不動産ニュース / 政策・制度

2021/6/24

未来の不動産業の在り方で中間整理/国交省

 国土交通省は24日、5回目となる「『ひと』と『くらし』の未来研究会」を開催。中間整理を示した。

 これまでの「年を重ねても幸せなくらし」「ベーシックインフラの豊かなくらし」「beyondコロナの新しいくらし」といったテーマの議論を踏まえ、地域の魅力はコミュニティであるとし、「QCL(Quality of Community Life)」を高めることが重要であると定義。
 「コミュニティ=未来へ向けた新たなインフラ。」として捉え、多様なプレイヤーがいる中、官民を問わない地域のコミュニティへの参画によって、地域の「くらし」に関わるあらゆる「境界」を越えたコミュニティの空間や場の創出が求められているとした。不動産事業者が、さまざまな産業の事業者等と連携しながら、そういった場の形成等に取り組むことで、同研究会がテーマとして設定していた“幸せな「くらし」の実現”につながるとみている。不動産業・賃貸住宅管理業は、「地に足のついた社会に必要不可欠なクリエティブ産業。」であるべきとした。

 今後の研究会の方向性についても発表。これまでの研究会で得られた課題(「空き家流通の促進」「地域全体における社会福祉の形成」等)のほか、各地大学との連携によるより広範な収集によって得られた課題をもとに、コミュニティの場を形成していく上で必要な制度について検討するとした。研究会メンバーである(株)まめくらし代表取締役・(株)nest代表取締役の青木 純氏、合同会社ミラマール代表社員の川人 ゆかり氏、プロジェクトデザイナーで(株)umari代表取締役の古田秘馬氏からは、「共通基準は最低限で地域それぞれに合った基準が必要。前例がない場合は、まずプロジェクトを走らせて、その後に制度を設けるのがベスト」「実証実験を行なって、ケーススタディにより制度設計を行なってもよいのでは」「現行制度を変えるとなると大掛かりになることから、スピーディに進めていくためにも、まずは現行制度をどのように活用することが有効なのかを考え、周知するべき」などの意見が出た。

 また、不動産事業者が他業種等と連携しながら取り組むまちづくりなどの先進的事例を収集。関係機関での共有の上、成功事例の拡大に向けた既存制度ボトルネックの解消、活用の促進に向けた情報の発信を行なうとした。

 会の最後に国土交通審議官の野村正史氏が「賃貸住宅管理業の今後の在り方について検討することをテーマにスタートした研究会だったが、ストックマネジメントの域を超え、『ひととくらしの未来』というテーマに合った広い視点でご議論いただけた。今後、リモート化・多様化がポイントになっていくとみており、変化する暮らし方や多様化する借り手に対応するコミュニティをつくることが地域にネットワークを持つ不動産事業者の重要な役割になっていく」と述べた。

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