(公財)不動産流通推進センターは20日、不動産コンサルティング制度発足から25周年を記念したトークイベント「ストック活用コンサルティングが明日を創る~リフォーム・リノベーション・コンバージョン~」を「Nagatacho GRID」(東京都千代田区)で開催。約50人が参加した。
明海大学不動産学部学部長・教授の中城康彦氏、スタイルオブ東京(株)代表取締役の藤木賀子氏、u.company(株)代表取締役の内山博文氏がコメンテーターとして参加し、(株)住宅新報社特別編集委員・論説主幹の本多信博氏が司会を務めた。各コメンテーターから外国と比較した日本におけるストック活用の実態、不動産コンサルティングやワンストップサービスの重要性、リノベーションビジネスにおける課題や求められているサービスなどが示された。
ストックを活用した不動産コンサルティングを進めていくためには、「リノベーションとは単なる建物改装ではなく問題解決に必要な手法という認識が必要。リノベーションビジネスでは、ハード・ソフト含めさまざまな分野に精通してコーディネートする力が求められる」(内山氏)、「顧客の真のニーズを探り、すべての問題を解決する力が必要」(藤木氏)、「地域の価値を上げることを念頭に、管轄などを超えたストック活用が必要。コンサルタントは大局観を持って粘り強く進めていくことが重要」(中城氏)などの意見が挙がった。
さらなる不動産コンサルティングの発展のためには、「高いレベルで新しい仕組みに変える行動力と理解力が求められている。高度なコンサルタント育成の仕組みが必要なのでは」(中城)、「コンサルの定義が広いことから、具体的に何をすれば良いのか、状況に応じた事例を積み上げて共有する必要がある。ユーザーにもその内容を分かりやすく伝えていくべき。慣習で抑制し、既存のビジネスモデルの中で動くのではなく、業界の常識を疑う視点を有した柔軟なコンサルタントの育成が必要」(内山氏)といった意見が述べられた。