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2020/1/6

「2020年 年頭挨拶」(業界団体等)

 国土交通大臣および住宅・不動産業界団体トップが発表した年頭所感は、以下の通り。(順不同)

国土交通大臣 赤羽一嘉氏
(一社)不動産協会理事長 菰田正信氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長 坂本 久氏
(公社)全日本不動産協会理事長 原嶋和利氏
(一社)不動産流通経営協会理事長 山代裕彦氏
(一社)全国住宅産業協会会長 馬場研治氏
(独)都市再生機構理事長 中島正弘氏
(一社)マンション管理業協会理事長 岡本 潮氏
(公財)日本賃貸住宅管理協会会長 末永照雄氏
(一社)賃貸不動産経営管理士協議会会長 原嶋和利氏
(一社)住宅生産団体連合会会長 阿部俊則氏
(一社)プレハブ建築協会会長 芳井敬一氏
(一社)日本ツーバイフォー建築協会会長 池田 明氏
(一社)日本木造住宅産業協会会長 市川 晃氏
(一社)日本ビルヂング協会連合会会長 木村惠司氏
(一社)不動産証券化協会会長 杉山博孝氏
(公社)日本不動産鑑定士協会連合会会長 吉村真行氏

国土交通大臣 赤羽一嘉氏

<一部抜粋>

 令和となって初めての新年を迎え、謹んで新春の御挨拶を申し上げます。

 昨年12月、新たな経済対策として「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」が閣議決定されました。この経済対策には、

・相次ぐ自然災害からの復旧・復興の加速や、防災・減災、国土強靱化の取組の着実な推進と更なる強化など、災害からの復旧・復興と安全・安心の確保
・中小企業・小規模事業者の生産性向上のための環境整備など、経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援
・外国人観光客6,000万人時代を見据えた基盤整備、生産性向上を支えるインフラの整備など、未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上

に向けた施策が盛り込まれております。国土交通省としても、これらの施策が迅速かつ着実に実行されるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 本年は、とりわけ以下の4本の柱を中心として諸課題に取り組んでまいります。

(1)防災・減災を社会の主流に!
(2)観光による地方創生
(3)安全・安心な移動環境の整備
(4)持続可能な地域社会と経済成長の実現

(持続可能な地域社会の形成)

  AI、IoT等の新技術をまちづくりに取り入れた「スマートシティ」については、昨年5月に先駆的な15のモデル事業を選定し、重点的に支援しているほか、8月には、官民の知恵やノウハウを結集するため、関係府省と共同で企業、大学・研究機関、地方公共団体等を会員とする官民連携プラットフォームを設立しました。今後は、これらの取組を通じてモデル事業等を推進するとともに、都市インフラへのIoT技術等の実装を進めることで、成功モデルの全国展開を促進し、スマートシティを強力に推進してまいります。

 住宅分野では、既存住宅流通・リフォーム市場の活性化に向けて、安心して購入することができる既存住宅の普及を進めるため、耐震性があり、構造上の不具合などが認められないなど、一定の要件を満たす既存住宅について流通を図るための「安心R住宅」制度の取組を進めてまいります。

 空き家対策については、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、個々の地方公共団体が行う指導・助言、行政代執行等の措置や、空き家の除却・利活用等に対する支援などに積極的に取り組んでいるところです。さらに、空き家等の流通・マッチングや再生を図るため、「全国版空き家・空き地バンク」の活用を促進してまいります。今後とも、空き家の利活用・流通促進に官民総力戦で取り組んでまいります。

 また、来年度税制改正大綱においては、「譲渡価額が500万円以下の低額な低未利用地を譲渡した場合の長期譲渡所得の100万円特別控除措置の創設」が盛り込まれました。本特例措置により、土地の有効活用を通じた投資の促進、地域活性化が図られるよう、新制度の円滑な運用に向けた調整を進めてまいります。

 所有者不明土地等問題への対応は、防災・減災の観点からも重要です。このため、所有者不明土地等の解消や有効活用に向け、関係閣僚会議の基本方針等に基づき、法制審議会で検討が進められている民事基本法制の見直しと併せて、本年、土地の適正な利用・管理を確保するための土地基本法の改正を目指します。また、土地の境界を明確化する地籍調査の円滑化・迅速化等を図るための国土調査法等の改正について、来年度からの第7次国土調査事業十箇年計画の策定に向け、土地基本法の改正と一体的に行うことを目指します。このような制度的対応も踏まえて、引き続き関係省庁と連携しながら、新たな土地政策を展開してまいります。

 高経年マンションの増加が急速に進む中、建物・設備の老朽化、管理組合の担い手不足、建替え等の合意形成の困難さ等の課題が生じることが見込まれることから、マンションの維持管理の適正化や再生の円滑化に向けた取組を強化し、マンション政策を強力に進めてまいります。また、賃貸住宅管理業については、近年、サブリース業者と家主の間で家賃保証を巡るトラブル等が多発していることから、サブリースを含む賃貸住宅管理業の適正化について、法制化の検討を進めてまいります。

 若年・子育て世帯や高齢者世帯等が安心して暮らせる住生活を実現するため、地方公共団体や関係省庁と連携し、新たな住宅セーフティネット制度に基づき、民間の空き家・空き室を住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅として活用する取組や各地の居住支援活動に対する支援を行うとともに、住宅金融支援機構の住宅ローン金利の引下げを通じた若年・子育て世帯の住宅取得等の支援、サービス付き高齢者向け住宅の整備等を進めてまいります。

 住宅・建築物の省エネ化の推進を目的として、住宅・建築物の省エネ対策の強化を盛り込んだ「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律」の一部が昨年11月に施行されたところです。制度の円滑な施行に向け、中小工務店をはじめとした建築事業者等に対する講習会等を実施しております。また、これまで省エネ性能の高い住宅・建築物の新築・改修に対する補助、税制、融資による支援等の施策を講じてまいりました。引き続き、関係省庁と連携しつつ、これらの施策を推進し、住宅・建築物の省エネ化に取り組んでまいります。

(一社)不動産協会理事長 菰田正信氏

 本年は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックイヤーとなる。日本の魅力を世界の人々に知っていただき、我が国のプレゼンスを高める絶好の機会であり、日本がさらなる飛躍を遂げられるようなきっかけの1年になるのではないか。

 我が国経済は、現時点ではほぼ踊り場に近い状況にあり、米中貿易摩擦や中国経済の減速懸念などにより、先行きはより不透明な状態にある。11月には米国大統領選挙が控えているなど、各国の政治・経済状況が与える影響については、今まで以上に注視が必要だ。

 不動産を取り巻く環境が大きく変化する中、まちづくりを通して、新たな価値を創造していくことが求められる。都市の国際競争力を高め、世界中から人材・企業・資金・情報を呼び込むために、イノベーションや新しい産業が次々と生まれ続ける魅力的な都市づくりを行うことが必要である。自然災害が激甚化・常態化している中、防災性能を高める取り組みも大切だ。また、多様なニーズに対応した質の高い住宅ストックを形成し、新たな住宅循環の環境を整備していくために、既存住宅の活用だけでなく、性能の不十分なストックの更新を図るため、新規ストックの創出が重要である。

 国民の暮らしを豊かにするまちづくりや住環境の整備を通じ、我が国の経済・社会の発展に向けて、貢献していきたい。

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長 坂本 久氏

 新年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。

 昨年は、「平成」から「令和」と時代が変わり、ラグビーワールドカップにて日本が「ONE TEAM(ワンチーム)」のもと、栄えあるベスト8に輝き、国民に感動を与えました。また、台風に伴う暴風雨、豪雨により全国の広範囲な地域で住宅の浸水など、甚大な被害を被り、あらためて自然災害の脅威を感じた年でもありました。

 10月より消費税が10%となりましたが、不動産業界においては住宅ローン減税や住まい給付金制度などにより需要の反動減が抑えられました。しかしながら、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題等により景況感は先行き不透明であります。

 折しも本年4月からは民法の債権法が改正施行され、より契約概念を重視した取引が求められます。本会としては既に昨秋より改訂版書式に係わるWEB研修、ガイドブックの作成など万全の対応をとると共に、本年6月にはクラウド型WEB書式作成システムを稼働させる予定としております。

 また、昨年末の税制改正で創設された「低未利用地の譲渡に係わる100万控除制度」も施行されます。本件は一昨年、昨年と安倍総理、菅官房長官との対談で訴え続けてきた大きな成果と自負しております。昨年策定された国交省「不動産業ビジョン2030」でも「不動産をたたむ」概念が記載されました。これにより土地が有効活用され、地方での所有者不明土地や空き地対策の解決の一助となることを大いに期待しております。

 我々ハトマークグループは、「みんなを笑顔にするために」引き続き会員の安心安全な不動産取引をサポートするため、各種事業を実施して参る所存です。

 終わりに、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます2020年が皆様にとって良き年となることを祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

(公社)全日本不動産協会理事長 原嶋和利氏

 新年明けましておめでとうございます。
 会員の皆様には、日頃より本会の運営に関しまして多大なご理解ご支援をいただいており、心より感謝を申し上げます。

 昨年は、今上天皇が御即位され令和という新しい時代が幕を開けました。令和の時代が今後とも平和で実りあることを皆様と共に願いたいと存じます。また本年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることで、日本全体が明るく活況を呈する年となりますよう期待したいと思います。

 昨年のように豪雨や台風が想定を超えて発生すると、多くの方々に長期間に亘って大変なご苦労が強いられる状況が続いてしまいます。不動産業に携わる我々としては、このような災害時において生活の基盤となる住宅の確保、居住支援策など、今後更に行政との連携を密にしつつ対応に努めて参りたいと存じます。

 さて、我が国の経済は緩やかな回復を続けていると評されておりますが、不透明な海外情勢や人手不足感が高まる中での労働生産性の伸び悩みなど、予断を許さない状況が続いています。
 そのような中で、不動産業界の現状を見てみますと、人口減少・少子高齢化の進展、それに伴う空家・空地の増加と既存ストックの老朽化をはじめ、経済のグローバル化等、近年の社会情勢の変化や環境への対応が求められています。そこで、国土交通省では、時代の要請や地域のニーズを踏まえた不動産を形成し、個人、企業、社会にとっての価値創造の最大化を図るとした「令和時代の『不動産最適活用』に向けて」として「不動産業ビジョン2030」が策定されました。

 一方、本会といたしましては、昨年6月に「全日中期ビジョン―新時代の『豊かな生活』を支える産業であるために―」を公表させて頂き、その中で不動産業界を取り巻く様々な課題に対応するため、短中期的アクションプランとして空家問題や政策発信を中心とした8つのテーマを検討課題として策定いたしました。本年におきましては、これら検討課題の実現に向けて具体策を講じて参ります。

 昨年末には、以前より本会が継続して提言してきた要望が与党の税制改正大綱に認められ、地方圏の地域活性化を促し、空地・空家・所有者不明土地の増加を防ぐための低未利用物件・低額物件に係る長期譲渡所得における特例措置が創設され、7月より施行されることとなりました。本年も引き続き不動産流通の活性化、国民の豊かな住生活に向けた政策・税制要望に努めて参ります。

 また、消費者保護の観点からは、公益事業として不動産知識の普及と安全な取引の推進を目的としております「全国一斉不動産無料相談会」が、3年目を迎えることとなりました。本年も10月1日の開催を予定しておりますので、この事業が更に広く国民の皆様に定着すことを期待しております。そして、本年は120年ぶりに改正された民法が施行されることから、会員の皆様が業務に滞りなく円滑に対応できるよう研修会等に万全を期しております。

 このように、不動産取引に関する研修業務や政策提言などを通じて業界の資質向上を図り、もって広く消費者保護に努めることは、公益社団法人として社会への貢献と業界の発展に寄与する重要な役割であります。

 一方で大切なことは、3万社会員の力を合わせることで得られる会員支援事業の更なる充実を図り、会員の皆様がそれぞれの業務の中で活かせるような会員向けサービスの展開を確立していくことです。そのためにも、全国組織の不動産業者団体として、常に会員並びに国民の皆様に信頼いただけるよう、将来を見据えた組織改革を実行し拡充強化並びに活性化の推進に努めているところです。

 そうした状況において、いよいよ一般社団法人全国不動産協会(略称:TRA)が本年4月より全国組織化される運びとなり、全日グループの機軸の一つに加わることになりました。グループが一体となって、会員の皆様のご期待に沿えるよう、よりバランスの取れた協会運営を図って参りますので、今後とも本会の運営にご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 あらためて本年が、よりすばらしい年となりますことと皆様のご健勝とご発展を祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

(一社)不動産流通経営協会理事長 山代裕彦氏

 わが国の景気は緩やかながら回復基調が続いている。先行きは、海外経済や消費増税後の消費者マインドの動向等に留意する必要があるが、雇用・所得の改善が続くなかで、政策効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。

 昨年の不動産流通市場は、個人投資家向けの収益物件に関しては金融機関の融資厳格化の影響により取引が減少したものの、実需層の住宅取得に対するニーズは底堅く、概ね順調に推移した。足元でも、既存住宅への需要には根強さが感じられ、本年も、金融緩和や住宅取得に対する税制優遇措置等の政策のもと、堅調さが続くものと思われる。

 年が改まり、4月には、いよいよ改正民法が施行される。当協会では、契約書類の改訂などについて入念な準備を進めてきたが、お客様が安心し、満足した取引ができるよう、施行に向けて万全を期していく。

 現在、国においては、社会資本整備審議会・住宅宅地分科会で住生活基本計画の見直しに関して審議が進められている。当協会も分科会に参画しており、ライフスタイルや価値観の変化を背景に多様化する住宅ニーズに応えるべく、お客様視点から意見具申を行い、その実現を後押ししていきたい。

 当協会は本年5月に創立50周年の節目を迎える。これを機に会員相互のさらなる結束を図り、今日の消費者ニーズに即応した新たな時代の不動産流通制度の確立と不動産流通市場の発展に向けて邁進していく。

(一社)全国住宅産業協会会長 馬場研治氏

 令和という新時代が幕を開けて初の新年を迎え、心新たにご挨拶を申し上げます。

 昨年は、日本の各地で強風と集中豪雨による甚大な被害に見舞われました。被災された多くの方々には、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。近年頻発するさまざまな自然災害に直面する度に、わが国が「災害列島」であることを強く印象づけられます。国民の生活に直結する住宅に関わる事業者として、これまで以上に立地の適正に配慮するとともに、強度や性能面に瑕疵のない住宅を供給することの重要性を痛感しているところです。

 ところで、わが国の経済は、米中関係や日韓問題など、もはや慢性的となって解決への道筋が容易には見通しにくい地政学リスクに加え、消費税引上げ後の弱含みの消費者マインド、将来の社会保障への不安などの要因から依然として個人の消費が伸び悩んでいるなど、景気回復を実感できる状況にはありません。

 住宅・不動産市場においては、建設コストの高止まりと事業用地の取得難から新築住宅の価格は年々上昇し、一次取得者の購入能力とは大きな乖離が生じています。消費税率の引上げに対して多くの支援策が施されたものの、本年3月には次世代住宅ポイント制度が期限を迎え、住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置は段階的に減額されます。さらに12月には住宅ローン減税の控除期間の3年延長措置が期限を迎えることになります。今後とも市場の動向には目を離すことなく、状況に応じては的確な対応がなされることが必要であると考えております。

 令和2年度の税制改正大綱では、新築住宅に係る固定資産税の減額措置の延長、買取再販で扱われる住宅の取得に係る登録免許税の特例措置の延長、既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良化リフォームに係る固定資産税の延長、低未利用地の適切な利用と管理を促進するための長期譲渡所得100万円特別控除制度の創設、特定の事業用資産買換えにおける譲渡所得課税特例措置の延長など、我々が要望した多くの項目が実現することになりました。

 その一方で、これからの街づくりを含めて、我が国の住宅が国の資産形成とも直結する質の高い市場として成熟し、住宅取得を希望する幅広い国民が負担を感じることなく保有できる税体系を構築するため、住宅に課される消費税のあり方を中心とした税体系について抜本的な検討が必要であると考えております。

 また、現在およそ655万戸のマンションストックがありますが、居住者の高齢化と同時に住宅の老朽化も確実に進行しています。こうしたマンションを適切に維持・管理するためには定期的な大規模修繕が不可欠ですが、直近のマンション総合調査によれば、計画上の修繕積立金の額に対し実際の積立額が不足しているマンションが約35%にも上ります。その背景には、修繕計画に対する認識の低さや近年のコスト増など、さまざまな要因が考えられます。しかし、優良なストックを次世代に引き継ぐためには、入居者や管理組合に対して税制上のインセンティブを付与するなどの政策的な配慮がなされなければ、なかなか状況を改善できる糸口が見い出せません。

 さらには、将来的には必ず直面する建替えについても、区分所有者の合意形成、建替え費用の問題など多くの課題があります。マンション建替えを促進するために必要な規制の緩和やリバースモーゲージの活用、マンション建替えに関する関係法令の見直しなどについて本格的な検討が望まれます。

 近年、国民の住宅に対する意識は益々多様化の方向にあり、働き方改革の視点からも、テレワークやサテライトオフィス、コワーキングスペース、二居住拠点、シェアハウスなど、新しい価値観に対応していく必要があります。また、大都市圏に偏ることなく、地域の独自性を発揮できる新たな魅力の創生が望まれています。

 全住協は、会員の特徴である全国区の機動力と形式にとらわれない柔軟性を生かし、国民の豊かな住生活を実現するために、全力で取り組んで参る所存です。全国1,700社を超える会員の英知と熱意を結集し、住宅・不動産業を核とする日本経済の発展に寄与すべく、協会活動に邁進して参ります。会員並びに関係の皆様方の倍旧のご支援とご協力をお願い申し上げます。

 最後になりましたが、皆様方のますますのご発展とご健勝を祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

(独)都市再生機構理事長 中島正弘氏

 明けましておめでとうございます。令和2年の新春を迎えるに当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
 振り返りますと昨年は、平成から令和に元号が変わり、日本の歴史において大きな節目を迎えた年でした。一方で、全国各地で台風などの自然災害が多い年でありました。9月に発生した台風第15号や10月に発生した台風19号により、全国各地に多大な被害がもたらされました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 さて、昨年の当機構の業務としまして、7月に、災害対策基本法における指定公共機関に当機構が指定されました。当機構は指定以前から、大規模災害の発生時には、被災自治体に対し被災建築物の応急危険度判定をはじめとした復旧に関する技術的支援を行ってきましたが、この指定を機に、自治体支援の体制強化や、関係機関との連携強化を図り、より一層災害対応支援に取り組んでいくことになりました。10月に発生した台風第19号による風水害にあたっては、国等からの要請に基づき、被災した長野県に対する国及び地方公共団体の関係部署間の連絡調整業務や長野市への家屋等の被害認定調査に係わる支援を行いました。

 また、同月に、当機構が管理する旧赤羽台団地のポイント型住棟(スターハウス)を含む4棟が団地として初めて国(文化庁)の登録有形文化財(建造物)に登録するよう答申されました。今後、当該4棟は建設当時の住戸再現モデルや、新しい暮らし方を提案するモデル住戸等を展開する場として活用していくこととしています。
 12月に公布された改正地域再生法においては、地域住宅団地再生事業に係るコーディネート事業の実施が可能になりました。これにより、URには地方の魅力を向上させるため、地方公共団体が実施する住宅団地再生のための事業計画を策定する際の市町村へのノウハウ提供が求められており、URの政策的な役割の位置付けは高まっています。

 東日本大震災からの復興支援については、津波被災地において、復興市街地整備と災害公営住宅整備を中心に支援を実施してまいりました。このうち復興市街地整備については、被災地方公共団体から委託を受けた津波被災地における復興市街地整備事業(22地区、1,314ha)について、復興・創生期間が終了する令和2年度までの宅地等の引渡し完了に向け、各地方公共団体が定める事業計画に基づき着実に実施してまいります。

 また、災害公営住宅についても、地方公共団体からの要請を受けた5,932戸のうち、5,833戸の整備を完了しました。引き続き、現在整備中の1地区(盛岡市南青山地区99戸)についても、令和3年1月引渡しに向け事業を推進してまいります。

 福島県の原子力災害被災地域での復興支援も本格化しており、大熊町、双葉町及び浪江町において復興拠点整備事業の受託(4地区、129ha)や公的施設の発注者支援のほか、避難者の帰還促進のために、今春開業予定である大熊町福祉施設の立上げ支援など、ソフト面も含めた地域再生支援などを引き続き総合的に支援してまいります。また、今春にはJR常磐線の全線開通が予定されており、特定復興再生拠点区域を含む双葉駅及び大野駅等の駅周辺のまちづくりについても、支援を実施してまいります。

 東日本大震災からの復興支援については、引き続き、当機構の最優先業務として位置付け、推進してまいります。

 都市再生事業については、民間事業者・地方公共団体等とのパートナーシップの下、「都市の国際競争力と魅力を高める都市の再生」、「地域経済の活性化とコンパクトシティの実現を図る地方都市等の再生」及び「防災性向上による安全・安心なまちづくり」といった政策的意義の高い都市再生を推進してまいります。具体的には、今夏開催される東京オリンピック・パラリンピックに向け、6月6日に開業が予定されている虎ノ門ヒルズ駅の周辺や、開発が進む渋谷駅、品川駅、四谷駅の周辺等でコーディネート及び事業を実施しており、今年度中に237地区のコーディネート及び事業の実施を目指しています。また第4期中期計画期間末までに330地区のコーディネート及び事業の実施を目指しています。
 また、政策的な重要性が特に高まっている地方都市等の再生について、国や地方公共団体の施策との連携、民間事業者等との連携等を図りながら、当機構が有するノウハウ・人材・ネットワークを活用して進めるとともに、東日本大震災における復旧・復興支援等から得た経験も踏まえ、都市の防災性向上や減災対策などについても取り組んでまいります。

 賃貸住宅事業については、平成30年12月に、UR賃貸住宅ストックを将来にわたって国民共有の貴重な地域資源として生かし続けるため、2033年度までのUR賃貸住宅ストックの多様な活用の方向性を定める「UR賃貸住宅ストック活用・再生ビジョン」を策定しました。
 このビジョンの実現に向けた施策の1つとして、UR賃貸住宅団地内に地域に不足している医療・福祉施設の誘致等を図り、UR賃貸住宅の生活環境の向上を図るとともに、周辺地域にも医療・福祉サービス等が提供されることで、団地やその周辺地域において安心して健やかに住み続けられることができるよう、団地の地域医療福祉拠点化を進めています。2033年度には地域医療福祉拠点化を推進する団地を250団地程度とすることを目指しています。
 全国で管理する70万戸を超えるUR賃貸住宅ストックについて、引き続きこのビジョンに掲げる「多様な世代が安心して住み続けられる環境整備」「持続可能で活力ある地域・まちづくりの推進」「賃貸住宅ストックの価値向上」の3つの視点でUR賃貸住宅ストックの多様な活用を行い、多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まちの実現を目指してまいります。

 海外インフラ事業への日本企業の参入の促進を図る政府方針に基づく都市開発の海外展開支援については、平成30年11月にオーストラリアのニューサウスウェールズ州政府と交換した新空港周辺地区における技術協力等に関する覚書に基づき協議を行ってきた結果、昨年10月15日に州政府傘下の公社と「まちづくり計画のアドバイザリー契約」を締結いたしました。今後は、計画策定などに関するアドバイスの提供を実施してまいります。
 併せて、新興国を中心とした世界の旺盛なインフラ需要を取り込むために当機構が果たす役割に強い期待が寄せられており、アジア・豪州等における海外の都市開発事業に関して、相手国、海外公的機関及び民間企業等との連携強化を図るべく、引き続き、海外の各都市等と協定・覚書の締結等を進めてまいります。

 最後に、当機構の業務につきまして、日頃から格別のご理解・ご協力を賜っております関係各位に深く感謝を申し上げるとともに、本年の皆様方の益々のご発展とご健勝を祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

(一社)マンション管理業協会理事長 岡本 潮氏

 マンションを巡る環境は大きく変化しており、特に、近年深刻度を増す環境変化が以下の7つです。

(1)マンションストック及びマンション居住者の飛躍的増加
(2)居住者の「終の棲家」化
(3)二つの高齢化の急速な進行による管理組合の財政の悪化
(4)現場の決定的な人手不足による管理会社経営の悪化
(5)居住者・居住形態の多様化による多様なサポートの必要性の拡大
(6)タワーマンション・IT化・設備施設の高度化など建物の高度化・高層化による管理の専門性・高度化
(7)災害の頻発・大規模化への対応の緊急性、大地震・風水害・熱射等の自然災害の危険度の急拡大

 これらは、管理組合財政の悪化、管理会社の経営悪化、マンションの資産価値・居住価値の下落、管理不全や劣化・スラム化、そして外部不経済に繋がっていきます。

 こうした諸課題に向けて当協会が特に注力してきた取組みが「マンション管理がマンションの市場価値へ正しく反映される仕組みづくり」です。
 当協会を含む11団体からなる「マンション管理適正評価研究会」を立ち上げ、管理情報の開示の在り方、等級評価の手法、評価項目の選定や評価ポイントの配分等について議論して参りました。
 研究会では、マンションの基礎的情報である「一般情報」、購入(予定)者により評価・判断が分かれる「客観情報」、管理状況を評価付けして示す「等級評価」に区分のうえ、等級評価の項目を「管理組合体制関係」「管理組合収支関係」「建築・設備関係」「耐震診断関係」「生活関連」の5つに分類。評点に応じてS~Dの5段階評価とする方式の中間とりまとめを行い、近日公表の運びです。

 国土交通省では、所管委員会においてマンションの適正な管理の評価・認定の制度についての業界団体との連携や、適正な管理を行うマンションに対するインセンティブの付与についての検討などについての言及がなされ、研究会の方向性と同じくするものと、大変好ましく受け止めているところです。
 管理情報開示の等級評価をはじめとする新たな制度が、不動産市場で広くオープンに開示されるよう、業界横断的な活動をさらに進めて参ります。

 また、法定書面の電子交付等の社会実験の成果を踏まえ、従来の対面原則・書面交付原則に係る現行規制の在り方を見直す法改正が行われることに大きな期待を寄せています。管理業務の生産性向上や人手不足等への対応として、AIやIOT等の先進技術の活用推進も、今後の重要なテーマと考えています。

(公財)日本賃貸住宅管理協会会長 末永照雄氏

 令和2年の年頭にあたって、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年、国土交通省は官民の共通指針として「不動産業ビジョン2030」を策定し、その重点政策課題の一つに「賃貸住宅管理業者登録制度の法制化」が明記されました。当協会も引き続き全国約1,650社の会員と一体となって、適正な管理業務の確立・遂行を目指します。賃貸住宅管理業の法制化と賃貸不動産経営管理士の国家資格化の実現に向けて、業界の友好団体と足並みを揃え、行政との連携をさらに深めて参ります。
 国土交通省が推進する「不動産の最適活用」においては、管理が重要な役割を果たします。賃貸住宅管理業の質的向上を更に図るために、市場の実態調査による統計データの構築や相続支援コンサルタント講習等を通じて、経営幹部・従業者の育成に重点を置いて取り組みます。
 最後になりますが、皆様の益々のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げて、新年のご挨拶とさせていただきます。

(一社)賃貸不動産経営管理士協議会会長 原嶋和利氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年、国土交通省は「不動産業ビジョン2030」を策定し、重点政策課題に「賃貸住宅管理業者登録制度の法制化」を掲げました。これからの10年は賃貸住宅管理の重要性が益々高まる時代となります。賃貸不動産経営管理士試験の累計合格者数は現在6万1,000名を超えました。賃貸不動産経営管理士が果たすべき役割は更に大きくなり、昨年の試験受験者は2万5,000名を突破し過去最高となりました。

 本年は、国家資格化を見据えて試験時間を120分、出題数を50問に変更します。
 当協議会は、借主と貸主の安心・安全な住環境の維持向上及び賃貸住宅管理業の適正化を進める人材を育成し、賃貸不動産経営管理士の国家資格化の実現に向けて邁進します。本年も皆様のご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

(一社)住宅生産団体連合会会長 阿部俊則氏

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 昨年10月、5年半ぶりに消費税率が引上げられました。前回の8%引上げ後に消費が低迷した教訓を踏まえ、今回は既定の対策に加えて「住宅ローン減税の控除期間の延長」、「次世代住宅ポイント制度の創設」等が追加的に措置されましたが、前回ほどではないものの税率引上げ後の住宅需要にはかなり大きな落込みが見られます。また、英国のEU離脱や米中貿易摩擦の再燃等による世界経済への影響も懸念され、国内景気をしっかりと下支えすることが喫緊の課題となっています。

 こうした状況の中、令和2年度税制改正大綱では、期限切れを迎える住宅関連の様々な租税特別措置に関する適用期限の延長が明記され、住宅の取得やリフォーム等に伴う消費税以外の税負担の増大が回避されることとなりました。また、消費税対策の一環として今年度から実施されていた次世代住宅ポイント制度についても、工事着手時期等に関する要件が緩和され、引続き住宅需要の下支え効果を発揮することが期待されます。

 一方、昨年は大規模台風による河川堤防の決壊や送電設備の損傷により、多数の住宅で浸水や強風による損壊が発生し、一部の地域では長期停電に見舞われました。地球温暖化とも関連してこのような大規模自然災害が頻発する状況の中で、国土強靭化の一環として生活の器である住宅についてもレジリエンス性の向上を図ることが重要な課題です。

 ZEHはこれまで主として地球温暖化阻止に向けた脱炭素社会実現の一方策として普及が図られてきましたが、昨年の台風による長期停電時には自律的な発電機能や蓄電機能を有するZEHが高いレジリエンス性を備えていることが再認識されました。こうした状況の下、本年度の補正予算案では経済産業省が所管するZEH+R等の整備予算が追加措置されるとともに、これまでは補助対象とされていなかった年度を跨いで建設されるZEHを補助対象とする運用改善が行われることとなりました。さらに来年度予算案におけるZEH補助予算額は今年度を上回るものとなっており、ZEHの普及がさらに加速することが期待されます。

 ところで、既に述べたように来年度の税制改正では住宅取得等に係る消費税以外の税負担の増大はとりあえず回避されましたが、住宅政策が目指すストック型社会(良質な住宅を作って、適切に維持管理し、市場で流通させながら長く活用する社会)を実現するためには、住宅税制もそれにふさわしいものへと抜本的な見直しを行うことが重要な課題です。当連合会では引続き住宅税制に関する調査研究を続け、政府に対しそのあるべき姿を提言してまいりたいと考えています。

(一社)プレハブ建築協会会長 芳井敬一氏

 令和2年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 本年も当協会の活動に対しまして、格別のご厚情を賜りますようお願い申し上げます。

 昨年は、九州地方の豪雨、台風15号、19号による風水害など、多くの災害が発生しました。お亡くなりになられた方々には謹んで哀悼の意を表し、被害に遭われた方々には心よりお見舞いを申し上げ、被災された地域の一日も早い復旧・復興が進まれるようお祈り申し上げます。

 当協会では、災害発生後、政府のご指導を頂きながら、地元自治体と調整し、被災者のための応急仮設住宅の早期建設に努めました。台風19号では、宮城県、茨城県、長野県に新たに計313戸の建設を行い、昨年11月末にはお引き渡しを開始、年末までには全戸完成し、被災者の方々にご入居頂くことが出来ました。また年末には、新たに埼玉県から約80床の福祉仮設住宅の建設要請を頂き、地域のコミュニティーの維持という新たなニーズにも対応しながら、3月中の完成を目指し、取り組んでいるところです。建設にご尽力いただいている関係の皆様に心よりお礼を申し上げます。
 今後も、被災者の気持ちに寄り添い、迅速かつ積極的な対応を行うとともに、遠からず起こり得る大規模災害に備え、応急仮設住宅の建設、住宅の復旧・復興をスピードを持って、かつ的確に行える体制の整備に引き続き取り組んでまいります。

 また、現在の日本の住宅ストックの状況を見ると、耐震性の低い住宅が約900万戸、バリアフリー性能、省エネ性能が不十分な住宅が約2,200万戸あるなど、いまだ性能水準の低いものが多く存在しています。
 当協会会員会社は、長期優良住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)をはじめとする品質・性能の優れた住宅を積極的に供給しています。昨年の災害では、ライフラインが寸断され、蓄電や創エネによるエネルギーの自立的な確保で災害時にも住み続けられるレジリエンス性の高い住宅に対する関心が高まっており、こうした新たなニーズにも積極的に対応する必要があります。良質な住宅ストック社会の実現のためには、性能の高い優良な住宅の建替え、あるいはリフォームによる既存住宅の性能向上を車の両輪として推進することが不可欠です。このようにして良質な住宅ストックを形成することによって、初めて、既存住宅の適正な評価や円滑な流通も促進されると考えます。

 本年夏には東京オリンピック・パラリンピックが開催され世界各国・地域から多くの方々が来訪し、日本が改めて注目を集めることになります。この機会を新しい時代のさらなる発展への礎とし、日本がさらにはばたいていく年になりますことを期待しております。

 今後とも会員の皆様と協力し共に発展していけるよう、微力ではございますが、努力してまいりますので、引き続きご支援、ご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、皆様のご健勝とご多幸を心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

(一社)日本ツーバイフォー建築協会会長 池田 明氏

 令和二年の年頭にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。
 昨年は大きな台風が相次ぎ甚大な被害をもたらしました。改めまして被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。

 さて、昨年は消費税率が引き上げられ、住宅ローン減税の控除期間延長等の施策により、懸念された駆け込み・反動減はともに比較的軽微なものとなりましたが、最近の住宅着工は前年比マイナスを続けており予断を許さない状況にあります。住宅投資は内需の柱であり住宅は国民生活の基盤でありますので、今後も住宅市場の動向を的確に見極め、必要な対策が機動的に講じられることを期待したいと存じます。さらに消費税率の引き上げにより国民負担が高まる中で、多岐多重に課税されている住宅については、消費税の恒久的負担軽減を含む住宅税制の抜本的見直しについて本格的に検討願いたいと考えております。

 国民の住宅に対するニーズは益々多様化が進んでおり、環境意識の高まりやライフステージ、ライフスタイルに応じた豊かな住生活を営むことができる良質な住宅ストックを形成していくことが必要です。ツーバイフォー工法は我が国に導入されて以来、耐震性をはじめとする高い性能で消費者の信頼を得てきておりますので、そうした信頼に応えストックの時代にふさわしい住宅・建築として一層発展させていきたいと考えております。特に昨年は建築規制の見直しにより準耐火建築物の対象が拡大されましたので、ツーバイフォー工法で木材の「あらわし」を一層活用できる部材・技術開発の早期実用化を図ってまいります。また、こうした取り組みを通じ循環資源である木材を利用する「木の建築」の供給推進により、低炭素社会の構築にさらに貢献してまいりたいと存じます。

 本年も皆様の変わらぬご支援、ご指導をお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝とご多幸を心より祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

(一社)日本木造住宅産業協会会長 市川 晃氏

 新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

 昨年も台風などによる大規模な自然災害が頻発し、各地で大きな被害をもたらしました。地球温暖化による異常気象への対応を急がねばなりません。

 国内経済は、雇用・所得環境等が改善されて、本年も緩やかに成長するものと予想されますが、慢性的な人手不足への対応や、長期化する米中摩擦をはじめとした海外発の下方リスクの影響など予断を許さない状況にもあります。

 住宅産業に目を向けると、昨年10月に実施された消費税増税の影響は、政府の施策により前回の引き上げ時と比べると小さいものの、住宅需要には落ち込みが見られます。また依然として、少子高齢化による労働力人口の減少、空き家の増加など課題も山積しています。なかでも、良質な住宅ストック整備は急務です。リフォームや建て替えにより、質の良い住宅を整備し維持管理するとともに、建物の価値を適正に評価し、適時適所に住み替えができる流通市場の環境整備が不可欠です。あわせて国土強靭化の一環として、災害時にも自立的にエネルギーの供給ができる等レジリエンス性を備えた住宅も望まれます。

 国民それぞれがライフステージにあった時期に住宅取得が叶うように、また国内経済の牽引役でもある住宅投資を適切に誘発するためにも、これら重要課題の解決に向け業界全体で取り組むとともに、引き続き多岐多重にわたる住宅税制の抜本的な改正、住宅消費税の恒久的な負担軽減を要望して参ります。

 令和時代を迎える中、世界各国で大規模木造建築物の普及が進んでおり、国内でも新国立競技場に代表されるように大規模建築物での木材利用など、木材需要拡大の機運は高まっております。木住協では、木の持つ可能性を十分発揮できるように構法の技術開発に取り組み、地球環境に優しくサスティナブルな素材である木の良さを人々に訴え、持続可能な社会の実現を目指し活動して参ります。

 本年も何卒よろしくお願いいたします。

(一社)日本ビルヂング協会連合会会長 木村惠司氏

 新年あけましておめでとうございます。

 昨年も暴風や豪雨などの自然災害が全国各地で猛威をふるい、住まいや交通網、生活インフラに多大な被害をもたらし、いまだ不自由な生活を強いられている方もいらっしゃいます。改めてお悔み申し上げます。

 今年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、世界各国から多くの観光客が日本を訪れます。国を挙げての一大イベントであり、選手や関係者、観客を迎え入れる準備、安全に競技を進行する暑さ対策や警備体制の整備など、万全を期す必要があり、成功裡に終わることを願っています。

 東京オリンピック・パラリンピック以降の社会経済状況がどうなっていくのか、短期的な見方はできても、状況変化が激しく、中長期的に予想することは簡単ではありません。そういった観点から、2020年はひとつの大きな転換期になると感じています。これはビル業界にとっても例外ではなく、AIやIoTの進展、新しい考え方や新技術の開発によって、ビル経営はさらに進化していくはずです。稼働している資産をいかに効率的に管理・運営していくかというビル業界のテーマに加え、日本の大きな課題である生産性向上の実現に向け、連合会をあげて検討していく一年になるだろうと感じています。

 また、地方創生、地方の都市づくりに果たすビル業界の役割は大きく、ビル業界はますます重要な産業になっていきます。全国19協会の会員の英知とノウハウを結集し、関係団体とも連携を図りながら、政府等への働きかけを活発化させていきたいと考えています。

(一社)不動産証券化協会会長 杉山博孝氏

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 令和の時代の幕開けとなる節目の年に、会長という重責を担うこととなりましたが、その後不動産投資市場は順調に成長を続けており、穏やかな気持ちで新年を迎えることができました。就任以来、従前と変わらぬご支援を賜りました関係各位に感謝を申し上げます。

 わが国経済は、緩やかな成長が続いているものの、グローバルなリスク要因等により、先行きの不透明感は増してきております。そうした中、不動産投資市場は、堅調な不動産市況を背景に着実に成長しています。公募・私募を合わせたリート市場の資産規模は、取得価格ベースで約22兆円、鑑定評価ベースで約25兆円となりました。また2018年以降堅調な伸びを見せていた東証REIT指数は、昨年11月に調整があったものの、2,000~2,200ポイントのレンジで底堅く推移しています。令和2年度税制改正では、当協会が要望した不動産取引やアウトバウンド投資の拡大に資する手当て等がなされ、不動産投資市場のより一層の成長が期待されます。

 今後わが国では、超高齢社会の到来や技術革新の進展等によって、人々のライフスタイル・働き方が急速に変化していきます。医療・介護施設の充実や、多様化するライフスタイル・働き方を支えるイノベーティブな空間提供のためには、多くの開発・更新投資が必要となります。そのため、個人や年金等から必要な資金を集めて循環させるという、不動産投資市場の役割は、ますます重要になっていくでしょう。同時に、J-REITをはじめとする不動産投資商品の拡大、多様化は、人生100年時代を見据えた国民の安定的な資産形成に、大きく寄与するものと考えます。言葉を換えれば、不動産投資市場の発展・進化が、わが国の社会的な課題解決の一助となり、新たな未来を切り拓く呼び水になると言えるでしょう。

 昨年12月には政府から「災害からの復旧・復興」「経済の下振れリスクへの対応」「オリンピック・パラリンピック後を見据えた景気活性化策」を柱とする大規模な新経済対策が打ち出されました。当協会では、本年4月から第6期中期事業計画の最終年度が始まりますが、こうした政府の力強い経済対策を追い風に、本計画で目標として掲げている「成長基盤の強化」を着実に進めるとともに、オリンピック・パラリンピックという好機を捉え、「更なる飛躍」を実現する年にしていきたいと思います。

 皆様の一層のご活躍と、ご健勝をお祈りするとともに、本年が皆様にとりましても、素晴しい飛躍の年となることを願って、新年のご挨拶とさせていただきます。

(公社)日本不動産鑑定士協会連合会会長 吉村真行氏

 明けましておめでとうございます。

 新年のスタートにあたり、国民の皆様、会員の皆様、並びに本会の活動にご理解・ご支援をいただいております各分野の皆様へ、新年の挨拶を申し上げます。

 昨年も九州北部豪雨、台風15号、台風19号等多くの災害に見舞われ、一昨年の大阪北部地震、平成30年7月豪雨、平成30年北海道胆振東部地震に続いて、全国の不動産鑑定士の皆様には被災地・被災者支援活動に大変な尽力をいただきましたこと、まずもって、深く感謝申し上げます。

 さて、令和という新時代を迎え、今年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックというビッグイベントが開催されますが、日本にとってはまさにビッグチャンスであると思います。

 人口減少・超少子高齢化、所有者不明土地問題、空き家問題、大災害等といった様々な課題が山積しており、第四次産業革命といわれる時代を迎え、このような状況に対応できる高い実務能力と広い知見を兼ね備えた専門家・実務家がこれまで以上に必要とされる新時代が到来しております。

 昨年6月の会長就任にあたり、「業務拡充」「人材育成」「地位向上」という3つの所信を表明させていただきました。

1.不動産鑑定士という資格・制度の持続的発展を目指して、時代の要請・社会のニーズをしっかりと捉え、国民の役に立てるような業務拡充
2.次世代を担う人材を発掘し、高い実務能力と広い知見を備えたプロフェッショナルを養成する人材育成
3.有事における災害対策支援活動を始めとした社会的使命をしっかりと果たすこと、信頼性の高いプロフェッショナルとしての仕事を提供することによる不動産鑑定士の認知度アップ、地位向上

 この3つの所信のもと、「具体的な形とすること」「新たな道を拓くこと」を心掛け、一つひとつ着実に取り組みを進めております。

 昨年、制度発足から50周年を迎えた地価公示は、公正・客観的な地価を示すものとして、国民生活や経済活動に不可欠な国民共有の制度インフラとなっており、我々不動産鑑定士は今後も地価公示の果たす重要な役割の担い手であり続けなければなりません。

 また、災害時における住家被害認定調査等をはじめとした被災地・被災者支援活動は、国民が本当に困っている発災直後の有事において、不動産鑑定士が専門能力を発揮して国民の役に立つことができる社会的使命としての活動ですので、しっかりと役目を果たしていかなければなりません。

 既存住宅の流通活性化における取り組みから始まった新たなチャレンジとして、住宅ファイル制度という提言、JAREA HASの開発を始めとした建物評価の推進等を行って参りましたが、国民一人ひとりにとって大変重要な住宅分野に今後も不動産鑑定士は関わり続けなければならないと考えております。

 社会・国民の役に立ち続けることができなければ、不動産鑑定士という資格・制度の今後の発展はありません。
 私達は不動産鑑定士の役割、使命をしっかりと考え、「不動産の価値判断ができる専門家・実務家」として、そして、「有事の時こそ役に立つ専門家」として、国民目線を持って全力で取り組まなければならないと考えております。
 これまで以上に社会的使命を果たせるよう会務に尽力して参る所存ですので、今年も引き続き皆様のご理解・ご支援をお願い申し上げます。

 最後になりますが、皆様の今年一年のご健勝とご活躍を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。

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お知らせ

2020/12/1

「海外トピックス」更新しました!

vol.375 女たちの終の住処【フランス】」配信しました!
パリ郊外のモントルイユ市には、フランス初となる、60歳以上の女性のための公共集合住宅が存在します。建設までの経緯を踏まえつつ、実際の入居者にインタビューを行ない、その暮らしぶりなどを伺いました。