(公社)全国賃貸住宅経営者協会連合会(ちんたい協会)は6日、自民党本部(東京都千代田区)にて、第55回定時総会を開催。各種報告、審議事項などを決議・承認した。
冒頭、同連合会会長の宮野 純氏が挨拶。能登半島地震の対応を振り返り、5月末時点で石川県、富山県、新潟県に合わせて4,400戸の賃貸型応急住宅を供給したと発表した。
また、賃貸住宅の修繕コスト増、マイナス金利解除によるローンの負担増など、安定的な賃貸経営の継続が危ぶまれる状況であることに言及。「全国賃貸管理ビジネス協会と設立した『賃貸住宅修繕共済』制度は、昨年から全共用部が共済金の対象となった。今年度はさらにその範囲を広げ、家主が安定的に大規模修繕の資金を確保するための支援を行なっていく」とした。高齢者など住宅確保要配慮者の入居支援にも注力。「住宅確保要配慮者の住まい確保については、国の住生活基本計画に掲げられている賃貸住宅政策。要配慮者の民間賃貸住宅への入居促進を図る」と話した。
2024年度は、災害時に空き室情報の提供等を通じた被災者支援事業、居住支援協議会等との連携による住宅確保要配慮者への入居の円滑化など、公益目的事業を推進。新たな住宅セーフティネット制度や、残置物の処理等に関するモデル契約条項等の賃貸住宅に係る国の施策を促進するための周知活動などを行なう。
引き続き、全国賃貸住宅経営者政治連盟(ちんたい政連、会長:高橋誠一氏)が、第18回年次大会を開催。24年度「予算編成および税制改正等における要望事項」を決議・採択した。
重点要望事項として、民間賃貸住宅を住宅セーフティネットとして活用するに当たっての必要な措置、家賃滞納者への明け渡しに係る指針の明示を要求。併せて、円滑な建て替えの推進に向けた借地借家法の正当事由の見直し、既存住宅で改修工事等を実施した後の価格が適正に担保評価される制度の創設を求めた。
継続事項については、現行通り「家賃および共益費への消費税課税は対象外」とすること、住宅扶助費等は滞納実績に関係なく家主等へ直接支払うことなどを要望。賃貸住宅の維持管理および性能向上を推進するための家主向け支援措置、入居者の遺留品等が処分できる施策を講じることも要望事項に挙げた。