不動産ニュース / 政策・制度

2021/12/1

国交省、空き家再生等によるまちづくりを視察

 国土交通省は1日、「『ひと』と『くらし』の未来研究会 Season2」の2回目を開催。空き家再生などによるまちづくりを現地で視察し、その視察先である広島県尾道市にあるレンタルスペース「SIMA salon」を会場として、視察の感想や今後のまちづくりに必要なことなどをディスカッションした。

 同研究会 Season1では、人々の生活様式が大きく変化する中、居心地が良い日常の「くらし」を実現するには、各地域に住まい、集う「ひと」に着目し、「くらし」に関わるあらゆる産業分野や地域コミュニティデザインの担い手と連携しながら、地域の新たな価値や可能性を創造していくことが求められていると結論付けた。Season2では、先進的な不動産事業者の取り組みや地域コミュニティとの関わり方について、全国各地の実地調査を行ない、ケーススタディを進めるとしている。コアアドバイザーとして、(株)まめくらし・(株)nest代表取締役の青木 純氏、合同会社ミラマール代表社員の川人 ゆかり氏、プロジェクトデザイナー・(株)umari代表取締役の古田秘馬氏、(株)巻組代表取締役の渡邊享子氏が参加している。

 1回目の会合での意見交換や視聴者からの公募を踏まえ、視察先を香川県三豊市、広島県尾道市に決定。三豊市では、地域企業が連携し、空き家等も活用しながらさまざまな事業が生み出されているだけでなく、I・Uターン者などさまざまな人を巻き込みながらまちの活性化が図られている。尾道市では築年数の経過した建物を有効活用した再生事例が150物件を超えている。コアアドバイザーと事務局は11月29・30日に現地を視察した。

 コアアドバイザーからは「地元の会社同士の協力体制が強固なのはもちろん、移住した起業家などがチャレンジしやすい環境が整っている」「一人が出したアイディアをとりあえず走らせて、10プロジェクトのうち1プロジェクト成功すればいいというバイタリティがすごい」「一見使用不可能に見える空き家であってもとりあえず購入してさまざまな工夫で再生させている。勉強になった」などの感想が聞かれた。また、同視察を踏まえて、今後幸福度の高い暮らしを実現できる住まいの提供やまちづくりを進めていくためには、「地域単位で柔軟に建物再生や建築などにチャレンジできる枠組みがあるといいのではないか」「一人(1社)が負担するのではなくプロジェクト全体で負担できる金融支援制度があると実行しやすいのでは」「空き家をリノベーションして起業家等を呼び込むというのが空き家再生のスタンダードになりつつあるが、それだけにこだわらない、新しい発想の再生手法も考えていくべき」などの意見が挙がった。

 視察に参加した同省不動産・建設経済局参事官の竹内重貴氏は、「今回の視察を通じて政策のヒントをいただいた。まちは人がつくっていくものだと改めて実感した。今回の視察先のような幸福度の高い暮らしができるまちを全国各地で増やしていくにはどういった指針が必要なのか、検討していきたい」と述べた。

 次回会合の開催時期や内容は未定。

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