(一財)日本不動産研究所と三鬼商事(株)で構成する「オフィス市場動向研究会」は10月30日、マクロ経済予測をもとに分析した、2025年までの東京・大阪・名古屋のオフィス賃料予測(20年秋)を発表した。
東京ビジネス地区の短期予測(20~21年)は、20年は新型コロナによるマクロ経済の停滞と新規大量供給による2次空室増加の影響で、空室率が3.7%と上昇。10年を100とした賃料指数は、新規供給の多くが事前にテナントが内定するなど、上半期の強い需要の影響で128.0とほぼ横ばいに。21年は、前年の新型コロナによる企業業績の停滞で空室率が4.5%と上昇。賃料指数は125.8に下落するとみている。
中長期予測(22~25年)については、22年は新規供給が少ないが企業業績停滞が続き、空室率は4.5%の横ばい。賃料指数は122.0に下落する見込み。23年は、新規大量供給と経済回復の影響が相まって、空室率は4.5%と横ばいに。賃料指数は119.2と下落し続ける。24年は、前年の新規大量供給の影響で空室率は4.6%と微増。25年は経済回復とともに、空室率は4.3%とわずかに低下する見込み。賃料指数は24年が118.4と底で、25年から経済回復とともに上昇し119.1と予想した。
大阪ビジネス地区は、20年は新型コロナによるマクロ経済の停滞で空室率は3.5%に上昇。賃料指数は、新型コロナ流行前までの需給ひっ迫の影響で126.6と微増する見込み。21年は、前年の新型コロナによる企業実績停滞の影響で空室率が4.4%に上昇。賃料指数は121.2に下落するとみている。
中期的には、22年は企業業績停滞が残る中で、新規大量供給が予定されており、空室率は5.0%に上昇。賃料指数は118.6に下落する見込み。23年は新規供給予定が少なく、経済回復とともに空室率は4.6%に低下。賃料指数は117.2と下げ止まりを予想している。24年は経済回復が続くが、新規大量供給も予定されており、空室率は4.5%とほぼ横ばいに。25年は経済回復とともに、空室率が4.0%に低下。賃料指数は経済回復とともに、24年は117.5に微増、25年は118.1と上昇する見込み。
名古屋ビジネス地区は、20年は新型コロナによるマクロ経済停滞で、空室率は3.4%に上昇。賃料指数は、新型コロナ直前までの需給ひっ迫の影響で117.6とほぼ横ばいの予想。21年は、前年の新型コロナによる企業業績停滞の影響で、オフィス床の需要が弱くなり空室率は4.8%に上昇。賃料指数は115.6と下落するとみている。
中長期予測では、22年は企業業績停滞が続き、空室率は5.1%に上昇、賃料指数は113.9に下落すると予想。23年は新規供給予定が少なく、経済回復とともに空室率が4.9%と低下に転じ、賃料指数は112.8と下落し続ける。24年は、新規供給が2万5,000坪と若干増えるが、経済回復によるオフィス床の需要増加により空室率が4.7%に低下。25年は4.5%とわずかに低下するとしている。賃料指数は経済回復とともに、24年に112.4と下げ止まり、25年は112.6とわずかに上昇する見通し。