不動産ニュース / 政策・制度

2021/5/14

マンションの要除却認定基準を検討/国交省

 国土交通省は13日、1回目の「要除却認定基準に関する検討会」(座長:深尾精一首都大学東京名誉教授)を開催した。

 2020年6月の「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」の改正により、老朽化したマンションなど、「要除却認定」の対象となるマンションの類型を拡充、マンション敷地売却事業の対象および容積率の緩和特例の適用対象を拡大した。具体的にはマンション敷地売却事業および容積率の緩和特例の対象として「1.外壁等剥落」「2.火災安全性に問題」がある物件、容積率の緩和特例の対象として「3.配管設備腐食」「4.バリアフリーに問題」がある物件を加えている。同会では、これら4つに該当する物件が認定を受けるための基準を検討していく。

 同省住宅局市街地建築課長の宿本尚吾氏は「これまでマンション敷地売却事業および容積率緩和特例の対象は耐震性不足のマンションのみだったが、昨年の改正で簡易な修繕で改善することが困難であり、除却することも合理的な選択肢の一つと考えられる物件が対象に加わった。12月の施行までに、マンション管理組合や国民の皆さんが使用しやすい基準づくりを進めていきたい」と述べた。

 外壁等剥落では、 これまでの現地調査から得られたデータをもとに、 一定の鉄筋腐食が発生している可能性が高いことを判定基準とした 。鉄筋コンクリート造を対象とし、 技術者の目視のみの判定を可能とする前提。調査箇所数は多くなるほど、観測率の閾値は低くなるので、調査箇所数が「8以上」「15以上」「30以上」の3つのケースに分けて、判定式を定める。

 火災安全性では、現行の建築基準法と照らし合わせ、規定に不適合なもので簡易な修繕で基準に適合させることが困難なものを、配管設備腐食等では、スラブ下配管方式の排水管で複数の箇所で漏水が生じていることを基準とした。

 バリアフリーについては、建物出入口から多数の者が利用する居室(集会室等)、または各住戸に至るすべての経路について、移動等円滑化経路に適用される基準に適合していないものなどが目安になるとしている。

 委員からは「4つの分野でそれぞれ適切に判断できる資格者の明示」「外壁剥落における物件規模に対する必要な判定箇所数の明確化」が必要という意見があったほか、「明らかな違法物件には適用が難しいことを事前アナウンスする必要性がある」などの指摘はあったものの、大きな修正点はなく概ね原案通り進行する見込み。ただし、深尾座長らからは「今回は法改正に対応するため短期間で検討した上での基準策定だが、今あるマンションストックの課題を洗い出すなど、長期的な視点での基準の検討も必要」というコメントがなされた。

 次回の検討会は6月7日に開催。今回の意見を踏まえ見直した「基準の概要」について検討する予定。8月には「基準案」を示す予定。

この記事の用語

要除却認定マンション

耐震性が不足していること、外壁の剥落等により危害を生じる恐れあること、または、バリアフリー性能が確保されていないことが認定されたマンションをいう。認定は、管理組合の申請に基づき特定行政庁が行なう。

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