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2021/12/13

家賃債務保証業、居住支援法人との連携等が重要

 国土交通省は10日、「第3回 家賃債務保証業者会議」をウェブで開催した。

 家賃債務保証業者登録制度の登録家賃債務保証事業者による業務の運営の適正化と、登録制度のより一層の周知・普及を図ることが目的。家賃債務保証業に係る情報提供を行なうとともに、家賃債務保証業界として顧客に提供できる価値・サービスの共有をテーマとしたパネルディスカッションを実施した。

 家賃債務保証業者登録制度は、適正に家賃債務保証業務を行なうことができる者として一定の要件を満たす家賃債務保証業者を国に登録するもの(任意制度、5年更新)で、2017年10月に開始。登録業者数は83業者。同省は、同制度の今後の課題として、登録数を伸ばすために賃借人・賃貸人の認知度向上などをあげたほか、高齢者をはじめ、住宅確保要配慮者への支援の必要性が高まっていることなどを踏まえて、保証業者の居住支援法人との連携が重要であるとした。保証商品の開発や居住支援サービスとセット化商品の提案などが想定できるとしている。

 (公財)日本賃貸住宅管理協会・家賃債務保証事業者協議会は、直近の取り組みとして、21年7月に賃貸保証契約書のひな型を作成、「保証委託契約・賃貸保証契約実務書式集」も発行したと発表。家賃債務保証業の理解向上に努めているとした。協議会としてみる今後の課題として、「賃借人の家賃債務保証業への理解不足」「保証業者における居住支援の推進」などをあげた。その課題解決に向けて、家賃債務保証業者制度や同書式集の普及、住宅セーフティネット制度における家賃・家賃債務保証料の低廉化支援の普及・促進などを推進するとしている。

 パネルディスカッションでは、同制度の登録業者5社((株)Casa、ナップ賃貸保証(株)、日本賃貸保証(株)、(株)ラクーンレント、(株)レキオス)が展開する賃借人向けの居住支援の取り組み等を紹介。各社、家賃債務保証業だけにとどまらず、他団体や組織と連携し、フードバンク事業への参画、シングルマザー向けの養育費の支援などを展開しているとした。また、居住支援法人と連携した家賃債務保証業のほか、自ら居住支援法人の指定を受け、住宅確保要配慮者に向けたさまざまな支援を実施している会社もあった。そういった取り組みの効果として「入居者はもちろんオーナーや管理会社のさまざまな悩みについてトータルでサポートができる」「感謝の声を頂戴できる機会が増え、社員のモチベーションアップにつながっている」などがあがった。

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家賃債務保証

住宅の賃貸借契約に当たって、家賃債務を担保するために求められる保証をいう。連帯保証人を立てる方法が一般的であるが、それに代わって、家賃滞納の場合に一時的に立替え払いするサービス(家賃債務保証サービス)が活用されることもある。

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