不動産ニュース / 開発・分譲

2022/11/9

百貨店に常設ギャラリー、富裕層を取り込み

「プラウドラウンジ名古屋」エントランス
三越とのコラボレーションコーナー。オープン時はカッシーナのインテリアでリビングを再現した。ガラス張りで買い物客にもアピール。気に入った場合は、そのまま三越で購入できる

 野村不動産(株)は8日、11日にグランドオープンする総合型マンションギャラリー「プラウドラウンジ名古屋」(名古屋市中区)を報道陣に公開した。

 「プラウドラウンジ名古屋」は、2017年に栄の中日ビルに開設。同ビルの建て替えに伴い、19年7月に丸の内エリアに移転していた。新たなギャラリーは、百貨店「名古屋三越」の7階にテナントとしてオープンする。百貨店内へのマンションギャラリーの常設は、同社にとって初の試み。家族連れから富裕層までマンション検討者が多く来店する百貨店で、潜在顧客を開拓する狙い。名古屋随一の繁華街で市内・愛知県内全域へのアクセスが良いことから、愛知県内で販売するすべての物件を案内する。

 ギャラリーは、広さ383坪(約1,266平方メートル)。同社分譲マンションのコンセプトルーム2つに加え、4面シアターやデジタル模型を導入。4面シアターでは、5台のプロジェクターを用いて、床および壁の計4面に映像を映し、案内物件の室内や眺望を体感できるほか、駅までのアプローチ、物件紹介のシアター映像にも活用する。デジタル模型は、物件の外観・内観だけでなく、従来の実物模型では再現しきれなかった建物の周辺状況も細かく確認できる。

 旧ギャラリーから継続して、同社グループカスタマークラブ会員が利用できるオーナーズカフェを併設し、既存オーナーのリピート・紹介を取り込む。また、「名古屋栄三越」のテナントが取り扱うライフスタイル関連商品を展示するコラボレーションスペースを2ヵ所設けた。グランドオープン時には、「カッシーナ・イクスシー」のソファーやテーブル等を配したリビングシーンの演出や、ソファー等の家具を展示する。今後、数ヵ月ごとに展示内容を変更し、インテリア関連だけでなく、絵画や宝飾品などの展示も検討する。展示品は、三越での購入が可能。ガラス張りとなっており、百貨店の買い物客に興味を持ってもらい、来場を促す。

 名古屋三越とともに、富裕層を中心とした双方の顧客へのサービス向上を図る。既物件オーナーへ名古屋三越の外商顧客を対象としたサービス体験を案内するほか、名古屋三越の外商顧客に対してはオーナーズカフェの利用やギャラリーの見学等を案内するなど、相互に連携を図っていく。

 同日会見した野村不動産執行役員名古屋支店長の田中克弥氏は「マンション購入検討者と百貨店の外商顧客とは非常に親和性があり、それぞれが行き交うことにより相乗効果が期待できる。すでにマンションを購入しようと検討している人だけでなく、5年後10年後かは分からないが情報は仕入れておきたいという潜在顧客の接点強化も目的。カフェラウンジで既物件ユーザーと交流を続けることでリピートにつなげていく」などと抱負を語った。
 (株)名古屋三越代表取締役社長執行役員の椎野 聡氏は「富裕層は商品の良さはもちろんブランドストーリーも重要視している。野村さんのプラウドはブランディングが秀逸で、名古屋では圧倒的だ。外商顧客は日常生活におけるあらゆるサービスや商品を百貨店に求めており、車や不動産、マンションのニーズはある。百貨店にふらりと来てマンションを買うという購買行動もあり得る」などと語った。

 野村不動産は、今後も名古屋エリアで年間200~250戸のマンションを供給していく方針で、同ギャラリーへは相談目的、回遊客、カフェ利用のオーナー含め、年間1万4,000人超の来場を見込んでいる。

4面シアターは、実物サイズの室内や眺望をスクリーンに投影して説明する
プラウドマンションオーナーが自由に利用できるカフェコーナー。既存顧客との交流により、リピートや紹介につなげる

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