
東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)は30日、JR山手線他「高輪ゲートウェイ」駅周辺で推進している大規模複合再開発「TAKANAWA GATEWAY CITY」(東京都港区)を2025年3月27日にまちびらきすると発表した。まちびらき時は、駅正面に位置するツインタワーの一つ「THE LINKPILLAR 1」が開業し、「高輪ゲートウェイ」駅が全面開業。26年春にその他の棟が完成し、全体開業を迎える予定。
区域面積は約9.5ha。ツインタワー「THE LINKPILLAR 1(北棟・南棟)・2」、複合文化施設「MON Takanawa: The Museum of Narratives」、住宅棟「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」の4棟で構成。開発地の南北長は1.6km、総延床面積は約84万5,000平方メートル。総事業費は6,000億円。
「100年先の心豊かな暮らしのための実験場」をコンセプトに、まちの設備データや関係人口などさまざまなデータを収集・分析する「都市OS」を活用したまちづくりを実践。オフィスの入退場記録データや鉄道データ、商業データを組み合わせ、まちの利便性を高める新たなサービス開発に取り組む。まち独自のアプリでは、都市OSに集約したデータを活用してタイムリーな情報発信を行なうほか、Suica情報と都市OS内のリアルタイムデータを組み合わせ、アプリユーザー一人一人に最適なサービスを実現する。
「THE LINKPILLAR 1」にはオフィス、商業、ホテル(JWマリオット・ホテル東京)、カンファレンスが、「THE LINKPILLAR 2」にはオフィス、商業、ビジネス創造施設などが入居。両ビル低層部は、(株)ルミネによる商業施設「ニュウマン高輪」が開業する。延床面積約6万平方メートル・約200店舗と、同社最大の商業施設となる。
「MON Takanawa: The Museum of Narratives」は、まちの文化・活動のシンボルとして、展覧会やライブパフォーマンス、実験的なプロジェクトなど分野を横断したさまざまなプログラムを通じて、クリエイティブな活動、表現、情報発信、文化を育む拠点。「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」は延床面積約14万8,000平方メートル。高級賃貸住宅のほかインターナショナルスクール等が入居する。また、開発中に発掘された日本初の鉄道の遺構「高輪築堤」について、国指定史跡の第7橋梁部や公園部などを現地保存、信号機土台部を移築保存・公開する。
30日に会見したJR東日本代表取締役社長の喜㔟陽一氏は「当社最大のまちづくり。(鉄道発祥の地という)日本と西洋の文化が融合した、日本初のイノベーションが起きた場所でもあるここから、新たなイノベーションと文化、ビジネスを発信していく」などと抱負を述べた。JR東日本は、同再開発を中心に品川駅周辺、大井町駅周辺、田町駅周辺でも再開発を推進しており「これら“グレーター品川”が1,000億円の収益基盤となる」(喜㔟氏)としている。
