三菱地所(株)とVALT JAPAN(東京都千代田区、代表取締役:小野貴也氏)はこのほど、新大手町ビル(東京都千代田区)に障がい者就労継続支援A型事業所である「(仮称)デジタルイノベーションセンター丸の内 supported by 三菱地所」を開設。21日にマスコミに公開した。
障がいや難病等により働く意思があっても働けない「就労困難者」は、現在労働力人口の5人に1人、約1,500万人に上り、そして950万人とされる障がい者の一般就職率はわずか6%、約60万人にとどまるという。
VALT JAPANと三菱地所は、企業集積地である丸の内エリアにデジタル業務に特化した「デジタルイノベーションセンター(以下、「DIC」)」を開設し、雇用者には「データ入力やWEB制作、AIアノテーション等といったデジタル業務に従事してもらう。デジタル業務の仕事を通じてデジタルの技術を高め、ゆくゆくはここを“卒業”し、各企業への就職を目指してもらう」(小野氏)。
DICにはフリーアドレスのワークスペースを整備。その他2つの面談室や、休憩等に利用できるスペース等も設けた。
三菱地所では、企業が集積する丸の内エリアに開設することで、企業における障がい者雇用を促進するとともに、産業界と障がい者との共創を加速させたい考え。
VALT JAPANは、障がい者に特化したDXプラットフォーム「NEXT HERO」事業を手掛けるスタートアップ企業。企業から受託した業務を全国の就労継続支援事業所と連携し、再分配する事業を展開している。三菱地所が運営するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「BRICKS FUND TOKYO」は、2024年1月に同社に出資を行なった。今回の取り組みは、出資を通じたインパクト投資(財務的リターン+社会や環境に変化・効果を生み出すことを意図する投資)領域における、同ファンド初の事業共創事例となる。
三菱地所代表執行役 執行役社長の中島 篤氏は、「22年に設立した『BRICKS FUND TOKYO』は、社会インパクトの創出を担う幅広い分野のスタートアップへ投資を行なっているVALT JAPANと、誰もが活躍できるまちづくりに向けて議論を進め、今回のDIC設立に至った。就労困難者への就労機会提供や企業の人手不足という社会課題の解決に、この施設が寄与していくことを期待する」とコメントしている。
VALT JAPANでは、まずは今回の施設のモデルを1都3県に拡大、ゆくゆくは全国に展開。地方の雇用創出にもつなげたいとしている。
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