不動産ニュース / その他

2022/9/20

令和4年基準地価、業界各トップがコメント

 国土交通省が20日に発表した「令和4年 都道府県地価調査」結果を受け、業界団体・企業のトップが以下のコメントを発表した(以下抜粋、順不同)。

■(一社)不動産協会 理事長 菰田正信氏
■(一社)不動産流通経営協会 理事長 竹村信昭氏
■(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 坂本 久氏
■(公社)全日本不動産協会 理事長 秋山 始氏
■三菱地所(株) 執行役社長 吉田淳一氏
■住友不動産(株) 代表取締役社長 仁島浩順氏
■東急不動産(株) 代表取締役社長 岡田正志氏
■東京建物(株) 代表取締役 社長執行役員 野村 均氏
■野村不動産(株) 代表取締役社長 松尾大作氏

■(一社)不動産協会 理事長 菰田正信氏

 今回発表された都道府県地価調査では、全国の全用途平均と商業地が3年ぶり、住宅地は31年ぶりに上昇に転じた。コロナ禍からの経済活動の正常化が徐々に進む中での不動産に対する堅調な需要が地価にも反映されたものと認識しているが、先行きについては、コロナ禍の動向やウクライナ情勢の影響、海外経済の下振れ懸念等、非常に不透明な状況にあり、地価動向についても十分に注視していく必要がある。

 世界的に不確実性が増大する中、持続可能な経済社会の実現に向け、脱炭素化やデジタル化といった大きな変革を遂げるとともに、イノベーション等により新たな付加価値を生み出していくことが極めて重要だ。そのためには、民間の活力を生かした投資を強力に推進し、様々な社会課題の解決を経済成長のエンジンに変え、我が国の競争力を一層強化していかなければならない。

 とりわけ、都市・地域の土地・不動産ストックの有効活用や生産拠点の国内回帰を促し、事業再編等の新たな設備投資を喚起・支援することが必要だ。また、国際競争力強化に向けた都市再生の強力な推進により、政策課題に応える新たな付加価値の担い手となる産業等の多様なニーズに応えるビジネス環境を整備し、大都市でしか成しえない機能集積を図るための施策が不可欠だ。

■(一社)不動産流通経営協会 理事長 竹村信昭氏

 本年の都道府県地価調査では、経済社会活動の正常化が進むなか、全国的な地価回復の動きが確認された。地価は、全国全用途平均で3年ぶりに下落から上昇に転じた。住宅地は、31年ぶりに上昇に転じ、東京圏・名古屋圏・地方四市を中心に、地価の回復傾向が全国的に進んだ。特に都市中心部や生活利便性に優れた住宅地で上昇が継続するなか、生活スタイルの変化による需要者のニーズの多様化等により郊外部にも上昇範囲が拡大している。

 足元の既存住宅の流通市場は、概ね順調に推移している。東日本不動産流通機構の統計によると、首都圏マンションの成約件数は対前年で減少傾向にあるが、一方で成約価格は27カ月連続でプラスとなっている。営業現場においては、旺盛な購入需要に支えられ取引件数は底堅さを維持している。しばらく続いてきた売却物件不足にも改善の動きがみられるなか、取引価格は依然として強含みの状況にある。

 わが国の景気は緩やかに持ち直しているものの、世界的な金融引き締めの影響による金融資本市場の変動、原材料価格の上昇や供給面での制約等が懸念されるなか、景気が底割れすることなく経済を成長軌道に乗せるには、地価が安定的に推移することが先ずもって重要である。そのためにも、内需の牽引役である住宅・不動産流通市場のさらなる活性化は不可欠である。

 当協会としても、顧客から信頼され満足いただける「安心・安全な不動産取引が実現する市場」と「多様なニーズが充足される厚みのある市場」の実現を目指して、不動産流通市場の活性化に引き続き鋭意取り組んでまいりたい。

■(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 坂本 久氏

 令和4年の都道府県地価調査は、全用途平均が3年ぶりに上昇に転じた。住宅地は、実に31年ぶりに上昇し、新型コロナの影響を受けマイナス傾向であった商業地も3年ぶりに上昇に転じた結果であった。

 都心を中心に住宅需要が堅調であること、低金利環境、住宅取得支援策による需要の下支え効果を受け全用途が堅調に推移したものである。

 また、経済活動の正常化が進むなか、これまで弱含みであった住宅等の需要の回復が鮮明となり全国的にも波及したものである。

 全宅連不動産総合研究所による最新の土地価格動向でも実感値でプラス14.0ポイントと前回調査時と比べ2.0ポイント上昇し、6調査連続で改善されていることからも回復傾向は確実なものと認識している。

 一方、24年ぶりとなる円安の進行と海外のインフレ懸念と金利上昇、国内では原材料価格の高止まりなどの要因が見受けられることから、今後の住宅市場への影響が懸念されるところである。

 全宅連では、全国的に回復傾向が鮮明となった地価が腰折れとならぬよう、年末の税制改正に向け「相続税3,000万特別控除」及び「低未利用地100万控除」の期限延長・拡充について要望活動を行っていく。

■(公社)全日本不動産協会 理事長 秋山 始氏

 令和4年の都道府県地価調査においては、全国の全用途平均が3年ぶりに上昇に転じ、さらに住宅地の全国平均が実に31年ぶりの上昇となるなど、路線価に続いて脱コロナによる地価の回復傾向が明確になったといえる。

 圏域別にみると住宅地、商業地を通じて地方四市の堅調ぶりがひと際目立っており、とりわけ札幌市では中央区など市内中心部の活況が周辺区から隣接市まで裾野を伸ばしている。今回、用途別の全国変動率順位において、住宅地及び商業地各10傑のうち商業地の6位に千葉県木更津市が入ったのを除いて、残るすべてを北広島市、江別市、石狩市、恵庭市、千歳市といった札幌市の隣接市・近隣市が占めているのが、その証左といえよう。瞠目させられる指標である。

 このとおり、総じてみれば全国的に地価の回復・上昇基調に入ったと考えられる中、目下の懸念要因は反転材料の見当たらない「行き過ぎた円安」である。昨年のウッドショック、アイアンショック以来、輸入建築資材の高騰による建築費の高止まりが続いており、戸建て、マンションともに取得価格が大きく上昇している。この結果、住宅を求める消費者にとって“手の届く物件”の層が明らかに変わって来ているほか、直近の消費者物価指数は前年同月比3.0%の上昇(令和4年8月分)と消費財の値上がりによる家計への影響も日増しに大きくなっており、住宅の買い控え、購買意欲の減退を招くおそれが少なくない。

 ここから年末に向けての為替の動きを注視したいが、ドメスティックに解決できる問題ではないだけに大きな期待は抱き得ない。

 

■三菱地所(株) 執行役社長 吉田淳一氏

 令和4年 都道府県地価調査は、3年ぶりに全国全用途が上昇に転じた。特に住宅地は31年ぶりの上昇となった。経済活動の正常化が進み、コロナ禍で停滞した住宅・店舗等の需要は回復傾向にあるものの、コロナが及ぼす影響は依然として大きく、加えて国際情勢や資源高、急速な円安などの状況も引き続き注視していく。

 ワークスタイルの多様化により、オフィスには共用空間の付加価値を高め「出社したくなるオフィス」であることが求められている。例えば昨年竣工した「常盤橋タワー」は、就業者が社員食堂として利用できる共用カフェテリアラウンジが、テナント企業の入居の決め手になるなど高く評価されている。働く場所の選択肢を増やし、利用者同士のコミュニケーションを促進するプログラムやサービスも提供するなど、テナント企業向けの共用空間を充実させている。

 住宅は、「ザ・パークハウス グラン 三番町26」や「ザ・パークハウス 麹町レジデンス」など都心の高額物件の引き合いが継続して強い。一方、テレワークの浸透などライフスタイルの多様化によって、「ザ・パークハウス 川越タワー」や「ザ・パークハウス 横浜川和町ガーデン」など郊外物件でも販売好調が続いている。
 また円安の進行等の影響により、特に6月以降は都心高額物件などで海外からの反響も旺盛である。渡航制限の緩和後は、海外からの購入希望はより増加すると思われる。
 賃貸マンションでもフレキシブルな働き方への対応を進め、居住者が24時間使用できるコワーキングスペースを併設した「The Parkhabio SOHO」シリーズを立ち上げた。第1弾となる大手町の物件でリーシングが順調に進んでいる。

 なお直近のトピックスとして、「丸ビル」が9月6日に開業20周年を迎えた。丸の内エリアは、人や企業が交流し新たな価値創造を実現するまちとして、より多彩な要素を持ちながらアップデートされていく。
 市況は著しく変化を続けているが、今後もニーズを先取りしたまちづくりを通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきたい。

■住友不動産(株) 代表取締役社長 仁島浩順氏

 コロナ禍脱却に向け、行動制限の緩和による経済活動の正常化が進む一方で、資源高や円安に起因した物価高騰の影響などにより、景気の先行きは予断を許さない情勢が続いている。
 こうした中、商業地では、人流の戻りとともに飲食店舗やホテル需要が回復傾向にある。東京のオフィスビル市況も、一進一退の様相が続くものの、足元では立地改善や、統合、集約などの多様な移転ニーズに加え、採用増による増床など前向きな需要が増えている。
 住宅地は、低金利環境や住宅取得支援策などが下支えとなり、希少性の高い都心部や生活利便性に優れた地域を中心に、新築、中古取引ともに需要が引き続き堅調で、上昇に転じた地点が増加した。

■東急不動産(株) 代表取締役社長 岡田正志氏

 今回の都道府県地価調査では、全国の全用途平均が3年ぶりに上昇に転じた。経済活動の正常化を目指して「WITHコロナ」の流れが広がるなかで、出勤日数の増加などで都心のオフィス需要が増加基調にあること、その一方でテレワークなどの「新しい働き方」が広がり、在宅時間の増加などで住環境への関心が高まった結果、以前から需要が旺盛な都心以外にも環境の良い通勤圏の郊外などにも需要が広がり、全国平均の住宅地が31年ぶりに上昇に転じた。消費志向も徐々に回復基調にあることなどを背景に全国平均の商業地も3年ぶりに上昇に転じた。

 住宅地は東京圏や名古屋圏のほか、地方4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)やその周辺などを中心に地価の回復傾向が見られる。特に都心の利便性の高い住宅地の人気は継続しており、当社でも東京・港区内の高層マンション「ブランズタワー芝浦」など都心部の物件販売が好調に推移している。加えて、コロナ禍でテレワークなどの「新しい働き方」が広がった結果、住環境の良い郊外の住宅地にも注目が集まっている。当社も関西で大阪、京都に通勤しやすい滋賀県草津市で「ブランズティ南草津」を展開するなど、こうした新しい生活様式に合わせた事業展開をしている。

 また、地方圏では地方四市を中心に地価上昇が継続している都市も多く、周辺地域まで波及効果が出ている。北海道日本ハムファイターズの本拠地として来年開業する新球場「エスコンフィールド北海道」や、2030 年の北海道新幹線の延伸への期待などで札幌市周辺の地価上昇が目立つ北海道では「ブランズタワー札幌大通公園」などのマンション開発のほか、すすきのの繁華街の入り口で新たな商業施設「(仮称)札幌すすきの駅前複合開発計画」(2023 年開業予定)の開発を進めてる。インバウンドを中心に人気が高い北海道・ニセコでも当社は地元と協力して観光客の誘客活動を進めている。当社は今後も全国を対象に地域の成長性に着目し事業を展開していく方針だ。

 商業地も上昇に転じた。インバウンド需要の消失やインターネットでの消費拡大など環境は厳しいが、コロナ禍による外出自粛や営業時間短縮などのマイナス要因は一段落し、個人消費が持ち直していることが追い風となっている。当社の運営する東急ステイやリゾートホテルなどの予約状況も回復基調にあり、政府が外国人観光客の入国制限の緩和などを進めており、インバウンド需要が回復すれば、ホテルや商業施設、地方の観光地などに更なるプラス要因となるだろう。オフィス需要では「新しい働き方」が定着する一方、「オフィスに集まりコミュニケーションをとることが重要」と考える経営者も多く、コミュニケーションスペースを確保するための増床の動きなども活発で、都心の利便性の高い立地や新しいオフィスビルなどの A クラスビルの需要は旺盛で、今後もこの傾向は続くとみている。当社の本社がある渋谷では空室率も低い水準で推移している。当社では登録有形文化財の「旧九段会館」を一部保存・復原した今年 10 月 1 日開業のオフィスビル「九段会館テラス」は利便性の高さなどが高い評価を受けリーシングも好調だった。2023 年度竣工予定の「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」などでも「新たな日常」で求められるオフィス空間を提供していく。また、テナント企業の「新しい働き方」のニーズに対応するため、テレワーク施設やワーケーションなどを組み合わせて提供する「GREEN WORK STYLE 未来の自分をつくる働き方」の提供も始めた。

 今後の不動産市場については、国際情勢などのマクロ要因やコロナ禍の影響には引き続き注視する必要があるが、都市部を中心にさらに活況を呈することになるとみている。ただし今後の不動産市場ではオフィスや住宅、商業施設などで同業他社と差別化した不動産開発がますます重要となる。欧米では不動産に対する環境意識も高まっており、国内でも同様の流れが強まると判断している。当社は「環境対応」を大きなテーマに事業展開を進める。緑をふんだんに取り入れたオフィスや住宅の開発のほか、再生可能エネルギー100%活用したオフィスビルや商業施設、住宅などの開発を進めている。全国で開発中も含め84施設、合計すると発電能力は原子力発電所1基分以上の再エネ発電所を保有している強みを生かし、自前の再エネ電力を活用して環境に配慮した働きやすいオフイスなど独自性の高い不動産の環境対応を進めている。企業活動に必要な電力を 100%再エネに切り替える「RE100」の達成目標を 2022年と、当初目標より28年前倒しした。入居した企業が環境対応できるオフィスビルや商業施設など同業他社とは差別化したサービスを提供し、不動産市場のニーズを着実に取り込んでいく方針だ。

■東京建物(株) 代表取締役 社長執行役員 野村 均氏

 今年発表された地価調査は、全用途平均で3年ぶりに上昇に転じるなど、総じて地価の回復傾向が鮮明となった。経済活動正常化に向けた動きや低金利環境が継続しているなか、分譲マンション需要が堅調であることに加え、都市部における再開発事業の進展、EC 拡大に伴う物流施設需要の増大、ホテル・店舗の需要の回復、底堅いオフィス需要などが背景にあると考えられる。
 一方、国際情勢の不安定化を受けた資源価格高騰、世界的な金利上昇などの影響により、国内の景気先行き不透明感も増しているため、地価動向には一層注視していく必要がある。

(商業地)
 ホテル・店舗は、行動制限・水際対策の緩和等により、利便性の高い全国主要都市を中心に人流の回復を受けて売上回復傾向が続くと思われる。また、オフィスについては、リモートワークの普及をはじめとした働き方の多様化により、一部エリアで空室率の上昇やそれに伴う賃料低下も見られるが、その一方で、立地・ビルスペックを重視した移転ニーズの他、一部テナントでは企業の成長による増床ニーズなど埋め戻しの動きも見られる。
 当社では、オフィスワーカーが「通いたくなるオフィス」づくりを進めており、シェアオフィスやセットアップオフィスも含めた企業の様々なオフィスニーズに対応したプランを展開している。今後は企業業績の回復と共にオフィス市況も落ち着きを取り戻していくものと考えている。
 このような状況から、人流の回復基調や底堅いオフィス需要に加えて、不動産売買市場の堅調さなどを背景に利便性に優れたエリアにおける商業地の地価は当面は安定的に推移していくものと考えている。

(住宅地)
 分譲マンションについては、低金利や住宅ローン控除の継続などを背景として、引き続き底堅い需要があり、都心部のほか、生活利便性に富む立地であれば郊外や地方都市でも販売は堅調である。当社は地下鉄御堂筋線に直通する北大阪急行線に約半世紀ぶりに開業する新駅「箕面船場阪大前」(2023年度開業予定、大阪府箕面市)の近くに、「Brillia Tower 箕面船場 TOP OF THE HILL」を建設している。先日オープンしたモデルルームも想定以上のお客様にご来場いただいており、住宅需要の底堅さを感じている。このような状況から、住宅開発用地の取得競争が継続しており、今後も生活利便性の高いエリアにおける住宅地の地価は上昇傾向が継続する可能性もある。

 新型コロナウイルス感染拡大や景気動向は予断を許さないものの、当社はマーケット環境の変化にも臨機に対応し、今後も人々が安全・安心・快適に過ごせる職住環境の実現を目指していく。

■野村不動産(株) 代表取締役社長 松尾大作氏

 今回の地価調査は、全国平均で住宅地は31年ぶり、商業地は3年ぶり、全用途でも3年ぶりに上昇に転じた。経済活動の正常化が進み、新型コロナウイルス感染症の影響等により弱含んでいた需要の回復が反映された形で、住宅地・商業地ともに、東京圏・名古屋圏では上昇が継続し上昇率が拡大しており、大阪圏でも下落から上昇に転じている。地方四市における上昇率はさらなる拡大がみられるなど、全国的に回復が進んだと考えられる。

 住宅市場に関しては、需要は堅調である一方で供給が限られており、売れ行きは引き続き好調である。共働き世帯を中心にテレワークの浸透等による住まいへの関心の高さは続いており、富裕層の動きも活発である。価値観やニーズの多様化は顕著であり、都心・郊外、住宅地・商業地問わず用地取得を行い、ニーズを的確に捉えた商品を企画していく必要がある。用地取得環境が厳しさを増すなかでは、法定再開発をはじめ、公有地の利活用、その他多様な開発手法への継続的かつ中長期的な取組みが以前にも増して重要となる。また地方中核都市においては、中心市街地の再開発、コンパクトシティ化へのニーズは高く、当社では社会的意義の高い事業として積極的な参画を続ける。ただし、金利の上昇、住宅ローン控除の縮小、資材・労務費の高騰に伴う建築費の上昇については、注視しておく必要がある。
 オフィス市場に関しては、賃料は緩やかな下落傾向、空室率は一進一退の状況が続く。コロナ禍を経て、リモートワークを積極的に推奨する企業がある一方で、リアルなコミュニケーションの必要性や採用拡大などによりセンターオフィスを充実させる企業もある。全般的にはどちらに舵を切るべきか様子見の傾向が続いているが、業績好調な業種やオーナー企業・中小企業などでは積極的にオフィスを拡張する動きもみられるようになった。当社はこれらの企業動向を注視しながら、より多様化する働き方に対応できるようにしたい。そのために、オフィスに集まる意義やオフィスが生み出す価値を再定義することと合わせ、時間や場所を選ばないフレキシブルな働き方も実現できる、幅広い空間やサービスの提供を続けて行く。
 商業・ホテル市場に関しては、依然として厳しい環境は続くものの、社会全体の経済活動再開の進捗によって需要の回復が見られる。商業施設は日用品を中心とした地域密着型が堅調に推移している。ホテルは当面国内需要の取り込みが重要となるが、本格的な需要の回復については今後のインバウンドの戻りを待つ必要があるだろう。
 物流市場に関しては、eコマースニーズの拡大を背景に用地取得環境の厳しさが継続、地価は上昇傾向にあるが、独自の開発ノウハウを活かし引き続き積極投資を行う。

 当社は、コロナ禍や地政学リスクなど大きく変化する社会情勢や人々の価値観を念頭に置きつつ、これまで同様お客様に寄り添い、ニーズを的確に捉えた不動産関連商品・サービスを提供していく。
 地価調査は、不動産の取引動向や中期的な展望を反映したものであり、様々なマクロ指標と合わせて今後も重要指標のひとつとして注視していく。

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都道府県地価調査

都道府県地価調査は、国土利用計画法による土地取引の規制を適正に実施するため、国土利用計画法施行令第9条にもとづき、都道府県知事が毎年9月下旬に公表する土地評価である。評価の対象となるのは全国の約2万地点の「基準地」である。

続きはR.E.wordsへ

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2024/3/7

「海外トピックス」を更新しました。

飲食店の食べ残しがSC内の工場で肥料に!【マレーシア】」配信しました。

マレーシアの、持続可能な未来に向けた取り組みを紹介。同国では、新しくビルを建設したり、土地開発をする際には環境に配慮した建築計画が求められます。一方で、既存のショッピングセンターの中でも、太陽光発電やリサイクルセンターを設置し食品ロスの削減や肥料の再生などに注力する取り組みが見られます。今回は、「ワンウタマショッピングセンター」の例を見ていきましょう。