不動産ニュース / 調査・統計データ

2024/10/29

賃貸住宅に関する相談トップは「賃貸契約」

 (公社)全国賃貸住宅経営者協会連合会(ちんたい協会)は28日、「安心ちんたいコールセンターにおける無料相談報告」結果を発表した。

 同連合会では、家主・入居者を対象とした賃貸住宅に関する相談、住宅確保要配慮者からの転居相談等に対応するため「安心ちんたいコールセンター」を開設している。同報告は、4~9月までに同コールセンターに寄せられた相談内容をまとめたもの。

 4~9月の相談件数は1,350件。前年同期(2023年4~9月)の986件と比べ、約1.37倍となった。相談者属性は、「入居者」が1,016件で全体の75.3%に。「家主」からの相談は284件で21.0%だった。

 相談者が入居者の場合、相談場面は「入居前」101件、「契約時」65件、「入居中」705件、「退去時」140件、「その他」5件で、入居中の相談がトップに。家主の場合は、「入居前」16件、「契約時」10件、「入居中」202件、「退去時」53件、「その他」3件と、入居者同様に入居中の場面での相談が一番多かった。

 また、相談者が入居者の場合、トラブル等の相手は「家主」262件、「管理会社」619件、「宅建業者」173件、「隣人」20件、「その他」34件という結果に。家主の場合は、「入居者」175件、「管理会社」83件、「宅建業者」16件、「その他」17件となった。相談の場面において「入居中」の相談が多いことから、契約関係が継続している場面において相手方とのトラブルが多いことがうかがえる。

 相談件数1,350件のうち、一番多い相談は「賃貸契約に係る相談」で306件(全体の22.7%)。「修繕」が213件(同15.8%)と続いた。これらは入居中に多い相談内容で、入居後に生じたトラブルが賃貸契約条項に関する疑義、家主または管理会社による修繕対応に対する相談が多い傾向にあった。

 入居者からの相談内容の上位3位は、「賃貸契約関係」(263件)、「修繕」(183件)、「管理クレーム」(119件)。家主は「原状回復・敷金返還」(42件)、「賃貸契約関係」(36件)、「制度・法律のアドバイス」(29件)の順となった。入居者・家主共にトップは前年同期と変わらず、トラブルの多い事項として継続している。

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住宅確保要配慮者

高齢者、低額所得者、子育て世帯、障がい者、被災者等の住宅の確保に特に配慮を要する者をいう。外国人やドメスティック・バイオレンス被害者なども住宅確保要配慮者である。

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