記者の目 / ハウジング

2007/1/31

日本初、テーマパーク型モデルハウスが誕生

東急ホーム、「ミルクリーク・クラストパーク」を発表

 1月27日、千葉県緑区「あすみが丘東」団地内において、東急ホーム(株)(東京都渋谷区、社長:金指 潔氏)による日本初のテーマパーク型モデルハウス「ミルクリーク・クラストパーク」がオープンした。今回は、オープンに先駆けて行なわれたプレス内覧会の様子をレポートしたい。

アメリカの伝統的な建築様式をモチーフにしている
アメリカの伝統的な建築様式をモチーフにしている
「ミルクリーク」の歴史を学べる「ヒストリー館」外観
「ミルクリーク」の歴史を学べる「ヒストリー館」外観
青線は通常の住宅の階段幅。北欧住宅なので幅が広い。
青線は通常の住宅の階段幅。北欧住宅なので幅が広い。
「パフォーマンス館」では、断熱材や構造躯体等について展示している
「パフォーマンス館」では、断熱材や構造躯体等について展示している
水道水と浄化水をテイスティング中。「ドクターズルーム」では、健康への取り組みを測定器などで体感できる
水道水と浄化水をテイスティング中。「ドクターズルーム」では、健康への取り組みを測定器などで体感できる
「ホビー館」にあるアトリエ。フラワーアレンジメントを趣味とする奥様を想定した内装
「ホビー館」にあるアトリエ。フラワーアレンジメントを趣味とする奥様を想定した内装
東急ホーム(株)代表取締役社長の金指 潔氏
東急ホーム(株)代表取締役社長の金指 潔氏

●住まいを遊んで学ぶ、進化型モデルハウス

 大規模郊外団地「あすみが丘東」は、JR外房線「土気」駅より車で数分の場所に立地する。
 団地内にある「ミルクリーク・クラストパーク」は、東急ホームの輸入住宅「ミルクリーク」の全6棟のモデルハウスからなる。全館を回遊することで、住宅の歴史や構造、性能等について、テーマパーク感覚で学ぶことができるという。

 同社は、2004年10月より、泊まれるモデルハウス「ミルクリーク・クラスト」を首都圏主要エリアに展開している。現在は「クラストパーク」を含め、11ヵ所16棟が稼動(展示場は19ヵ所20棟)、体験宿泊を通じて、顧客には実際に設備の使用感や温度差、遮音性などを伝えてきた。
 今回の「クラストパーク」は、その集大成として進化させた手法だ。

 全6棟のモデルハウスは、2階建て、敷地面積約200平方メートル、延床面積約140平方メートル。アメリカの伝統的な建築様式を揃え、6つの特徴ある外観が、発展した時代順に並んでいる。
 東京電力(株)とコラボレーションし、IHクッキングヒーターやエコキュートを設置。ランニングコストの安い空調システムも標準で採用。高気密・高断熱性能も備えており、廊下やトイレ、吹き抜け空間まで、家中どこにいても温度差がない。インテリアは(株)大塚家具と提携し、モデルハウスのタイプに合わせ、内装が施されている。

●テーマ別モデルハウスの新たな形

 6棟のモデルハウスには、それぞれ異なるテーマが設けられている。
 まず、体験宿泊が可能な「クラスト館(ミルクリーク・ロイヤル)」では、空調システムやオール電化設備の快適性などを体感できる。チューダー様式で、ヨーロッパの王室風スタイルとなっている。

 イタリアネート様式の「インテリア館(ミルクリーク・グランド)」には、デザインショールームとキッズルームが併設されており、照明やカーテン、内装材等のサンプルやカタログが設置されている。

 ギャラリーをテーマとした「ヒストリー館(ミルクリーク・ヴィンテージ)」は、ミルクリークの誕生から現在までの歴史を一望できる。ジョージアン様式で、2階の洋室に歴史を紹介するパネルを展示。「男の隠れ家」をテーマにした書斎コーナーもある。

 「ホビー館(ミルクリーク・コレクト)」は、ニューネザーランド様式で、趣味に没頭する暮らし方を紹介したテーマ館。1階にはハウスワーク等が楽しめる「アトリエ」を配置。趣味の教室も開催する。アトリエ空間には、2つの入り口があり、家の外と中、両方に通じている。玄関脇には、埃や花粉を飛ばす、エアシャワーも設置されている。

 スパニッシュ・コロニアル様式の「パフォーマンス館(ミルクリーク・ピアロッソ)」は、断熱材や構造躯体を実際に見学でき、2階のドクターズルームでは、空気・水・安全・安心をテーマにした健康に対する取り組みを測定器などで体感できる。空気中の塵や、紫外線を防ぐ窓ガラスの数値を、実際に測り、その効果を実感できたり、枠や壁紙からのホルムアルデヒドを吸収・分解する仕組みを紹介していた。

 ニューイングランド様式の「イベント館(ミルクリーク・ノーブル)」では、各種イベントを開催、資金計画やプランニング、住宅ローンに関する資料等、家づくりの情報コーナーを設けている。ラウンジ感覚の落ち着いた空間で、くつろぎながら自由に閲覧できる。

●首都圏で今後も積極展開へ

 会見で同社代表取締役社長の金指 潔氏は、「これまでクラストのモデルハウスには、約3,300名に来場いただいている。そのうち500名が宿泊され、70%に当たる350名にご成約いただいています。『クラストパーク』は、今までとはちょっと視点を変え、楽しみながら家づくりができないか、という発想から生まれた。各々のモデルハウスにテーマを設け、半日遊んでもらえれば、ミルクリークの良さを理解してもらえる。家を作ることは楽しいことだというのを、多くの方に知っていただきたい」などと語った。
 また、今後の展望については、「首都圏で2ヵ所の展開を計画している。それぞれ2年で売却を考えており、集客は月50~60組、1年で700~800名ほどを予定している」(同氏)。
 なお、オープンを記念したバス見学会も開催する予定で、すでに150名ほどの申し込みが入り、人気を呼んでいるという。

 「テーマパークで遊ぶように、家づくりを楽しめる」というこの試み。説明書きパネルや住宅の構造模型等が飾ってあるだけで、テーマパークというよりは、どちらかというとギャラリーに近いような気もしたが、同じ広さで全く違うタイプのモデルハウスを6棟同時に見られるのは、その場で比較・検討ができ、家選びをする上でとても参考になる。
 6棟の住宅はほぼ同じ大きさだが、中に入ると雰囲気や空間の使い方が全く違う。各モデルハウスに合ったインテリアも配置されており、理想の暮らしをリアルにイメージすることができる。
 こうしたモデルハウスのスタイルが、今後主流となるのか、注目していきたい。(さ)

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