町テラス」がグランドオープンしました。オフィスには世界をリードする様々な業種の先進的な企業に入居いただいたほか、「コレド室町テラス」には台湾の「誠品生活」が日本初出店するなど、日本橋に新たな賑わいと街の新しい価値を生み出し始めており、これまで約20年にわたり官民地元一体となって進めてきた「日本橋再生計画」は、「未来に続く、街道の起点」を目指し、昨年より「第3ステージ」に進んでいます。
 7月には当社グループが手掛ける初めての直営ラグジュアリーホテルである「ハレクラニ沖縄」が開業し、ハワイ・ハレクラニで培ったホスピタリティがお客様から高い評価をいただいています。
 海外事業も、ニューヨークで開発中の「50ハドソンヤード」において、フェイスブック社の入居が決定するなど各物件が好調な営業状況であることに加え、欧米・中国・アジアの各エリアにおいて、優良な新規事業案件を獲得するなど、グループ長期経営方針「VISION2025」に掲げる「グローバルカンパニーへの進化」に向け、順調に推移しております。

 さて、今年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催され2020年代の幕開けの年となります。大会期間中は、世界中から多くの方々が来日し、日本の伝統や文化、おもてなしに触れていただく絶好の機会となります。
 当社は「東京2020ゴールド街づくりパートナー」として、日本の街づくりの素晴らしさを世界に発信するとともに、2020年代の日本の姿、当社事業のあり方を描き、実現していく年にしてまいります。
 皆様のこの1年のご健勝とご多幸をお祈り申しあげます。

三菱地所(株)執行役社長 吉田淳一氏

 昨年は、年号が令和へと移り変わり新たな時代を迎えた。2019年は、当社もオフィシャルスポンサーとして応援したラグビーワールドカップが日本で開催され、日本代表が予選4戦全勝で初の8強入りを果たす快挙を成し遂げた。チームプレーで勝利を目指す選手の姿は人々に感動を与え、一枚岩となるONE TEAMの強さを実感した。2020年も、国際的なイベントをきっかけとした訪日観光客の増加や、世界に向けた日本の魅力発信などを通じ、日本経済の更なる発展に繋がる年となることを期待したい。

 オフィス賃貸事業に於いては、昨年竣工を迎えた「リンクスクエア新宿」や本年1月に竣工予定の「コモレ四谷」の好調な新規貸付に引き続き良好なマーケット環境を取り込んでいきたい。国内最先端ベンチャー企業とも協業し、ロボットなどの新技術の活用を行うなどソフト面でも付加価値の提供やブランディング向上を図り、より一層、競争力のあるオフィスを提供していく。また、2020 年代の成長に向けて、「東京駅前常盤橋プロジェクト」に加え「有楽町エリア」のまちづくりにも精力的に取り組みたい。

 分譲住宅事業では、「ザ・パークハウス 恵比寿」や「千住ザ・タワー」など、駅から近くかつ好環境・タワー物件・大規模複合開発といった特徴のある物件に人気が集まった。本年2月上旬販売開始予定の「ザ・パークハウス 高輪タワー」などもすでに多くの反響をいただいている。今後も多様化するニーズに合った物件を供給していきたい。

 商業施設事業では、トレンドである『コト消費』と『インバウンド需要』を取り込んだ各地の「プレミアム・アウトレット」の売上が引き続き好調に推移している。本年春には「御殿場プレミアム・アウトレット」の第4期増設エリア開業も予定しており、引き続いての成長に期待したい。

 昨年は、自然災害による被害への備えを再認識させられる年であった。当社としても、1926年以来三菱地所グループ社員総出で総合防災訓練を実施しているほか、平素より独自の災害対策要綱を策定し、食糧備蓄や災害発生時の非常災害体制の編成など、様々な自然災害に対する備えを行ってきたが、引き続き安心・安全なまちづくりに注力していきたい。

 2020年は、さまざまな空間やサービスに求められる本質的な価値に思いを馳せ、街に住む人、働く人、訪れる人にとって真に価値ある社会の実現に向けて、グループ全体ONE TEAMの精神でチャレンジを続けていきたい。

住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏

 新年明けましておめでとうございます。
 当社は、昨年4月より、これまでの増益路線を継続し、更なる成長を目指す「第八次中期経営計画」をスタートしている。計画の牽引役は今後6、7年で現延床面積の5割超に相当する80万坪を開発するオフィスビル賃貸事業であり、収益拡大を加速させる。

 計画初年度である今期の足元は、大黒柱であるオフィスビル賃貸事業が需給逼迫の好調な市場環境のもと引き続き収益拡大したほか、主力部門すべてが堅調に推移し、通期目標達成に向けて順調な進捗となった。

 一方で、昨今の景況は世界景気の減速を背景に国内景気もやや停滞し、先行き不透明感がより一層強まっている。

 こうした環境下で、持続的な成長という目的達成のためには、固定観念にとらわれず、環境の変化に応じて目指すべき軸からは外れず、柔軟かつ中長期的な発想で、各々の課題に取り組むことが肝要である。
 今年も一年間、明るく元気に全社一丸となって頑張ろう。

東急不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 大隈郁仁氏

 2020年度は中期経営計画の最終年度です。世界的に経済の不透明感が増し、国内では2019年の消費税増税の影響などもあり、国内経済の景況感全体は楽観視できない部分もありますが、不動産業界においては低金利の継続、住宅ローン減税等の政策的支援などに支えられ、都市中心部の利便性の高い地域を中心に住宅やオフィス、ホテルなどの需要は堅調に推移しています。東京オリンピック・パラリンピック後の不動産景気を懸念する声もありますが、私はしばらくこの不動産市場の堅調さは続くだろうとみています。

 2019年はかねてより地元の皆様と開発を 進めて まいりました渋谷駅周辺での 「100年に1度」ともいえる街づくりで一定の成果が上がった年です。まさに2019年は「渋谷の年」でした。3月に「渋谷ソラスタ」、そして10月には「渋谷フクラス」という2つの大型オフィスビルの再開発事業が竣工しました。周辺の地権者の方々などと共同事業で当社の資産をバリューアップすることができました。そして12月には若者の街とされる渋谷にあえて成熟した大人をターゲットにした 商業施設「東急プラザ渋谷」を開業いたしました。今後も当社の重点地域である「広域渋谷圏」への継続的な投資を進めるなど、グローバル都市“TOKYO”の魅力向上を実現して参ります。

 さらに2020年には広域渋谷圏のほか、臨海部にある東京・竹芝で進める大型開発 「東京ポートシティ竹芝」の竣工・開発を予定しております。ここでは当社として過去最大規模となるオフィスビルにはソフトバンクグループの入居が決まるなど、竣工を前に全フロアの契約が完了しております。また、住宅事業では 「ブランズタワー豊洲」 「ブランズタワー大船」など利便性の高い立地での物件開発を進めております。ウェルネス事業ではグループで展開する中長期滞在型ホテルの「東急ステイ」でこれまでの首都圏のほか、金沢や那覇、飛騨高山、函館などインバウンドの動向をにらみ、地方での新店が竣工予定です。そのほかにも太陽光発電や風力発電などの再生エネルギー関連、物流施設、学生専用レジデンスなど様々な事業で竣工を迎える案件が数多くあります。

 東急不動産ホールディングスは2019年8月、渋谷ソラスタに本社とグループの拠点を移し、グループ間のコミュニケーションをより活発にできるような環境や空間を作りました。またサステナブルな成長と企業価値向上を実現するため、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでおり、世界的に注目度が高まっている「SDGs」にも取り組んでいます。新本社移転を契機に、グループとしての新たなステージ、つまり名実ともに「ハコやモノの枠を超えて、ライフスタイルを創造・提案する企業グループを目指すステージ」を加速・強化する時だと考えております。2020年度、さらにその先のポスト2020年度以降という長期的視点でも更なる飛躍につながるよう、グループの総力を挙げて邁進していきたいと考えております。本年も東急不動産ホールディングスをよろしくお願いします。

東京建物(株)代表取締役社長執行役員 野村 均氏

 「令和」を迎えた昨年、企業業績の底堅さや政治の安定等もあり、緩やかな景気回復基調が続いた。不動産業界においても、賃貸オフィス市場は好環境が継続し、分譲マンション市場は利便性の高い立地における高品質な物件を中心に堅調に推移した。
 しかし、大国間の貿易問題や地政学的な不安要素は払拭できておらず、景気動向は予断を許さない状況にある。また、近年は各地で多数の自然災害が発生している。不動産会社として十分な検証を行い、いち早く街づくりや建物のハード・ソフト両面にその対応策を取り入れていかなければならない。

 そうした中、昨年は「(仮称)八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」が都市計画決定され、先行して進む「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業」に続き、「東京駅」前の顔となる大規模再開発プロジェクトが動き出した。加えて、開発中の「Hareza(ハレザ)池袋」では、「東京建物 Brillia HALL」が11 月に先行オープンし、歌劇や歌舞伎など様々な公演が始まっている。今夏には、メインとなる33 階建てオフィス棟「Hareza Tower」が稼働し、池袋の新たな賑わい拠点として、いよいよグランドオープンする。さらに「(仮称)北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト」など、当社グループのノウハウをつぎ込んだ大規模プロジェクトが竣工を迎える。

 また、昨年は当社にとって5年に亘るグループ中期経営計画の最終年であった。
 現在決算作業中ではあるが、営業利益500 億円という目標を達成できる見込みである。本年2月には、新たな中期経営計画を発表する予定であるが、業績の持続的な成長のみならず、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の推進がますます重要になってきている。我々東京建物グループ各社の役回りはそれぞれであるが、社員一人ひとりが「稼ぐ力」を磨きつつ、事業を通じてお客様や社会が求める課題の解決に貢献していくという意識をもって、日々の業務に取り組んでいってほしい。

■野村不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 グループCEO 沓掛英二氏

 私は昨年の年頭に、不動産業を取り巻く大きな変化に対応すべく、経営も社員も「腹を括った戦略と明確な目標」をもって行動していくという話をしました。
 その思いは、経営として、新たな中長期経営計画の中に明確な戦略として盛り込み、既にスタートしています。当計画では、野村不動産グループ全体で「新たな付加価値の創造」を推進することを大きく掲げるとともに、「高い資産・資本効率の維持・向上」、「株主への総還元性向40~50%」を表明し、実践しています。

 本年の私からのメッセージは、社会や都市・街の進化に呼応して、野村不動産グループの 「進化」を追求する年にしたいということです。

 2020年は東京オリンピック、パラリンピック開催の年であり、メトロポリタン東京が益々国際レベルでの進化、発展を遂げていく、まさにその大きなうねりを目の当たりにする象徴的な年となりますが、同時にオリンピック後の日本や世界を見据える年でもあります。
 ラクビーワールドカップでも見られたように世界中から人々が集まり、世界に東京・日本の魅力が発信される一方で、インフラや東京の都市機能の発展、5GやICTの進化、人々のコミュニケーションのさらなる多様化など、ライフスタイルやワークスタイルの劇的な進化が加速していく年となるでしょう。
 また、日本における「超高齢社会」「人口減少」「世帯構成トレンドの激変」は、ライフスタイル・ワークスタイルの変化をさらに加速させる要因となります。これは、首都圏に限らず東名阪、地方中核都市においても同様で、我々はこうした変化に対応し、開発能力の進化、品質の進化、不動産を取り巻くサービスの進化、環境や街づくり、コミュニティの進化を、ハード、ソフト、ICT 等を有機的に連携させながら図っていかなければなりません。
 海外に目を向けると、アメリカのNY をはじめとした世界各国の「大都市の進化」はさらに進みます。アセアンの新興国の大都市の進化は、都市部への人口流入をベースにさらに目覚ましいスピードで動いています。

 こうした中で、お客様に対して、また社会に対して、当社グループが新たな付加価値を創造し、提供していくことは、我々のサービスが、社会・都市・街・の進化に呼応してまさに「進化・発展」していくことにほかなりません。本年は、我々の発想を劇的に変える認識を強く持ち、野村不動産グループの 「進化」 を追求し、事業に邁進してまいりたいと思います。

森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏

 2020年は「挑戦と進化の年」だ。

 長年にわたり取り組んできた大規模都市再生プロジェクトが、いよいよ現実の街としてその姿を現そうとしている。複数のヒルズがつながることで、我々の戦略エリアの全貌も見えてくる。我々は、今年、今までとは違うステージに足を踏み入れようとしている。

 「虎ノ門ヒルズエリア」では、「ビジネスタワー」がいよいよ4月に開業を迎え、日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」も6月に一部開業する。「レジデンシャルタワー」と「(仮称)ステーションタワー」の工事も順調に進捗中だ。多様な機能を組み合わせ、様々な仕掛けをすることで、エリア全体を「国際新都心・グローバルビジネスセンター」へと進化させる。「虎ノ門・麻布台プロジェクト」は、コンセプトの「ModernUrban Village~Green & Wellness~」を具体化させていく。「地球環境問題」や「豊かな健康」は、都市の未来を考えるうえで極めて重要なテーマだ。「六本木5丁目プロジェクト」も、都市計画提案に向けて全力で推進していく。

 今、森ビルの社員は、大きく成長できる環境と、いろいろなことに挑戦できる局面にいる。これだけ多くのプロジェクトが同時並行で動いているからこそ、たくさんのノウハウを吸収して成長できるし、若手にもチャンスが巡ってくる。また、これほど急激にいろいろなことが変化している時代には、既成概念を覆すような挑戦や提案も受け入れられやすい。挑戦や進化のタネはあらゆるところにある。とにかく自分で考えてやってみる、変えてみることだ。実際にやってみるとたくさんの問題に直面するが、諦めずに目的を達成したときの成長と喜びは格別だ。

 新しいことに挑戦する人や、物事を進化させていける人には、未来を見ようとする姿勢や、いろいろなことに対する強い好奇心がある。社内の至るところにそうしたエネルギーが渦巻いている会社になって欲しい。そういう組織になった時、森ビルはますます森ビルらしく進化できるだろう。

三菱地所レジデンス(株)取締役社長 脇 英美氏

 2019年の分譲マンション市場は、駅から近くかつ好環境・タワー物件・大規模複合開発といった特徴のある物件やコンパクトマンションに人気が集まった。
 その中で当社においては、交通利便性を基礎条件に、多様化するニーズに合った物件を供給することで堅調に推移し、2019 年の供給戸数は約3,500戸であった。「ザ・パークハウス 恵比寿」「ザ・パークハウス 高輪フォート」「ザ・パークハウス 浅草」などは引き合いも多く、早期のうちに完売した。
 直近で契約を開始した「ザ・パークハウス 市ヶ谷」など新規物件の引き合いも順調で、「ザ・パークハウス 高輪タワー」などもすでに多くの反響をいただいている。
 立地とニーズに適う物件を継続して提供することで、堅調な需要に応えていきたい。

 2019年は「平成」の時代が終わり、「令和」がスタートした。令和元年は、自然災害に見舞われた1年でもあった。三菱地所は、関東大震災の際、飲料水の提供や炊き出し、臨時診療所の開設などを行った。
 三菱地所グループでは、その経験から、以来90年にわたり災害に備えることの大切さを強く認識してきた。その安心・安全へのこだわりは当社のマンション事業にも引き継がれ、地域を巻き込んだ三菱地所グループの防災倶楽部の活動なども行っている。引き続き、街づくりを担う私たち一人ひとりが日々できることを考え、アイデアを出し合って災害への備えに向き合っていきたい。

 2020年の住宅市場においては、単身・共働き・シニア世帯の増加などニーズが多様化し、選別の厳しいマーケット環境であるが、その中で当社が選ばれ続けるために、今まで以上にお客様に密着したモノづくりを行っていきたい。また、これから購入していただくお客様だけでなく、すでに購入され、住まわれているお客様の生活目線での不足、不満といったニーズを汲み取り、モノづくりに反映していくことも必要になっていく。全社員の知見を集積し、資産価値の高い「一生もの」のマンションを供給すべく、お客様のニーズに沿ったモノづくりに取り組んでいきたい。

(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 辻 範明氏

 明けましておめでとうございます。

 昨年を振り返ると、一昨年と同様に大きな災害が発生した年でした。首都圏においては台風19号による河川の氾濫等で膨大な数の家屋が浸水する被害が発生しました。また、タワーマンションが浸水による停電で生活ができなくなる被害を受けるなど、今までの地震対策に重きをおいてきたマンションの災害対策に一石を投じることになりました。一昨年の西日本豪雨や関西国際空港が浸水した台風21号などと併せて自然災害が激甚化しています。改めて安全・安心な住まい、災害に強い住まいとしてのマンションの提供という、長谷工グループが行う事業の社会的意義を強く感じる年となりました。

 マンション市場については、2018年は首都圏で約3万7千戸のマンションが新規供給されましたが、2019年は約3万1千戸と15%減少した模様です。関西圏についても約1万7千戸と20%の減少となっており、市場の縮小傾向は顕著となっています。

 デベロッパー各社は新築分譲マンション市場が徐々に小さくなることを踏まえて、学生マンション、民泊、シニア分譲などの分野拡大やベンチャー企業との協業によるAIなど最新技術の活用など、事業環境の変化に対して様々な手を打っています。当社グループにおいても、他社に負けないスピードと創意工夫で時代の変化に対応していく必要があります。

 今年のキーワードは、“迅速果断(じんそくかだん)”とします。その意味は「何においても素早く決断し、思い切って物事を行う」ということです。
 時代の変化が激しい時にあまり一つのことを考えすぎるのではなく、素早く行動に移す。グループの成長に伴い組織も大きくなり、会社・部署により程度の差がありますが、全般的に意思決定や行動のスピードが遅くなってきていると感じています。上下間でコミュニケーションを密に取り、上司は部下からの報告・相談があったときに素早く方針を出して行動してください。
 当社グループには「走りながら考える」文化があります。全員でこの文化に磨きをかけられるようにそれぞれの立場で考えて欲しいと思います。

 これから数年は我慢の時期になると思いますが、新しい事業の種を蒔いて、再び成長を描けるように、今年一年“迅速果断”に皆で頑張りましょう。

(株)大京 代表取締役社長 小島一雄氏

 昨年は、消費税率の引き上げなど、国内外でさまざまな出来事がありましたが、我々の事業環境は概ね良好でありました。しかしながら、従来のセオリーでは説明のできない現在の金融市場やアセット価格の上昇等については、引き続き注意が必要だと感じています。

 今年はオリックス不動産を中核とする新体制で動き出す年となります。新運営体制では、様々な面でスピードを落とさず、かつプラスの効果を追求していくことを目指します。大京においては、新築マンション開発をはじめ、全ての事業に渡ってメインのマーケットである三大都市圏でのシェアの拡大を目指します。また、すでに着手しているマンション以外の資産の積み上げを加速させるなど、BtoBビジネスへも積極的にチャレンジしていくことによって、これまでにないアセットの積み上げも図ります。

 昨年は変化のきっかけの年にしたいという話をしましたが、今年は戦略策定から実行フェーズに移していくことで具体的に何かを生み出していく、そんな一年にしたいと思います。

■日本土地建物(株)代表取締役社長 平松哲郎氏

 2020年の不動産市況は、引き続き働き方改革への取り組みなどによる実需、低金利環境下での相対的に高水準のイールドギャップなどを背景に堅調に推移するとみられるが、東京五輪後の反動落ち、米中貿易摩擦を背景とした輸出減速や設備投資の手控えなど懸念材料も多く、楽観はできない。

 当社は本年4月1日に中央不動産と経営統合し、「中央日本土地建物グループ」として新たにスタートする。まずは、統合効果を最大限に発揮させ、厚みを増す経営基盤をベースとした戦略的な投資を内外で推進するとともに、スタートアップ企業との連携やデジタルトランスフォーメーションなど時代の変化に応じた新分野へも積極的に取り組みたい。役職員の積極果敢な挑戦を大小問わず後押し、加速させる風土を組織に醸成し、現状に甘んじることなく、未来志向を強く持ち、新境地を切り拓く統合元年としたい。

森トラスト(株)代表取締役社長 伊達 美和子氏

 新年明けましておめでとうございます。

 令和という新しい時代を迎えた昨年は、企業の移転・増床ニーズや、ワーカーの多様な働き方を支援する動きが強まったこともあり、オフィス市場は好調に推移しました。ホテル市場については、日韓関係の悪化や大型の台風上陸など外部環境の影響を受けながらも、ラグビーW 杯の開催により世界中のラグビーファンが日本を訪れたことで宿泊需要が活況を呈し、五輪開催に向けて大きな手応えを掴んだと言えます。2020年、森トラストグループは、持続可能な経営をめざし、今年の東京五輪とその先の不動産業界を見据え、各事業を力強く推進してまいります。

 不動産事業では、「東京ワールドゲート」が竣工を迎えます。これに先駆け、港区・神谷町エリアを盛り上げるため昨年発足した「まちづくり推進室」を中心にクリエイティビティを高める多彩な空間構築と、コミュニティ活動やエリアイベントによる共創・共栄の持続可能な街づくりをすべく計画を進めています。国家戦略特区に認定された「(仮称)赤坂二丁目プロジェクト」(2025 年度竣工予定)の計画の具体化も進めており、五輪の先のプロジェクトにも着手していきます。

 ホテル&リゾート事業では、従来より「都心でも地方でも」をスローガンに、グローバルスタンダードの外資系ホテルの誘致開発を推進してきました。そして、 2017 年に打ち出した『ラグジュアリー・ディスティネーション・ネットワーク』構想のもと、国内主要リゾート地にある6つのラフォーレ施設をマリオット系列ホテルへリブランドし、2018 年には沖縄の伊良部島に「イラフSUI ラグジュアリーコレクションホテル 沖縄宮古」を開業しています。本年は、東京ワールドゲート内の「東京エディション虎ノ門」とともに、「JW マリオット・ホテル奈良」、「ヒルトン沖縄瀬底リゾート」の3ホテルを開業します。こうしたホテルを、都心のみならず日本全国に増やしていくことで、地方旅行者の受け皿の拡充に貢献するとともに、地域活性化の一助になることを期待しています。

 2020年は、これまで固めてきた地盤に複数のプロジェクトが成就し、更なる飛躍を遂げる年だと捉えています。先を見据えた事業を着実に推進するとともに、変化する不動産業界において新たな付加価値を提供していくため、固定概念にとらわれず、オープンイノベーション、スマートテクノロジー、ウェルネス、そして人財育成等に取り組み、五輪の先を見据えた持続可能な経営戦略立案につなげていきたいと考えています。

 森トラストグループは、コーポレートスローガン『Create the Future』を旗印に、時代の変化に適応した柔軟な発想とアプローチで、経済発展と社会課題の解決を両立する「Society5.0」の実現に貢献してまいります。

三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 山代裕彦氏

 年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年、新たな元号「令和」に改元された日本の経済は、世界経済減速の影響から輸出が力強さを欠いたものの、雇用や所得環境の改善が続き、堅調な内需を中心に緩やかに回復しました。

 このような状況のもと、当社の不動産流通事業は、全国売買仲介取扱件数が前年を上回り、堅調に推移しました。また、2019 年度上半期には累積売買仲介取扱件数が95万件を超え、100万件まであと少しというところまできました。事業開始から25周年を迎えた駐車場事業においては、昨年3月に全国47都道府県全てへの展開を完了し、時間貸駐車場の地数・台数ともに拡大しております。カーシェアリング事業においても前年から会員数を大きく伸ばし、首都圏・関西を中心に事業を拡大しました。

 昨今、ICTが急速に進化し、スマートフォンやタブレットの利用が浸透したことで、Web上で場所を選ばず手軽に多くの情報を得られるようになりました。こうした流れを受けて昨年当社では、マンションの推定成約価格をWeb上で提示する「リハウスAI査定」や、間取りを軸にした物件検索ができる「間取サーチAI」など新たなサービスの提供を開始しました。今後も引き続き、デジタル技術の活用を一層強化して、お客さまのニーズに応えるサービスの提供に向けて取り組んでまいります。
 また、グローバル化や少子高齢化など社会の状況は刻々と変化しており、お客さまのニーズは多様化しています。当社は、社員一人ひとりが自己研鑽に励み、多様化するニーズに合わせて付加価値のあるサービスを提供できる力を身につけ、お客さまに最善を尽くしてまいります。

 当社は、昨年7月に50周年を迎えました。お客さまをはじめとする多くの皆さまのご愛顧、ご支援の賜物と心より感謝を申し上げます。この先の50年も選ばれ続ける企業であるために、住まいや街の価値を活かす質の高いサービスを提供していくことで、お客さまや社会のより豊かな未来の実現に貢献してまいります。

 最後になりましたが、本年も皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

東急リバブル(株)代表取締役社長 太田陽一氏

 新年、あけましておめでとうございます。
 令和の新年を迎え、この10年間3つの業界No.1を目指し、「お客様評価」「事業競争力」「働きがい」の3つを好循環させてプレゼンスを高めてきたことに誇りを持ちたいと思います。そして、皆さん一人ひとりの努力に感謝します。

 この10年間はリーマンショック後の経済全体の成長基調の中でのマーケット拡大を捉えたものでした。また、中古住宅市場の拡大を背景に不動産流通企業が成長してきた環境にありました。しかし、我々を取り巻く環境は、AI・ITの進化により情報獲得やマッチングなど今まで提供してきた価値が置き換わってきています。また、人材の確保や不動産投資市場の激化など、さまざまな課題が明らかになってきました。
 現在当社で取り組んでいる生産性を高めるための施策や、不動産情報を最有効活用する「マルチバリュークリエーター戦略」、AI・ITの活用と働き方の工夫で一人ひとりの仕事をより価値のあるものにする「働き方改革」、これらは課題に向けた処方箋と行動です。ぜひ積極的に取り組み、その行動の中で修正していく勇気をもって臨みましょう。

 我々の未来が、皆さんにとって心地よいものになること、誇りを持てるものを目指さなければなりません。そのために今の役割と取り組みを全うすることが我々に課された仕事です。共に頑張りましょう。

住友不動産販売(株) 代表取締役社長 伊藤公二氏

 新年明けましておめでとうございます。

 年頭にあたり、今年の心構えとして皆さんと共有したいことは「お客様の視点に立って業務を見直す」こと、そして「自らを変革し、成長する」ことです。
 不動産流通市場は、住宅ローン金利が低水準で継続し、税制など諸政策の後押しもあって堅調に推移しており、更なる市場拡大の途上にあります。
 そのような市場の中で、昨年当社は新たな取組みとして、高まる都心マンション需要に応えるため、「マンションプラザ」を立上げました。さらにお客様の需要に応えていくためには、従前の慣習から飛び出す、コペルニクス的発想の転換が必要です。
 自らの今までの業務を見直し、改善すべき点があれば変革を厭わず、すぐに取り組んでください。そこに成長があり、社員一人一人が成長することで会社も成長します。

 当社は経営方針で「顧客第一主義」を掲げています。大切なのは「お客様視点」「変革し成長する」ことです。お客様の信頼を勝ち取って、シェアを伸ばしていくために、より一層努力していただきたいと思います。
 最後に、昨今、企業の法令違反や不祥事が頻発し、改めてコンプライアンスの徹底が求められています。全社員がこれまで通り法令遵守に努めることをくれぐれもお願いします。

三菱地所リアルエステートサービス(株)代表取締役社長執行役員 湯浅哲生氏

 新年明けましておめでとうございます。年末年始は9連休で、みなさんそれぞれにゆっくり過ごせたことと思います。今年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催され、本格的に令和の時代がスタートする節目となります。干支では「子歳」、「庚(かのえ)・子」の歳で、植物の循環系を表す十二支に照らすと種子の中に新しい生命が兆し始める状態を指すようです。これは、新しいこれまでにはなかった場所に向かうという転機になると捉えることができます。当社もぜひこれにあやかりたいと思っていますが、そのためにも当社は当社らしく、大いなるチャレンジを具体的に果たしていくことで、当社のステージを変える画期、いわゆるエポックメイキングの1年にしたいと思っています。

 景気やマーケットについては、ここ数年来の基調と変わらないとみています。引き続きの米中問題、ブレグジット、消費税後の実経済への影響、オリンピック後の反動、直近では急激に緊迫してきている中東情勢等々、新旧の波乱要因が相変わらず数多くあります。そのどれかが大きく振動すると次々に連鎖リスクがありますが、内容を少しずつ変えながら引き続き従来と変わらず、金融環境も当面変わらないと思っています。寧ろ長年続いている制度疲労にもかかわらず、先送り的取り繕いの施策外交が世界中行われることによりなんとか安定を保っているという状態ですので、このボディブロー的な負の効果が出始める懸念について、前触れのまだら模様や潮目の動きに、これまで以上に敏感に注意し、それなりの準備をしておく必要があると感じております。

 先ほどのチャレンジの中身について申し上げます。
 先ずはラスト直線に入った今期予算の達成です。ストレッチ目標としてスタートした営業利益25億ですが、挽回の動きがかなり活発になってきています。当社持ち前の粘り力を存分に発揮し、是非とも達成に向けて前期に勝ち得た自信をより本物に近づけられるよう、全員でゴールまでばく進して行きたいと思います。

 次に、次期成長戦略「ポスト2020」策定について、21年度からの10年を当社は何処に向かうのか、如何に構え、如何に存在価値を確立していくのか、中長期の当社の骨格を一年かけて纏め上げていきたいと思います。昨年6月より、取りまとめた諸課題と整理整合したものを議論のベースとし、経営層によるワーキンググループ作業を始めています。大きくは事業展開上のビジョンと戦略、各部門の営業戦略と戦術、人事・人材面の戦略と施策になります。企業にとっては「要」をなす内容となりますが、ここはいま一度プロの観点を持ち総括をきちんと行い、課題認識を見直すことで、会社全体としての意思が最大限に反映され、全社員の肝にきっちり据えられるよう進めて行きたいと思います。

 いずれも非常に重要で且つ難度の高いチャレンジですが、コンプライアンス同様、全社員一人一人が自分事、お互い事としてプロ集団に相応しいチャレンジ、納得がいく着地を目指して一丸となって頑張って行きたいと思います。よろしくお願いします。

東京建物不動産販売(株) 代表取締役社長執行役員 加茂正巳氏

 本年は東京建物グループとして2020年からの「中期経営計画」を新たに策定し、始動する年となる。

 当社の役割は、「東京建物グループの最前線」として、グループシナジーを最大限発揮するためのハブ機能を果たすことに注力し、東京建物グループ全体の価値を高めていくことである。そのためには、顧客のニーズを最前線で汲み取る仲介事業を軸に、アセットソリューション事業・賃貸事業の三つの事業が互いに連携することで、当社ならではのソリューションを顧客に提供出来るという当社の強みを最大限に発揮出来るよう、これまでに取り組んだ様々な施策をさらに深化させていく。

 また、顧客ニーズの変化やシステム技術の進歩を的確に捉え、新しい発想やテクノロジーを取り入れていくことで、着実な進化を目指していく。

大和ハウス工業(株)代表取締役社長 芳井敬一氏

 昨年は元号が「令和」へと代わり、歴史的な節目の年となりました。一方、台風や豪雨など各地で自然災害が猛威を振るい、多くの被害に見舞われた年でもありました。住宅業界では10月に消費税増税が施行され、新設住宅着工戸数への影響は限定的であったものの、依然として力強さに欠ける状況が続いています。このような中、当社においては多くの不祥事を起こしてしまい、お客様をはじめ、関係者の皆様にはご迷惑とご心配をおかけしました。

 新年を迎え、創業65年目を迎える当社の新たなスタートに際し、私が本年掲げる一文字「革(かく)」をテーマに三点、皆さんにお願いがあります。

 一つ目は、「改革」です。これは「革」がもつ意味「たるんだものを建て直す」の実践です。今、まさに社員一人ひとりが不祥事を二度と起こさないよう、法令遵守の下、ルールに則った業務を行う「凡事徹底」が求められています。
 また、働き方改革の実践も喫緊の課題です。中でも、現場の技術者不足の解決策として、デジタル技術によるデジタルトランスフォーメーションやAI・IoT の活用によって、省人化や無人化に取り組み始めています。加えて、東京五輪中は東京を中心に大規模なテレワークの実施など、この機に職場環境の改善に取り組みます。既存業務の効率化と改革を進めるため、皆さんが新たな働き方のアイデアを出し合うことで、「より良い会社」にしていきましょう。

 二つ目は、「変革」です。創業者 石橋信夫は「企業は三十年、次を背負う事業をつくれ」と説きました。つまり、我々役職員は時代にあわせて事業を「変革」していくことが求められています。かつて当社が開発したニュータウン「ネオポリス」は時が経ちオールドタウン化しています。世の中がモノの消費からコトやトキを消費する時代に変化していく中で、当社が開発した街を再耕する「リブネスタウンプロジェクト」を通じてサステナブルで、次代につながる街づくりに挑戦してください。

 最後は事業の原点である人財育成の「革新」です。わが国を取り巻く政情が不安定な時期ですが、このような不透明な時代を生き抜く力を、役員・管理職の方々は、ぜひ部下に教示いただきたいのです。社業が発展していく中で、当社は幾多の試練を乗り越え、今日に至っています。これまで当社を支えてきた管理職以上の皆さんが若手社員にこの厳しい環境に打ち勝つ力が備わるよう、働きかけてください。

 本年、当社は、これまでの仕事の仕方をあらためる「革(かく)」の時代を迎えました。この時代を生き抜くためにも、我々役職員は将来の大きな「夢」を持ち、それに向かって前進し続けてください。皆さんの成長をとても期待しています。この難局を共に乗り越えましょう。

積水ハウス(株)代表取締役社長 仲井嘉浩氏

 新年、明けましておめでとうございます。
 昨年は多数の台風が襲来しました。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、1日でも早く平時の生活に戻っていただけるよう全社を挙げて支援してまいります。

 さて、東京オリンピック・パラリンピックが開催される日本全体にとって、また積水ハウスにとっても節目となる2020年がスタートしました。今年は、当社にとって創業60周年という記念の年であり、第5次中期経営計画を発表して、新たな成長ステージへと向かう出発の年でもあります。
 当社の第1フェーズとなる創業からの30年間は、不足していた住宅の量の確保に尽力するとともに、お客様の命と財産を守るシェルターとしての役割を果たすため、「安全・安心」な住宅の供給に努めてきました。
 第2フェーズ、1990年からの30年間では、「快適性」を追求してきました。1990年に「総合住宅研究所」を開設し、ユニバーサルデザインや「5本の樹」計画、スローリビング、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)など、住みやすさを実現する多くの研究開発に取り組むとともに、六甲アイランドでのまちづくりなど、都市における「快適性」にもチャレンジした時代です。
 そして、2020年からの第3フェーズでは「『わが家』を世界一幸せな場所にする」というビジョンのもと住まい手に寄り添い、幸せな毎日を提案・提供する「幸せづくりのパートナー」を目指します。

 2019年は「幸せ」を提供するための準備の一年でした。「幸せ」を研究する機関として発足した住生活研究所の研究成果を生かした「ファミリースイート」を発売し、約5割のお客様に採用いただくなど好評です。米国で開催された「CES2019」において「プラットフォームハウス構想」を発表しました。本年も「CES2020」に出展して、「プラットフォームハウス構想」の進捗について発表します。お客様に人生100年時代の「幸せ」を提供するためのイノベーションを起こしてきたいと考えています。

 私は「イノベーション&コミュニケーション」を合言葉に改革に取り組んでいます。イノベーションを起こすには、多くの社員のアイデアが必要です。会社を変えるアイデアは、最前線で働く社員が一番持っていると確信しています。
 そして重要なのがコミュニケーションです。事業所内、事業所間、社内外、国内外のコミュニケーションが活発になればなるほど、イノベーションが起こります。それだけでなく「ベクトル」を共有することが可能となり、ガバナンス強化にもつながります。
 2020年も全社の「ベクトル」を合わせ、コミュニケーションを活発にとり、お客様に新しい価値を提供するNEXT積水ハウスをグループ全員でつくってまいります。

旭化成ホームズ(株)代表取締役社長 川畑文俊氏

 昨年のわが国は、個人消費や設備投資に持ち直しがみられるなど、緩やかな回復基調が持続する一方で、国際通商環境の不透明さも続きました。住宅市場では消費税増税への反動減対策を措置頂いたことで、増税の影響は小幅に収まったものの、楽観視できない状態が続きました。また、近年頻発している自然災害は、今後も繰り返されていくと考えられ、安心・安全なストックの充実も喫緊の課題となっています。

 当社は今年度、「Challenge&Growth」をコンセプトにグループ事業横断で成長を目指す中期経営計画を策定しました。被災住宅の一日も早い復興と同時に、災害に負けない住まいや街づくりにつとめたほか、新マスターブランド「HEBEL HAUS」のもと、人生100年時代にふさわしいLONGLIFE(ロングライフ)を目指し、人びとの「いのち・くらし・人生」全般を支える新たな施策の展開をスタートしました。

 当社はこれからも世の中から必要とされ、感謝され、愛され続ける企業を目指してまいります。

積水化学工業(株)代表取締役社長 高下貞二氏

 あけましておめでとうございます。
 新しい年、2020年が始まりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 2020年―――まさしく積水化学グループにとっては節目の年であります。
 現中期経営計画「SHIFT2019 -Fusion-」の最終年度、仕上げの年であり、新たに10年先の未来に向け飛躍を描く長期ビジョンと、その第一歩としての3年間の中期経営計画をスタートし、実行に移す年であります。
 まずは現中期の残り3ヶ月をグループ一丸となって、団結力と総合力で、3カンパニーとメディカルの全セグメント増益を達成し、初の営業利益1000億円突破、各段階利益で最高益更新をやり遂げたいと思います。
 昨年グローバル経済は米中貿易摩擦に翻弄され、国内では消費増税、相次ぐ甚大な自然災害など、経営環境は極めて厳しい風が吹き続けた一年でありました。そのような環境下、積水化学グループはESGを経営のど真ん中に据え、新次元の成長を目指し成長路線へのSHIFTに取り組んでまいりました。
 戦略投資(M&A、増産)など成長投資は着実に実施、また新製品・新事業も融合により売上増分を創出し、新次元の成長に向けた量的成長(トップライン成長へのシフト)は実現できたと思います。

 一方、質的転換に向けては収益性改善のスピードに課題を残したと思います。需要変化(エレクトロニクス、車輌)に備える構造改革の前倒しが必要と認識しています。投資効果(リターン)の早期発現とさらなる構造改革の加速が必要です。

 これから10年、新しい時代には、いよいよ「不都合な真実」が今まで以上に顕在化してきます。地球温暖化、グローバル化の後退、自国主義、超高齢社会、労働人口減少、人手不足、インフラ老朽化、相次ぐ災害、安全・安心・健康へのニーズと、社会課題は山積みです。
 これらの不確実性、リスクの中で、社会からは課題を解決し、繁栄をもたらす事業が求められています。
 積水化学グループはその要請に真正面から取り組み、社会課題解決に貢献する製品、技術、サービスをイノベーションで創出していくことにより、将来にわたり企業の競争力を強め、社会になくてはならない存在感のある企業になることができます。次期中期では、この力をさらに磨き上げる打ち手を講じていきます。

 ビジネスにとってどんな過酷な未来が訪れても、そのリスクに対応し、課題解決を事業機会として捉え、イノベーションを起こす。そのことを通じて社会に貢献していく。それが積水化学グループの持続的成長につながります。
私はESG経営に積水化学グループの未来がかかっていると思っています。
 足元の実績を一歩一歩着実に積み重ねるリアリズムを持ちつつ、未来と現実のバランスをもって取り組みを進めます。
 ESG経営で実現したいのは、社会にとって、真に価値ある企業グループであり、私たちの事業が成長すればするほど社会がより持続可能になる未来です。この目標に向かい、皆様と共に前進していきたいと思います。

 新たな一年が皆様にとりまして、希望あふれる年となりますことを心より願い、年頭のご挨拶とさせていただきます。

三井ホーム(株)代表取締役社長 池田 明氏

 令和2年の年頭にあたり、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。昨年は、日本各地で大きな自然災害が発生し、甚大な被害をもたらしました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますと共に、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。当社は今回の自然災害に直面し、住宅メーカーとしてあらためて「安全・安心」な住まいづくりに尽力するという重要な使命と責任を認識いたしました。

 昨年の住宅マーケットは、5年半ぶりに消費税率が引き上げられるなど、事業環境が大きく変化した一年でありました。幸いにも政府の増税対策が奏功し、戸建住宅に関しては前回増税時ほどの駆け込み・反動減は見られなかったものの、増税による生活全般での負担感や、米中貿易摩擦等による海外情勢の先行き不透明感など、消費マインド減退につながる動きが顕在化してきていることは懸念されるところです。また中長期的には、少子高齢化や人口減少などを背景に、住宅マーケットは緩やかに縮小すると予測されていますが、我が国の住宅ストックの現状を見ると、耐震性、断熱性、バリアフリー性等、質の面の改善が必要な住宅が未だ多く、ストック社会の実現に向けて良質な住宅ストックを形成していくためにも、当社の果たすべき役割は大きいと認識しております。

 このような事業環境の中、当社はおかげさまで昨年創立45周年を迎えることができました。今まで支えていただいた多くの皆様に感謝いたすとともに、さらなる成長を期して、会社創成期、上場期に続く第3ステージと位置付けた様々な改革をスタートいたしました。本年も心あらたに、持続的な成長に向け、真摯に課題解決に取り組んでまいります。

 主力の注文住宅事業では、当社の強みである、耐震性・断熱性・耐久性など「プレミアム・モノコック構法」の優れた基本性能はもとより、デザイン力、技術力に磨きをかけ、付加価値の高い商品開発と様々な面でのクオリティ向上に努めることで、三井不動産グループ共通の理念である、時を経るほどに価値を増す『経年優化』の考え方を具現化するハイクオリティな住まいづくりに注力してまいります。

 また、成長分野と位置付ける施設系事業の強化に加え、リフォーム・賃貸管理などのストックビジネス、北米圏における海外事業の拡大により一層の飛躍を目指すとともに、三井不動産グループとの連携を強化し、多様化するお客様のニーズにワンストップで様々なソリューションを提供することを通じて、より多くの事業機会を獲得してまいります。
 今後とも変わらぬご愛顧、ご支援賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

トヨタホーム(株)取締役社長 後藤裕司氏

 2019年の住宅市場は消費増税の影響などで大変厳しい一年となりました。
 また自然災害も多発し、被災された皆さまには改めてお見舞い申し上げます。
 当社は昨年4月に新コンセプト「災害にいちばん強い家を。」を導入し、災害発生後も安心して暮らせる住まいを訴求してまいりました。戸建事業についてはこうした取り組みにより、お客さまの安全・安心のご要望にお応えするとともに、ストック事業を中心に事業の多角化を推進してまいりました。今後もトヨタホームの強みを磨き、トヨタグループの一員らしく技術力、原価低減活動を一層強化してまいります。

 2020年は新会社「プライム ライフ テクノロジーズ株式会社」が発足します。
 トヨタ自動車が進めるモビリティサービスへの取り組みと、パナソニックが進める「くらしのアップデート」への取り組みを融合させ、街全体での新たな価値の創出を目指す街づくり会社です。トヨタホームはこれまでに培った技術力、モノづくりの力、街づくりのノウハウなどを活かし、新たな仲間と連携してまいります。
 創業の精神である「日本の住まいをよくしたい」、そしてブランドビジョン「Sincerelyfor You ~人生をごいっしょに。~」を踏襲しつつ、これまでの常識の枠を飛び越えて、様々な改革にチャレンジしていく会社を目指します。

パナソニック ホームズ(株)代表取締役社長 井上二郎氏

 新年あけましておめでとうございます。
 今年は自分が子年の年男ということもあり、今後の会社人生についても色々と考える中で、これまでの当社の存続や今後の生成発展に向けて、自らが成すべきことが何なのかを深く見つめ直す一年のスタートとなりました。

 そして今年は、明日(1月7日)、いよいよ新会社プライムライフテクノロジーズ株式会社が設立されます。当社をはじめ、住宅会社と建設会社5社から構成されるこの会社は、傘下の会社全てが既存事業からの脱却を目指し、パナソニックとトヨタ自動車のリソースを、街・住宅・暮らしを通じて新しい価値を実現するブランドとして相応しい存在に進化していかなければなりません。

 これまで通り、社名やブランドに変化はありませんが、こうした環境変化の中でも、パナソニックホームズの存在価値を高めるためには、技術と暮らしの融合により事業を変革する存在になるべきと考えます。だからこそ、自分たちが持つアイデンティティ「暮らし」の原点に立ち返り、松下幸之助創業者の思い“良家づくりで、どこよりも安心で幸せな人生を提供する”を、今一度大切にすることが肝要ではないかと思います。
 ありたい姿に向けて、今年も引き続き、パナソニックグループの総合力を発揮し、お客さまの住まいと暮らしに寄り添い「CSNo.1」を目指していきますので、皆さんも、こうした会社の方針や思いを理解し、自らの業務において常に実践を続けてください。

 一方で、近年の企業社会においては、労働災害やコンプライアンス、働き方改革等のガバナンスや進化がより一層求められています。“働きがい”は、安全で安心して働ける職場から生まれます。従業員満足度の向上なくして「CSNo.1」は成し得ません。これらについてもしっかりと認識の上、適正な企業活動の実践に取り組んでください。

 「CSNo.1」を目指すことにこだわりつつ、新しい体制・新しい環境においては、常に互いを尊重し、学びあい、強い思いを持って目標にチャレンジしてください。プライムライフテクノロジーズグループにおいて存在感の高い会社を全員で作っていきましょう。

住友林業(株)代表取締役社長 市川 晃氏

<一部抜粋>

 元号は平成から令和に移っても、当社グループのやるべきことは変わりません。企業に求められているのは持続可能性です。企業は社会の公器であり継続的に存在する事に大きな意味があります。
 成長までに時間を要する森林経営やお客様と長期にわたる関係が必要となる住宅事業や木化事業、そして高齢化社会に向けてお客様の終の棲家として家族とともに寄り添う介護事業等、住友林業グループの事業はいつも長い時間の流れの中にあります。
 つまり持続可能性は住友林業グループとしても事業をなす上で、最も重要なコアとなるものであり、持続可能性を追求し続けることこそが我々のミッションであるといえます。そのために未来へ向けて何をつないでいくのか。一言で言えばそれはいかに、より「良い資産」を残していくかという事だと思います。具体的には優良な社会資本となる山林、安心安全で環境にやさしい住宅の様な良質の有形資産を沢山作っていく事は言うまでもありませんが、私はそれ以上に大切なものは、社会的信用や評価、あるいは企業文化という目には見えないが高い価値を持つ無形資産だと思います。
 私たちが築き上げていかねばならない本当の資産は目先の収益ではなく、社会やお客様から得られる満足や信用であり、社会やお客様から頂く企業グループとしての評価であり、そして高い志と熱い情熱に溢れる企業文化であると言えるでしょう。この資産を次世代へと繋いで行くことこそが企業の持続性を担保するのだと思います。私たちが売上高1兆円を超える企業になったのも先人たちの信用の積み重ねが大きな資産として遺されてきたからです。
 資産というものは短期にあるいは一度にできるのではありません。日々の業務の中で積み上げられていくものです。従って、クレーム処理のように一見、後ろ向きの仕事であっても前向きに取り組み、加えて適切な対応でお客様の満足感を取り戻せれば新たな信用の創造に繋がります。
 一方、信頼を欠く行為や瑕疵を放置するようなことをすれば、それらはすべて負の資産、即ち負債となってしまいます。負債にも有形と無形がありますが、特に大切な事は無形の負債を残さないことです。目に見えない負の遺産は会社の持続可能性をんでいくと言う事をしっかり肝に銘じた上で、皆さんと力を合わせて良い資産を築いていきたいと思います。

 現在遂行中の「中期経営計画2021」を進める上において今年は皆さんに3つのことをお願いしたいと思います。
 まず、施策を先延ばしにせず「先手必勝」を心掛けて下さい。スピードは付加価値です。普段から多角的に状況を判断し、今がタイミングだと判断した時はすぐに手を打ち、PDCAのサイクルに乗せてください。組織としても個人としても、常に鋭角的な思考のもとに実行力を発揮してください。
 二つ目は、多様性を大切にしたチームワークで仕事を進めて下さい。マニュアルでは対応できない問題課題が増えていますが、多様な議論の中で方向性を見つけ出すことができます。年代、性別などが異なるメンバーが、各自の発想や経験を活かすことが重要です。昨年活躍したラグビー日本代表は、多様な文化の中から生まれたチームで強豪に打ち勝つことができました。問題課題に対しては夫々の社員が自らのものとして考え、議論に参加し、解決策を導いてほしいと思います。
 そして、三つ目は自分の仕事にこだわりを持って下さい。
 こだわりとは、自分の仕事に対する誇りで有り、また、仕事の成果に向けての責任です。神は細部に宿るという言葉がありますが、本気で仕事に取り組むということは大局を見ると同時に小さなことをおろそかにしないことです。

 2020年は十二支と十干と組みわせた干支でいえば60年に1度の「庚子(かのえね)」の年であり、変化が生まれ、新たな生命がきざす、まさに大きな変革の年とも言えます。皆さんにおかれましても、是非ともチャレンジ精神を胸に新しいことに果敢に取り組んでいただきたいと思います。今年の夏、東京には各国のアスリート達が、世界一を目指し集います。木質感溢れる新国立競技場は環境と人間が共生していく新たな時代の象徴です。私たちは、アスリートたちと同じフィールドには立てませんが、新たな時代の胎動を共に感じながら、自らのフィールドで誰もよりも早く、そしてより高い目標に向けて、熱い情熱を持って私たちも挑戦していきたいと思います。

東急(株)取締役社長 髙橋和夫氏

 各事業の第一線で勤務している現場の皆さんが、年末年始も変わらず取り組んでいただいたおかげで、大きな事故もなく、こうして新年を迎えられたことに感謝したいと思います。
 「安全・安心」は全ての当社事業の源泉であり、お客さまが東急ブランドに寄せる「信頼」のもとです。すべての事業、会社の活動において「安全・安心」を基に遂行すること、コンプライアンスを遵守することが、企業価値および東急ブランドを維持するためには不可欠です。

 昨年は台風などの自然災害により当社グループにも甚大な被害・影響が発生しました。沿線エリアでは、多摩川の氾濫などもありました。近年、これまでの常識では通用しない災害が頻発していますが、本年もまた必ず起こるものと考え、そのための「備え」や「守り」の重要性を再認識してほしいと思います。
 一方で、中期3か年経営計画の2年目を迎え、業績面でも今年度は計画数値をほぼ達成できる見通しです。鉄道事業の分社化、渋谷スクランブルスクエアや南町田グランベリーパークといった今後の成長に大きく寄与することが期待される大型施設が、予定どおり開業しました。

 本年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。当社にとっても、中期経営計画の最終年度です。目標利益が過去最高の水準ということもあり、文字通り“飛躍”が求められる年にもなります。足元における事業目標をしっかりと達成することに加え、長期経営構想にも掲げた、「東急ならではの社会価値提供」「世界が憧れる街づくり」とは何かについても、皆さん一人一人が考えてみてください。

 本年は、昨年のような大規模プロジェクトの開業が控えているわけではありませんが、大型施設は開業してからがスタートです。
 渋谷スクランブルスクエアであれば、コンセプトは「最旬」です。常に新しいものを提供し続けて、人々を楽しませ、驚かせていけるかが大切です。南町田グランベリーパークにおいても、今年は高速道路が整備され一段と空港からのアクセスが良くなります。来訪者の方々がどこからいらしているのかを分析し、さらに広域な集客につとめ、盤石な営業基盤を築いてください。
 そのほか、各事業部門、一般管理部門において、さまざま課題があると思いますので、遺漏のないよう事業推進をお願いします。

 「グローバル化」、「デジタル化」、「ソーシャル化」が進行する世界の潮流の真っただ中に身を置いているのだという高い意識を常に持ちながら「将来のありたい姿をしっかりと見据え、それに向け足元の事業を着実に進めていく」ことが何よりも大事であることを、個人・組織として共通認識としながら、本年も元気よく事業を進めていきましょう。

(株)西武ホールディングス代表取締役社長 後藤高志氏

 皆さん、あけましておめでとうございます。

〇2020年、先行き不透明な1年に
 海外においては、年初からの中東における緊張の高まりなど、先行き不透明な1年になると考える。一方、国内では5Gの商用利用開始や東京オリンピック・パラリンピックの開催など、国民生活に大きなインパクトがある1年となる。

〇2020年代は、勝負の10年。“飽時(ほうとき)”の時代へ
 今年は2020年代の始まりの年である。今後10年を見据えると、少子高齢化の進行や働き方改革の進展、ESG・SDGsなど社会問題に対する社会の関心の一層の高まりなど、大きなパラダイムシフトの真っ只中となることが予測される。また、政府が提唱するSociety5.0が実現すると、日本の国民生活がスマートかつ自由な時間が増え、便利な社会となる一方で、時間を持て余す“飽時(ほうとき)”の時代となる可能性もあると考える。こうした社会全体のパラダイムシフトに対応した施策を遂行するにあたり、今後10年で我々が想定している社会の流れが変わっていないか、西武グループ各社の施策との整合性が取れているかを常にチェックすることが重要であり、今年2020年はスタートの年として極めて大きな意味を持つ。

〇社員に期待する心構え
 そうした中、社員の皆さんには(1)新時代へ向けた自己啓発、(2)新若者のアイデアを積極的に取り入れ、部下の成長促進、(3)新兜の緒を締めたリスク管理の徹底を図ってほしい。

〇今後10年を見据え、もう一度グループビジョンに立ち返ろう
 今こそグループビジョンに立ち返り、地域・社会の発展、環境の保全に貢献し、安全で快適なサービスを提供し、お客さまの新たなる感動の創造に誇りと責任を持って挑戦することで、「でかける人を、ほほえむ人へ。」のスローガンを実現しましょう。西武グループから積極的な有意義な提案をし、豊かな社会を実現する西武グループとしての使命をしっかり担うべく、本年も是非「ONETEAM」で頑張っていきましょう。

ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏

 本年は、日本では56年ぶりに夏の開催となる東京オリンピック・パラリンピックの開催が大きな話題です。大会に向けて様々な開発やインバウンド効果も予想されますが、開催後は国際情勢が不安定なことと併せて、経済の潮目が変わる可能性も考えられます。

 そのような背景の中、本年の当社のキーワードは『創意工夫』といたします。意味は「独創的なアイデアを見出し、新たな方法を考え出すこと」とあります。
 仕事に取り組む際は『論理的思考(ロジカル・シンキング)』が原則ですが、予測のつかない不透明な時代になると『批判的思考(クリティカル・シンキング)』も必要になります。日々の業務での判断や行動の際に、思い込みや決めつけを排除し、「本当にそうなのか?」「根拠は何か?」と絶えず疑問を持ち、柔軟な思考で『創意工夫』をし、改良・改善そして革新を繰り返すことが大切です。

 ポラスグループは昨年、多くの方々に支えられ創業50年を迎え、そして次の50年に向けて新たなスタートを切りました。創業者が追い続けた、安全で安心して暮らせる住まいを提供し続けるために全従業員が『創意工夫』の観点を改めて持ち、日々の業務に取り組んでまいります。

サンフロンティア不動産(株)代表取締役社長 堀口智顕氏

 あけましておめでとうございます。
 旧年中のご厚情、ご指導に深く感謝申し上げます。

 2019年は世界経済にやや減速感がみられましたが、年末にかけて回復の兆しが出てきており、その流れを受けて本年は緩やかな成長が続くとみられています。また日本経済においては東京オリンピック・パラリンピックが開催予定であり、日本全体で大きな盛り上がりとインバウンドによる需要拡大が期待されております。一方、当社がメインに事業を展開する都心オフィスビル市場は、大型新築ビルの大量供給を上回るペースで需要が増大し、東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィス平均空室率は、28年ぶりの水準となる1%台で継続しております。また、本年完成の大型新築ビルにおいても既に8割の入居企業が決定しているといわれ、都心オフィスビル市場の活況と高い賃料水準は継続すると見込まれております。

 このような環境下、当社グループは本年も成長戦略である4本の矢「本業の拡大」「ホテル事業」「海外展開」「M&A」をブレずに展開し、その中でお客様からいただく声から事業を伸ばすヒントを得て、積極的に新たな付加価値を創出する事業や新分野へと挑戦してまいります。
 本年は、ビルオーナー様から何でもご相談いただける「不動産経営のパートナー」としてご信任いただけるよう、お客様に寄り添う賃貸仲介の支店網と安定的で高収益なビル経営を実現させるビル管理部門をさらに伸ばしてまいります。また賃貸仲介・ビル管理に代表される不動産サービス事業においてお客様のニーズを現場で直に得られるという強みを活かしつつ、海外視察等を通して世の中の変化を積極的に取り入れ、創意工夫を繰り返すことで、不動産再生事業における付加価値の高い商品をお客様・社会へ提供してまいります。ホテル事業においては倉敷水島と茨城鹿嶋の2棟の新規ホテル開業を予定しております。また2023年3月末時点での5,000室達成に向けて、ホテルの開発を着実に進めてまいります。
 私たちは、事業を通してお客様の笑顔を次から次へとつなぎ、「幸せの連鎖事業」を展開してまいります。

 当社グループは、永続的に成長を続ける企業として、「利を求むるに非ず、信任を求むるにあり」という明確な方針の下、お客様から愛され、選んでいただける不動産会社を目指してまいります。
 また国益に資する事業をもって立つ企業として、そして、日本とアジアの幸福と繁栄に貢献できますよう、本年もグループ一丸となって精一杯取り組んでまいります。
 皆様にとりまして、素晴らしい一年となりますことを心より祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。本年もご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

(株)LIXIL住宅研究所 代表取締役社長 加嶋伸彦氏

 新年明けましておめでとうございます。
 皆様におかれましては、心新たに新年を迎えられたことと存じます。
 年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。

 2010年代最後の2019年が終わりました。昨年も引き続き台風や豪雨の被害など、自然災害が多く発生しました。被害を受けられた地域の皆さまにあらためて心よりお見舞い申し上げるとともに、一刻も早い復旧・復興を祈念いたします。生活の基盤となる住まいを扱う当社としましては、これからも自然災害により生活の拠点が失われたりすることのないよう、住まい手の日々の生活を支援していくことに努めてまいります。

 昨年は5月に元号が平成から令和へ変わり新たな時代がスタートし、10月には消費税が10%に上昇。軽減税率やポイント還元など、政府による駆け込み需要の平準化策が取られ、住宅に関わる部分においても、住宅ローン減税の延長や給付金、ポイント制度など、消費税引き上げ後の支援策が出されました。結果的に、当社においては、駆け込み需要は少なからず発生し、以降はその反動減も出てきています。また、今年は国際的なスポーツ大会が開催され、景気は前半若干上向くものと想定していますが、景気変動の年となることは間違いありません。住宅業界においても、前年よりも着工数は減少していくとの予想の中、持ち家や分譲住宅の購入計画者の方たちに届く様々なアクションが必要と考えています。

 昨年当社では、運営するアイフルホームが35周年の節目となり、10月から新生アイフルホームに向け、リブランディング活動を進めてまいりました。LIXIL住宅研究所は、次の10年に向け新たな住宅FC像を作り上げるべく、住宅・非住宅問わず、よりスピード感を持って新築からリフォーム、転居・住み替え、相続などあらゆる住生活ニーズに対応できるワンストップハウジング戦略の強化を進め、将来に向けた成長戦略として「トータルハウジング(住生活総合サービス業)」へと進化を図ってまいります。最後になりますが、昨年度より現職に就任し一年間取り組んでまいりました。この一年の学びや経験を踏まえ、LIXILグループにおけるLIXIL住宅研究所の役割である、お客様に「豊かで快適な住生活をお届けしていく」ことを最大の目的として、精進してまいります。また、本年度は運営するGLホームが創業50周年を迎えます。半世紀の歴史を振り返りつつ、新たな50年に向け、積極的な施策を進めてまいります。
 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

(株)アキュラホーム 代表取締役社長 宮沢俊哉氏

 新年あけましておめでとうございます。2020年の年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。昨年は、アキュラホーム創業40周年・ジャーブネット設立25周年・令和元年という3つの節目を記念し、新時代の先進住宅「ミライの家・Rei」の発表や、ジャーブネットの上位組織「スマートアライアンスビルダーメンバー(以下、SABM)」の始動、「カンナ削りの木のストロー」を筆頭とした環境貢献企業としての活動などを主に行いました。また、会社の基盤となる制度やシステムの改革に着手するなど、アキュラホームグループが永続的に発展する基盤も強化し、これらのさまざまな事業や取り組みが実を結んだ年となりました。この充実の一年を一言で表すなら、「革新」「改革」の年。今一度原点に立ち返り、われわれのあり方を見直して変えていくということを広く推し進めることができました。

 この10年あまり、人口や世帯数の減少を受けて住宅市場は縮小傾向にあります。一方で住まいづくりに求められる技術は年々高度化しています。そのような時代に求められるのは、資本力や営業力だけでなく、つくり手としての思いも持った技術力のある企業であると考えます。強みをもった人や企業が連携し、謙虚に学び合い、多様なニーズに応えられる理想のつくり手へと共に進化していくことが、住まい手に求められる時代になると思っています。

 そして、2020年は、昨年に基盤を固めた連携や制度改革を大きく加速させる年だと考えます。「賢い連携」のさらなる推進として、SABMをはじめ、グループの内外で成果が出るノウハウへの出資、ノウハウを共有する場の提供を積極的に行っていきます。こうして手を取り合いながら、日本の住まいづくり・まちづくりをリードするホームビルダーへと進化を続け、ジャーブネットのミッションでもある「世界に誇れる住環境づくり」の実現に近づいていくことを願っています。

 また、環境貢献活動として「カンナ削りの木のストロー」もさらに広めていきたいです。まずは、2020年に海外から日本へ来訪される方々に「木のストロー」を使っていただき、海外へ普及させるきっかけをつくりたいと考えています。やがて世界各地で「木のストロー」が地産地消され、各地の環境問題や雇用問題の解消につながっていけば嬉しい限りです。
 この新しい年が皆様にとって素晴らしい一年となりますことを祈念して、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。

(株)ヒノキヤグループ 代表取締役社長 近藤 昭氏

 新年あけましておめでとうございます。

 昨年の消費増税、そして今年はいよいよ東京オリンピック開催と大きな出来事が続きます。またここ数年ITの進化、人手不足、SNSなど口コミの影響力の拡大、インバウンドの増加、働き方改革、コンプライアンス重視…と世の中は大きく変化しており、その対応力がますます求められる時代となっています。

 我々を取り巻く世の中の状況は年々厳しさを増しています。
 その中で業績を上げ、所得を増やし、社会に貢献して我々の存在感を増していくには、これまでと同じ考え方では実現出来ません。

 しかし幸い我々には他社にはない多くの強みがあります。

 地球環境にも家計にも優しいアクアフォーム。ヒートショックも熱中症もなくして一年中家のどこにいても快適なZ空調。気候変動、災害大国の日本であらゆる災害に最も強いプレキャストコンクリート。
 これらの強みを世の中に広めていくことで、日本の抱える課題解決と社会貢献とを図り、
 その結果として当社グループの企業価値向上に繋げていきたいと考えています。

 今年もグループの社員皆さんと共に大いに成長できる一年でありたいと願っています。

(株)さくら事務所代表取締役社長 大西倫加氏

<一部抜粋>

 シンボリックな2020年という今年、さくら事務所は設立20周年という節目を迎えます。まだまだ未熟な、頂がはるか遠い牛歩の道のりながら「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」という理念をいつも心に、愚直に真摯に歩み続けて来られたことには感謝しかありません。
 ひとえに多大なご支援、ご指導をくださったご依頼者さま、社内メンバーや社外関係者、すべての皆さまのおかげです。心より御礼申し上げます。
 今と少し先の時代を見つめ、私たちの旅路を計画してみると、今年1年は大きく4つのキーワードが浮かびます。

〇民法改正で問われる品質向上
〇マンション管理の見える化・価値化
〇自然災害とLCP策定(Life continuity)
〇サスティナビリティ経営のための人材育成

(民法改正で問われる品質向上)

 新しい概念である「契約不適合」において、住宅には今まで以上に具体的かつ明文化できる品質の向上が求められるでしょう。自らが行おうとする契約に際し、懸念点を事前に洗い出し、双方が納得できる条件を適切に交渉する契約文化も、遅まきながら徐々に醸成されるはずです。
 ここにホームインスペクションが果たす役割が非常に大きいことは言うまでもありません。私たちは診断やサービスクオリティ維持のため、年間の事業計画を対前年110~120%上限にもち毎年そのように推移していますが、今年はさらにアドバイスやホスピタリティの幅を広げ、住宅購入プロセスに「忘れがたい豊かな体験」を提供したい。
 一方で、民法改正で厳しく品質を問われるのは私たち診断事業者も同様です。取得しているISO9001の目標項目・基準も見直し、研修の充実と高い倫理観を備えた診断士を育成します。すでに構築を進めているシステム化などにより、利便性・スピード・安定品質も追求しなければなりません。
 また個人向けコンサルを強みとしてきた私たちの元には昨今、品質向上と真剣に向き合うビルダーなどから品質検査・対策のご相談も増加しています。今後は事業者向けのコンサルティング体系化と、アフターサービスなどの顧客対応サポート事業も強化していく予定です。

(株)LIFULL 代表取締役社長 井上高志氏

 新年明けましておめでとうございます。
 2019年は、様々なステークホルダーへの利他を掲げ、「あらゆる人のLIFEをFULLにする」ため、世界一のライフデータベース&ソリューション・カンパニーの実現に向け、様々な活動を行ってまいりました。
 売上収益は、8期連続で過去最高となり、主力サービスである不動産・住宅情報サイト『LIFULL HOME'S』や当社グループ会社の主要な経営指標は順調に推移しています。
 また、海外企業Mitula Group Limited、RESEMの子会社化を進め、サービス展開国数や情報量を大きく伸ばした一年ともなりました。
 これはひとえに、当社を支えてくださっている皆さまのおかげによるものと、心より感謝申し上げます。

 LIFULLは、公益志本主義経営を実践する企業として、世界の動きに先駆け20年以上前から社会課題を解決する事業活動を行なってきました。令和という新しい時代を迎え、家族や仕事、結婚、住まい、環境に対する価値観の変化に伴い、これまで当たり前に信じられてきた「幸せ」も変わってきています。LIFULLは、多様な価値観のもとで「あらゆる人が、無限の可能性の中から自分の生きたいLIFEを選び、実現できる社会」に向け、あらゆる事業や取り組みにおいて、「Diversity, Inclusion, Equality」、「Well-Being」といったテーマや、国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)にも積極的に取り組み、日本のみならず、世界中のあらゆる人の「LIFEをFULLにする」ために邁進し、以下のような事業やプロジェクトを、さらに加速させてまいります。

1)不動産市場の革新のための先端技術の活用
2)住宅弱者支援の取り組み「LIFULL HOME'S ACTION FOR ALL」
3)空き家活用で地域経済を活性化するLIFULL地方創生
4)地域の関係人口を生み出す定額多拠点居住サービス「LivingAnywhere Commons」
5)グローバルプラットフォーム構築に向けた海外事業
6)あらゆるLIFEに関わるサービス創発による多角化

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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